酸化インジウム(III)
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酸化インジウム(III)(さんかインジウム さん、英: indium(III) oxide)は化学式In2O3で表されるインジウムの酸化物で、両性酸化物である。
| 物質名 | |
|---|---|
別名 三酸化インジウム、三酸化二インジウム | |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
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| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.013.813 |
| EC番号 |
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PubChem CID |
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| UNII | |
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |
| In2O3 | |
| モル質量 | 277.64 g/mol |
| 外観 | 黄みがかった緑色の無臭の結晶性固体 |
| 密度 | 7.179 g/cm3 |
| 融点 | 1,910 °C (3,470 °F; 2,180 K) |
| 不溶 | |
| バンドギャップ | ~3 eV (300 K) |
| 磁化率 | −56.0·10−6 cm3/mol |
| 構造 | |
| 立方晶、空間群 Ia3 No. 206, cI80, a = 1.0117(1) nm, Z = 16[1]
三方晶、空間群 R3c No. 167, hR30, a = 0.5487 nm, b = 0.5487 nm, c = 0.57818 nm, Z = 6 密度(計算値)7.31 g/cm3[2] | |
| 危険性 | |
| GHS表示:[3] | |
| Danger | |
| H315, H319, H335 | |
| P260, P261, P264, P270, P271, P280, P302+P352, P304+P340, P305+P351+P338, P312, P314, P321, P332+P313, P337+P313, P362, P403+P233, P405, P501 | |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
物性
結晶構造
非晶質の酸化インジウム(III)は、水には不溶だが、酸には溶解する。結晶は、水にも酸にも溶解しない[4]。
結晶には立方晶(ビクスビ鉱(en:bixbyite)型)[1]と三方晶(コランダム型)[2]、二つの相があり、それぞれおよそ3 eVのバンドギャップをもつ[5][6]。
格子定数等は右の物性欄に示す。
三方晶は高温高圧条件か、非平衡的な成長法を用いてつくられる[7]。
導電性と磁性
クロムをドープした酸化インジウム(III)の薄膜(In2-xCrxO3)は、高温で強磁性を示し、単一の結晶相を持ち、高密度のキャリアを持つ磁性半導体である。スピントロニクスにおけるスピン注入素子としての応用が期待されている[8]。
亜鉛をドープした酸化インジウム(III)の多結晶の薄膜は、高い導電性(~105 S/m)を持ち、液体ヘリウムの低温で超伝導性を示す。
超伝導転移温度Tcは、ドーピングと薄膜の構造に依存し、3.3 K以下である[9]。
合成
バルク試料は、水酸化インジウム(III)、硝酸インジウム(III)、炭酸インジウム(III)、または硫酸インジウム(III)を加熱して作られる[10] 。
アルゴン/酸素雰囲気下でインジウム標的にスパッタリングを施すと酸化インジウム(III)の薄膜が得られる。半導体における拡散障壁(障壁金属)として用いることができる(例: アルミニウムとケイ素の間の拡散を防ぐ)[11]。
レーザーを用いたアブレーションによって単結晶ナノワイヤー(en:Nanowire)とすることができ、直径は最小で10 nmまで制御でき、電界効果トランジスタ(FET)の材料となる[12]。単結晶ナノワイヤーは、酸化還元タンパク質の鋭敏で選択的なセンサーとして働く[13]。ナノワイヤーを得るその他の方法として、ゾルゲル法がある。
酸化インジウム(III)は半導体材料として用いられ、p-InP, n-GaAs, n-Siその他の素材とヘテロ接合を構成する。
太陽電池の製造に有用な方法として、熱したシリコン基板に塩化インジウム(III)水溶液をスプレーすることで、酸化インジウム(III)層を作製できる[14]。

