金富子
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青森県に在日朝鮮人2世として生まれる[6]。1982年3月、北海道大学文学部(東洋史学科)卒業。1998年3月、東京学芸大学大学院教育学研究科社会科教育専攻修士課程修了[7]。 2002年9月、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(人間発達科学専攻ジェンダー論講座)博士後期課程修了[7]。
2002年、論文「植民地期朝鮮における普通学校への就学・不就学とジェンダー:民族・階級との関連を中心に」にてお茶の水女子大学より博士(学術)の学位を取得[8]。
青山学院大学ほかの非常勤講師、お茶の水女子大学COE研究員を務める。 2007年、著書『植民地期朝鮮の教育とジェンダー』にて女性史総合研究会の第1回女性史学賞を受賞。
2005年9月から2009年3月まで、韓国韓神大学校准教授[7]。2009年4月から2023年3月まで、東京外国語大学総合国際学研究院教授(国際社会部門・国際研究系)[9]。2023年3月、「植民地ジェンダー史研究とポストコロニアル・フェミニズム」と題する最終講義を行なった[10]。
在学中よりいわゆるアジア・太平洋戦争下の「慰安婦」問題に取り組み、VAWW-NETジャパンの活動に運営委員として関わる。女性国際戦犯法廷でも運営の中心的役割を担った。この縁から、西野瑠美子らと共著を出す機会が多い。韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が推進する「戦争と女性の人権博物館」の日本建設委員会に、西野と一緒に参加している[11]。
1996年12月2日、「新しい歴史教科書をつくる会」の結成記者会見が開かれ、メンバーの西尾幹二は「この度、検定を通過した7社の中学教科書は、証拠不十分のまま従軍慰安婦の強制連行説をいっせいに採用した」との声明を発表し、文部大臣に対し記述削除を要求すると述べた[12][13][14]。 この動きに危機を抱いた金は12月15日、加納実紀代、鈴木裕子、川田文子、石川逸子、森川万智子らとともに『「新しい歴史教科書をつくる会」に抗議する女たちの緊急アピール』の呼びかけ人となった[15]。12月18日、福島瑞穂や田嶋陽子も加わった記者会見を開き、緊急アピールを発表した[16]。 また、1997年1月には『「自由主義史観研究会」「新しい歴史教科書をつくる会」等の動きを憂慮する在日朝鮮人のアピール』の呼びかけ人となる[17]。
2016年12月27日、安倍晋三首相はアメリカのオバマ大統領と共に日米開戦の発端地となったハワイの真珠湾を訪問し、真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊を行った。安倍は真珠湾で演説を行い、日米関係を「希望の同盟」「和解の力(the power of reconciliation)」とし、国際紛争の解決には寛容さが必要であると訴えると[18]、金は山口智美、アレクシス・ダデン、林博史、ガヴァン・マコーマックらと共に、安倍の歴史認識と中国・朝鮮の戦争犠牲者に対する慰霊を行う意思があるかを問いただす公開質問を行った。[19]この公開質問に対して、米国ダートマス大学のジェニファー・リンド教授は「日米韓は信頼関係があるから和解は成立するが、中国や韓国は日本と信頼関係はないため、慰霊は逆効果になる。」と解説している。[20]
人物・思想
- 戦争と女性の人権博物館や日本の戦争責任資料センターの主催するシンポジウムなどで講師やパネリストを務めている[21]。
- 朴裕河の著書『和解のために』と和田春樹や上野千鶴子などそれを評価する人たちを「彼女たちの主張は被害者証言・性奴隷状態を軽視し、あまりにも国家中心・男性中心。植民地主義への批判が欠落し、被害と加害を同列化している。」と批判した[22]。
- 朴裕河の『帝国の慰安婦』を批判しており、 朴と彼女を支持する日本のリベラル知識人による過度な韓国民族主義に対する疑念については「朴裕河の著書を支持する日本の進歩(リベラル)知識人のあまりに深刻な(退行的)動き」と指摘し、むしろ彼らこそが「深刻な人類普遍の問題を民族主義問題に縮小歪曲し焦点を曇らせている」と非難している[23]。
- 慰安婦問題に関し、『慰安婦と戦場の性』の著者、秦郁彦を「歴史修正主義のマエストロ」[24]、J・マーク・ラムザイヤーの論文「太平洋戦争における性契約」を「学会のヘイトスピーチ」[25]と評した。
- 日本・中国・韓国の研究者が編集した学校副教材『未来をひらく歴史』の執筆者である。→詳細は「未来をひらく歴史」を参照