菜系
中国における料理の一般的な区分法
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概要
歴史
四大菜系

中国の国土を大まかに東西南北に分け、それぞれの気候風土や地域経済圏と関連付けて4つの代表的な地方料理を説明したもの[2]。日本ではよく知られる[2]。
- 北方系 - 北京料理など。塩辛くて味が濃い[3]。
- 東方系 - 上海料理など。甘く、濃厚な味付け[3]。江南(淮揚)系とも。長江下流域を広く含む地域概念[2]。
- 南方系 - 広東料理など。素材の味を生かした淡泊な味付け[3]。
- 西方系 - 四川料理など。ピリっとした辛さが特徴[3]。
このような四大分類は、清代初期までには認知されるようになり、当時の知識人たちの間ではある程度広く認知されていたというのが通説となっている[2]。史料で完全な裏付けが取れているわけではないが、一概に退けられることもされていない[2]。
八大菜系
上述のように20世紀後半より用いられるようになった分類法[2]。
1980年6月20日の『人民日報』「我国的八大菜系」では以下の8つが挙げられている[2]。
香港や台湾では上記の8つではなく、異なった8地域が挙げられることもあり、統一的な見解ができているわけではない[2]。
| 菜系 | 主な地域 | 特徴・代表料理 |
|---|---|---|
| 魯菜(ろさい) | 山東省 | 塩味を基調とし、ネギ、ニンニク、海産物を多く用いる。北京料理や宮廷料理にも影響を与えたとされる。 |
| 川菜(せんさい) | 四川省 | 唐辛子と花椒による麻辣味が知られる一方、辛味を伴わない料理も含まれる。代表料理には麻婆豆腐、回鍋肉などがある。 |
| 粤菜(えつさい) | 広東省 | 食材の鮮度や持ち味を重視し、海産物を多く用いる。点心、叉焼などが代表的で、飲茶の文化でも知られる。 |
| 蘇菜(そさい) | 江蘇省 | 煮込み料理や蒸し料理が多く、比較的甘味のある味付けを特徴とする。淮揚料理もこの系統に含まれる。 |
| 浙菜(せつさい) | 浙江省 | 魚介類やタケノコなどの新鮮な食材を用い、比較的淡泊な味付けを特徴とする。代表料理には東坡肉などがある。 |
| 閩菜(びんさい) | 福建省 | 海産物やスープを多く用い、甘味、酸味、うま味を組み合わせる。代表料理には佛跳牆などがある。 |
| 湘菜(しょうさい) | 湖南省 | 唐辛子による辛味、酸味、燻製食品の使用を特徴とする。四川料理と比較すると、花椒による痺れが少ない傾向にある。 |
| 徽菜(きさい) | 安徽省 | 山地で得られる食材、乾物、発酵食品などを用い、煮込み料理や蒸し料理に仕立てることが多い。 |
これらの分類は各菜系の特徴の一部を単純化したものであり、おおむね次のような傾向として整理される。
- 辛味を特徴とする菜系:四川料理は、唐辛子による辛味と花椒による痺れを組み合わせた「麻辣」を特徴の一つとする。湖南料理は唐辛子による強い辛味や酸味を特徴とする。
- 繊細な調理を特徴とする菜系:江蘇料理と浙江料理は、食材の持ち味や外観を生かした調理を重視する。
- 魚介類を多用する菜系:広東料理と福建料理は魚介類を多く用いる。広東料理は食材の鮮度や持ち味を生かす調理を重視し、福建料理は魚介類を用いたスープ料理を特徴とする。
- 北方を代表する菜系:山東料理は塩味を基調とし、ネギ、ニンニク、海産物などを多く用いる。
- 山地の食材を多用する菜系:安徽料理は山菜、キノコなどの山地の食材を用い、煮込み料理や蒸し料理を特徴とする。
八大菜系や四大菜系などの区分は、各地域の食材、調理法、味付けおよび食文化に基づいて形成された料理文化上の分類である。
江北料理と江南料理
台湾における六大料理
国民政府が中国から台湾へやってきた時、多くの有能な料理人がともに海を渡ったが、その後の台湾は多くの料理が淘汰・吸収を繰り返し、中国とは別の分類が誕生した。
- 台湾料理(台菜)、四川料理、広東料理、江浙料理(江浙菜)、湖南料理、北方料理(北方菜)