前回の大統領選挙でヒンデンブルクを擁立した国家人民党や鉄兜団はデュスターベルクを擁立してヒンデンブルクを引きずり下ろそうとしたものの、保守・右派政党の支持層の多くはむしろヒトラー支持に回った上、ヒトラーは第一次大戦の英雄でもあるヒンデンブルクへの露骨な批判を避け、「ヒンデンブルクに敬意を、ヒトラーに投票を」と訴えたことから、結果的にデュスターベルクはドイツ共産党のテールマンにさえ得票で及ばず4位に沈んだ。
一方、前回の大統領選でヒンデンブルクと敵対したドイツ社会民主党、中央党、国家党などいわゆるヴァイマル連合(de)は、ヒトラーに勝ち得る候補を擁立できず、結果的に高齢のヒンデンブルクを支持した。
第1回投票で当選するには、絶対的多数つまり過半数での得票が必要であったが、どの候補も過半数獲得はできなかった。第2回投票は実質的にヒンデンブルクかヒトラーかを選択する投票であり、ヒンデンブルクが多数得票を得て大統領に当選した。
e • d
1932年ドイツ大統領選挙
(第1回:1932年3月13日、第2回:1932年4月10日施行)
| 候補者 |
所属政党 |
第1回投票 |
第2回投票 |
| 得票数 |
得票率 |
得票数 |
得票率 |
|
パウル・フォン・ヒンデンブルク | 無所属 | 18,651,497 | 49.61% | 19,359,983 | 53.06% |
|
アドルフ・ヒトラー | 国民社会主義ドイツ労働者党 | 11,339,446 | 30.16% | 13,418,547 | 36.77% |
|
エルンスト・テールマン | ドイツ共産党 | 4,938,341 | 13.13% | 3,706,759 | 10.16% |
|
テオドール・デュスターベルク | 鉄兜団、前線兵士同盟 | 2,557,729 | 6.80% | |
|
グスタフ・ヴィンター |
インフレーション被害者同盟 |
111,423 | 0.30% |
| 総計 |
37,598,436 | 100.0% | 36,485,287 | 100.0% |
|
| 有効票数(有効率) |
37,598,436 | 99.99% | 36,485,287 | 99.98% |
| 無効票・白票数(無効率) |
4,881 | 0.01% | 5,474 | 0.02% |
|
| 投票総数(投票率) |
37,603,317 | 85.56% | 36,490,761 | 82.81% |
| 棄権者数(棄権率) |
6,346,364 | 14.44% | 7,573,197 | 17.19% |
|
| 有権者数 |
43,949,681 | 100.0% | 44,063,958 | 100.0% |
| 出典:Nohlen & Stöver |