麻辣湯

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麻辣湯(マーラータン、中国語: : 麻辣烫: 麻辣燙拼音: málàtàng)は、中華人民共和国で一般的な屋台料理の一つ[1]四川省発祥だが、四川風のものとは異なる。四川風のものは、華北でいうところの火鍋により似ている。

繁体字 麻辣燙
簡体字 麻辣烫
漢語拼音málàtàng
イェール粤拼màah laaht tong
概要 繁体字, 簡体字 ...
麻辣湯
麻辣湯
繁体字 麻辣燙
簡体字 麻辣烫
発音記号
標準中国語
漢語拼音málàtàng
粤語
イェール粤拼màah laaht tong
粤拼maa4 laat6 tong3
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名称

麻辣燙/麻辣湯の名称は、核となる材料である花椒と乾燥唐辛子を組み合わせた麻辣調味料に由来する。麻辣の「麻」は中国語で「痺れる」、「辣」は「辛い」の意味であり、口腔内で感じる感覚を表す漢字が組み合わせられている[2]。「燙/烫」は「湯通しする」「熱い」といった意味。日本語では中国語で「スープ」の意の「湯」を用いる。

歴史

起源

麻辣湯の発祥地は四川省近辺の長江流域であると言われている。古代中国では舟運が一大産業であり、多くの人が曳航業で生計を立てていた。湿気とが多く寒い天候下で体調を崩さないよう、曳航業者は空腹時には鍋で薬草を煮込み、花椒生姜をスープに入れて体を温めた。こうして生まれた麻辣湯に飲食業者が商機を見出し、やがて中国全土に広まった[2][3]。注文を受けてから調理し、テーブルで食べる火鍋とは異なり、麻辣湯は大鍋で作る屋台料理が起源である。食堂では食べたいものをすぐに選び、店内で食べるか持ち帰るかのいずれかができる[2][3]

日本における受容

東洋経済オンライン』のライターの阿生によれば、日本においては2007年に石神秀幸が「七宝麻辣湯」を開店したことにより、麻辣湯が認知されはじめたとされる。2012年頃には、池袋北口エリアに四川麻辣湯が開店[4]。日本では七宝麻辣湯が本来の中国語表記である「麻辣燙」の「燙/烫」を、中国語でスープを意味する「湯」に置き換えた「麻辣湯」という表記を用い、その後広く定着したとされる[5]。近年では「麻辣湯」のほか、「麻辣担」や頂マーラータンなどにみられる「マーラータン」等の表記も用いられている。この頃は池袋や上野など、在日中国人向けの店がほとんどであった[6]

2018年~2019年頃、韓国でマラタン(韓国語:마라탕)がブームとなる[7][8]。SNSを中心に火がつき、BTSなどのK-POPアイドルが番組内やライブ配信でとりあげたことがきっかけであった。

2018年には池袋に中国の麻辣湯チェーンである楊国福麻辣湯が進出した[9]。2018〜2019年頃には、「マー活(=マーラータン活動)」という言葉がSNSやメディアで取り上げられブームが広がった[10]

2024年の中旬頃から、日本における大きなブームが到来する[11]。複数のメディアが、国内における若い女性を中心とする麻辣湯ブームを報道している[9][12][13]。ライターの阿生は、その背景には、TikTokInstagramにおいて、インフルエンサーにより七宝麻辣湯や頂マーラータンをはじめとする料理店が紹介されたこと、韓国におけるブームがあったことを論じている[9]。Creative Groupの運営するメディアである『Trepo』が発表した「2024年下半期Z世代トレンドランキング」においては、麻辣湯が「グルメ部門」の1位となった[12]バイドゥが運営するキーボードアプリ「Simeji」が発表した「Simeji presents Z世代トレンドアワード2025」においては、麻辣湯がモノ部門「バズったグルメ2025」の1位となった[14]。アイランドが運営する料理インフルエンサープラットフォーム「フーディストサービス」が発表した「2025年 トレンド料理ワード大賞」においては、麻辣湯が3位となった[15]。2025年の新語・流行語大賞のノミネート30語入りした[16]

2025年には、専門店での喫食だけでなく、家庭向けの商品化にも注目が集まった。『GetNavi web』は「GetNavi NEXTトレンド」のフード部門で麻辣湯を取り上げ、新大久保に本店を置く頂マーラータンの味を家庭で再現できる冷凍商品「おうちでマーラータン」を紹介した[17]。また、同年には大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」を使用した「EXPO2025 ミャクミャク 麻辣湯」が販売されるなど、麻辣湯の商品化はキャラクターIPとの連携にも広がっている[18]

一方、ライターの阿生が2026年に『36Kr Japan』に寄せた記事によると、日本においてはアレンジされたレシピが出てきているほか、すき家など麻辣湯の専門店以外の飲食店も麻辣湯風のレシピを出すようになり、もはや何でもありになったと述べている[19]。阿生は個人的な見解として、しばらくの間は日本独自に進化した「魔改造」マーラータンでブームの延命を図り、エスニック料理の一ジャンルとして定着するのではないかと述べている[19]

調理

串の煮込み形式

北京三里屯で供された、串串形式の麻辣湯

串の煮込み形式の麻辣湯では、一般的には大きくて平らな鍋が置かれたテーブルが路上に設置され、多種多様な串刺しの具材がほどよい辛さのスープで煮込まれる。客はテーブルを囲み、食べたい具材の串をつまむ。多種多様な具材があるため普通はすべての具材が同時に鍋に入れられているわけではなく、客は他に食べたい食材を注文することができる[2][3]

この形式は、中国四川省の屋台料理である「串串(chuànchuàn)」の流れを汲んでいる。客は串を皿の脇に置いておき、会計時には串の数に応じて代金を支払う[2][3]

重量形式

セルフサービスで食材を選ぶ方式の麻辣湯店。前方には野菜や麺類、後方には魚や肉が陳列されている。
できあがった麻辣湯

2010年代中期には、北京を中心とする華北地方で麻辣湯店が人気を博した。これらの麻辣湯店ではバイキング形式で食材を選び、客は陳列された具材から好きなものを選んで器に盛る。その後カウンターの裏側で、客の選んだ具材が辛味のある出汁で3~4分間高温で煮込まれる。提供前には、大量のニンニク黒胡椒、花椒、唐辛子、芝麻醤、ピーナッツでさらに味付けされる。代金は自分で選んだ具材の重量に応じて決まる[2][3]

この形式は、火鍋の方式を、現代のファストフード形式に最適化したものである。その名残として、つけダレを選べる店もある。

一般的な材料

一般的に麻辣湯に用いられる材料のいくつかは、以下の通りである[20]

麻辣湯の効用

麻辣湯には多種多様な野菜や肉が入れられることが多く、豊富な食材が含まれている。これにより食べる際にさまざまな栄養素を吸収することができ、栄養バランスを整える役割を果たす[21]

一方、辛油(ラー油など)を多く入れたり、練り物・揚げ物といった高カロリーな具材を入れると[22]、逆効果である。また、塩分が多いこと、過度な辛味が消化器官に悪影響であることが指摘されている[23]

脚注

関連項目

外部リンク

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