魚豊
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幼少期から絵を描くことが好きで、漠然と漫画家になりたいと思っていた。『バクマン。』のアニメを偶然見て漫画家になるまでの流れを知り、13歳から作品の投稿を始める。3ヶ月に1度のペースで投稿を続け、17歳で担当編集がつくまではギャグ漫画を描いていた[1][4][5]。
2017年に週刊少年マガジン新人漫画賞で入選した読み切り作品「佳作」が『別冊少年マガジン』(講談社)に掲載され、デビュー。2018年上半期ごろには『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』のアシスタントも務めた[6]。
2018年11月6日より『ひゃくえむ。』を『マガジンポケット』にて連載開始[7]。同作の連載が終了すると、魚豊は「各誌の有名編集者から執筆してほしいと引く手数多」な状態であった[8]。
2020年9月14日より『チ。-地球の運動について-』を『ビッグコミックスピリッツ』にて連載開始[9][10]。
2021年、『ビッグコミックスピリッツ』の新人賞がリニューアルし、「スピリッツ新人王決定戦」の開催が決定[11]。魚豊が第1回の審査員に起用[11]。2025年、第23回『月刊少年マガジン』新人賞の審査員を務めた[12]。
2022年、『チ。-地球の運動について-』で第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少(当時24歳)で受賞[13]。1次選考と推薦でともに1位、最終選考会で満場一致という異例の快挙[14]。翌2023年、同作で第54回星雲賞コミック部門を受賞[15]。
2023年8月21日より『ようこそ! FACT(東京S区第二支部)へ』を『マンガワン』ならびに『裏サンデー』にて連載開始[16]。
2024年、Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2024 ENTERTAINMENT & SPORTSを受賞[17]。
2024年10月より『チ。-地球の運動について-』のTVアニメが放送され[18]、翌2025年9月に『ひゃくえむ。』のアニメ映画が劇場公開された[19]。
2025年1月23日より『Dr.マッスルビートル』を『週刊少年チャンピオン』にて連載開始[20]。
2026年、東京アニメアワード2026 アニメオブザイヤー部門 原作・脚本部門を受賞[21][22]。
人物
顔出しNGのため、著者近影として「鱧の湯引き」の絵を使用し音声のみでメディアに出演している[23]。一方で、オフラインのトークイベント等に登壇する際は、来場者に姿を公開している。
ペンネーム「魚豊」は、自身の好物である魚『鱧(ハモ)』に由来しており[4]、「居酒屋のような名前」を意識して名付けられた。読み切りでのデビュー後に「虎視坦々麺」か「鱧肉鴨肉」にしたいと提案したが、担当編集者から「別にいいけど、あまりコロコロ変えないほうがいいよ」との助言を受け現在の名義に落ち着いた。なお、理想のペンネームとして「ちょぼらうにょぽみ」を挙げている[24]。
高校時代、突如として「いつか死ぬこと」「今まで楽しかった人生は引き継ぎも保存もできず無になること」への強烈な恐怖(タナトフォビア)に襲われる。それから毎晩1、2時間にわたって死について考え眠ることもできず、その不安から逃れるべくクラスメイト全員に「いつか死ぬことについてどう思う?」と聞いて回った。その際、柔道部の福留くんに言われた『俺、死なねえから』という言葉に救われ、大見得を切って嘘をつくことで他者を救う「漫画的」な振る舞いに感銘を受け、自身の創作活動の原動力の一つとなった[25]。その後、連載デビュー作『ひゃくえむ。』の完結とともに一度は死への恐怖が収まったものの、27歳で再発。以前よりも恐怖心は強まっているという[26]。
講談社の担当編集・詫摩尚樹は高校生の頃の魚豊の印象について、会話の中で友人に関するエピソードが頻繁に語られることから「他人としっかり関わっている人」だと述べている[27]。また、作品に見られる独自の哲学的な台詞回しや言語センスについては、魚豊が長年親交のある友人らと言葉遊びのような会話を日常的に楽しむ中で磨かれたものではないかと推測している[28]。
興味のある分野を深く調べることは好きな一方、「勉強は全然できないです」とインタビューの中で話している[29]。
地元の友人には漫画家であることは明かしておらず、仕事の話題を避け続けているためニートだと思われ本気で心配されている[31]。
ロックバンドのamazarashiを昔からよく聴いており、amazarashiのボーカルである秋田ひろむと「互いに相手のために制作した新たな作品を発表し、作品を通じて会話を交わす」という往復書簡プロジェクトを立ち上げたことがある[32]。
あらゆるメディアの中で本は、頭を空っぽにして適当に向き合えるという点で1番好きだという。生涯ベストの本はミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』と、チャーリー・カウフマン『アントカインド』[33][34]。
好きな映画は『第9地区』『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』『ディザスター・アーティスト』[35]クエンティン・タランティーノ監督作品 マーベル作品など[36]。
好きなアニメに『SHIROBAKO』や京都アニメーション作品を挙げており、特に『日常』と『響け!ユーフォニアム』から強く影響を受けたという。魚豊の連載デビュー作『ひゃくえむ。』は「響け!ユーフォニアムの陸上競技版」として描き、自身の方向性を決める上での指針になった[37]。
影響を受けた人物は千鳥の大悟とフリードリヒ・ニーチェ[38]。
作品リスト
連載
- ひゃくえむ。(『マガポケ』2018年11月6日[7] - 2019年8月6日)
- チ。-地球の運動について-(『ビッグコミックスピリッツ』2020年42・43合併号[9] - 2022年20号[39])
- ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ(『マンガワン』2023年8月21日[16] - 2024年2月19日[40])
- Dr.マッスルビートル(1巻原案、原作・作画:古町[41]、『週刊少年チャンピオン』2025年8号[42] - 2025年23号)
読み切り
- パンチライン(『マガメガ』2016年7月) - 週刊少年マガジン2016年5月期MGP(マガジングランプリ) 佳作作品[43]、「
福内鬼外 ()」名義、デビュー前作品。 100'M ()(『マガメガ』2017年3月) - 97回週刊少年マガジン新人漫画賞 特別奨励賞&安田剛士賞作品[44]、『ひゃくえむ。新装版』上巻に併録、「中嶋魚豊 ()」名義、デビュー前作品。- 佳作(『別冊少年マガジン』2017年7月号) - 98回週刊少年マガジン新人漫画賞 入選作品[44]、『ひゃくえむ。』4巻、『ひゃくえむ。新装版』下巻に併録、デビュー作品。
執刀 ()(『別冊少年マガジン』2017年12月号) - 『ひゃくえむ。』4巻に併録。
書籍
- 『ひゃくえむ。』、講談社〈KCデラックス〉2019年、全5巻[注釈 1]
- (新装版)講談社〈KCデラックス〉2022年、全2巻
- 『チ。-地球の運動について-』、小学館〈ビッグコミックス〉2020年 - 2022年、全8巻
- 『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』、小学館〈裏少年サンデーコミックス〉2023年 - 2024年、全4巻
- 『Dr.マッスルビートル』、原案、原作・作画:古町[41]、秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉2025年、全2巻、単行本化に際して「1巻原案 魚豊」のクレジットがなされているが2巻では古町の単独名義となっている。
- 2025年4月8日発売[48][49]、ISBN 978-4-253-29861-2
- 2025年7月8日発売[50]、ISBN 978-4-253-29862-9
ジャケットイラスト
- Dos Monos『王墓』(2021年12月3日)
- amazarashi『カシオピア係留所』(2022年6月30日)
- joe cupertino『DOOR』(2022年10月20日)
- Official髭男dism『らしさ』(2025年8月6日)
- 堤博明 映画『ひゃくえむ。』オリジナルサウンドトラック(2025年9月17日)
その他
- PK shampoo ✕『チ。-地球の運動について-』コラボグッズ(デザイン)
- 『チ。-地球の運動について-』✕ amazarashi往復書簡プロジェクト『共通言語』(楽曲「1.0」をテーマにしたイラスト)
- ドグラ・マグラ 上巻・下巻(著:夢野久作、KADOKAWA〈角川文庫〉、期間限定カバーイラスト)
- ダウ90000第七回演劇公演『ロマンス』(フライヤーイラスト)