酒石酸
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酒石酸(しゅせきさん Tartaric acid)は酸味のある果実、特に葡萄、ワインに多く含まれる有機化合物で、ヒドロキシ酸である。IUPAC命名法では 2,3-ジヒドロキシブタン二酸(2,3-dihydroxy butanedioic acid)となる。ワインの樽にたまる沈殿(酒石、tartar)から、カリウム塩(酒石酸水素カリウム)として発見されたためこの名がある。常温常圧で無色の固体。極性溶媒によく溶ける。水への溶解は、L体、D体、メソ体はよく溶けるが、ラセミ体は比較的溶けにくい。英語のTartaric acidからタルタル酸とも呼ばれる。
L-(+)-酒石酸の球棒モデル | |
| 物質名 | |
|---|---|
2,3-Dihydroxybutanedioic acid | |
別名 Tartaric acid | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
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| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| ChemSpider | |
| DrugBank | |
| ECHA InfoCard | 100.121.903 |
| E番号 | E334 (酸化防止剤およびpH調整剤) |
| KEGG | |
| MeSH | tartaric+acid |
PubChem CID |
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |
| C4H6O6 (一般式) HO2CCH(OH)CH(OH)CO2H (構造式) | |
| モル質量 | 150.087 g/mol |
| 外観 | 白色粉末 |
| 密度 | 1.737 g/cm3 (R,R- と S,S-) 1.79 g/cm3 (ラセミ体) 1.886 g/cm3 (メソ体) |
| 融点 | 169, 172 °C (R,R- と S,S-) 206 °C (ラセミ体) 165-6 °C (メソ体) |
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| 酸解離定数 pKa | L(+) 25 °C : pKa1= 2.89, pKa2= 4.40 メソ体 25 °C: pKa1= 3.22, pKa2= 4.85 |
| 共役塩基 | 酸性酒石酸塩 |
| 磁化率 | −67.5·10−6 cm3/mol |
| 危険性 | |
| GHS表示:[3] | |
| Danger | |
| H318 | |
| P280, P305+P351+P338+P310 | |
| 関連する物質 | |
| その他の 陽イオン |
酒石酸一ナトリウム 酒石酸ナトリウム 酒石酸水素カリウム 酒石酸カリウム |
| 関連するカルボン酸 | 酪酸 コハク酸 ジメルカプトコハク酸 リンゴ酸 マレイン酸 フマル酸 |
| 関連物質 | 2,3-ブタンジオール チコリ酸 |
不斉炭素
用途
酒石酸は食品添加物としての使用が認められており、ベーキングパウダーや酸味料などとして食品に添加される。医薬においては水溶性を改善するため、酒石酸の塩として供給されているものがある。有機合成化学の分野では光学分割剤として用いられるほか、誘導体が不斉触媒などとして使われている(酒石酸ジエチルを用いるシャープレス酸化が有名)。
相撲部屋ではちゃんこに使うポン酢は市販のものを買うのではなく、酒石酸を湯に溶かし、それを醤油に混ぜ、香りづけに柑橘類を絞ったものを入れることがある[4][5]。
「疲労を回復する」、「整腸作用がある」などといわれているが、ヒトでの有効性・安全性については科学的に信頼できる十分なデータがない[6]。ラットを用いた実験では、リン・カルシウムの腸管からの吸収を阻害するというデータが得られている[7]。


