食品用ラップフィルム
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食品用ラップフィルム(しょくひんようラップフィルム、英語:plastic wrap、cling film、cling wrap、food wrap)とは、食品の保存や調理に用いられる合成樹脂製フィルム[1]。一定の耐熱性と耐水性をもち、透明かつ軽量で、柔軟な膜状素材である[1]。JIS Z 1707で定められた用語でもある。

単にラップ(wrap)と呼ばれることもあるが、その場合は食品用以外のもの(本や玩具のシュリンク、タバコの外装フィルムなど)も含む。また英語本来の意味では包むもの一般も意味する。
アメリカ合衆国や日本ではサランラップの名でも知られるが、登録商標である(アメリカ合衆国ではダウケミカル、日本では旭化成グループが製造販売)。
歴史
利用
形態と利用方法
通常、紙管に巻かれた状態で化粧箱に格納されており、ここから指で引き出し、化粧箱に設置された鋸刃(金属刃やプラスチック刃など)によってカットして包装する[2]。
食品用ラップフィルムには耐熱温度と耐冷温度がある[4][注釈 1]。
ラップフィルムをオーブンや電子レンジのオーブン機能で加熱すると、破けたり溶けて食品中に混入するおそれがある[1][5]。また、特にポリエチレン製のラップフィルムは耐熱温度が低いため(110℃)、油性が強い食品を電子レンジで加熱する場合には、底の深い容器を使用して食品に直接触れないようにする必要がある[1][5]。
また、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)製のラップフィルムでも、油性の強い食品(肉、魚、天ぷら、コロッケ等)を電子レンジで加熱すると食品が高温となり、ポリ塩化ビニリデンの耐熱温度(140℃)を超えることがある[1][5]。そのため、食品を直接ラップフィルムで包むことは避け、底の深い容器を使用して食品に直接触れないようにする必要がある[1][5]。油分の多い料理のほか、砂糖を多く含むもののレンジ加熱にも適さない[6]。
このほか、生きたホタテ、牛レバー、レンコン、キュウリ、パパイヤ、サツマイモなどをラップフィルムで直接包み、日なたで長時間放置すると、食品中の加水分解酵素がラップと作用して微量のアルコール分を生じることがある(毒性はないが異臭を伴うことがある)[1]。
その他の利用
組成
原材料
| 材料名称 | 包装用フィルム 出荷量[8] (1995年日本、トン) | 主な商品 |
|---|---|---|
| セロハン | 34.9 | |
| ポリエチレンテレフタレート (PET) | 40.5 | |
| 延伸ポリプロピレン (OPP) | 195.6 | |
| ナイロン (NY) | 40.5 | |
| ポリエチレン (PE) | 495.5 | |
| ポリプロピレン (PP) | 83.5 | |
| ポリ塩化ビニリデン (PVDC) | 46.8 | |
| ポリビニルアルコール (PVA) | 15.5 | |
| ポリ塩化ビニル (PVC) | 212.0 | |
| ポリメチルペンテン (PMP) | データなし |
|
| 複合 (PE+PP) | - |
|
| 複合 (PE+PMP) | - |
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| 複合 (PO複合三層) | - |
|
| 複合 (NY+PE) | - |
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添加物
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)やポリ塩化ビニル(PVC)製のラップフィルムでは樹脂を柔軟にするために可塑剤が用いられている[1]。
1999年(平成11年)の生鮮食品の包装の分析では、可塑剤に使用されるアジピン酸ジイソノニル(DINA)やアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、日本国外の製品でDEHAが検出されたが、これらの可塑剤に用いられる物質は遺伝毒性や発がん性は認められていない[5]。
安全性
市販のラップフィルムには耐熱温度や取り扱い上の注意事項が記載されており、それに従わない使い方をするとフィルムが破けたり食品に混入するおそれがある[5]。
内分泌攪乱化学物質問題
1999年(平成11年)に食品用PVC製ラップフィルムへのノニルフェノール(NP)の残存が報告され、ノニルフェノール(NP)が内分泌攪乱化学物質(いわゆる「環境ホルモン」)の一つとされたことから問題視された[1]。そのため、日本では2000年(平成12年)に事業者団体である日本ビニル工業会がノニルフェノールを含有しないPVC製ラップフィルムの製法への切り替えを発表した[1]。これにより日本国内で販売流通する国産の家庭用及び業務用ラップフィルムではノニルフェノール(NP)は残存しないとされる[5]。同様の議論はヨーロッパでも行われている[1]。
安全基準
- 日本では食品衛生法に基づき、材質試験及び溶出試験の規格基準が定められている[5](厚生省告示370号「食品、添加物の規格基準」[9])。
- 欧州連合(EU)では食品と接触することを意図するプラスチック素材及び製品に関する委員会規則を公表し、化学物質のリスト(ポジティブ・リスト)が法律で定められている[1]。
- 米国ではアメリカ食品医薬品局(FDA)所管の連邦食品医薬品化粧品法の適用を受け、容器包装から食品中に移行する物質は間接食品添加物(Indirect Food Additive)として規制を受ける[1]。
- 中国では国家規格「食品容器、包装材料用助剤衛生基準」(GB9685-2008)において、ラップフィルムを含むPVC製品の製造中での、DEHA及びアジピン酸ジオクチル(DOA)の最大使用量を定めている[1]。
環境への悪影響
合成樹脂製以外の食品用ラップフィルム
- 蜜蝋ラップ - 蜜蝋を布(オーガニックコットンなど)に染み込ませた食品保存用ラップ。