2011 HM102

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仮符号・別名2011 HM102
発見日2011年4月29日(初観測日)[1][3]
2011 HM102
仮符号・別名 2011 HM102
見かけの等級 (mv) 22.4
分類 ケンタウルス族[1]
海王星のトロヤ群L5[2]
発見
発見日 2011年4月29日(初観測日)[1][3]
発見者 New Horizons KBO Search[1][3]
発見場所 ラスカンパナス天文台[1][3]
軌道要素と性質
元期:2025年11月21日(JD 2461000.5)[1]
軌道長半径 (a) 30.050 au[1]
近日点距離 (q) 27.693 au[1]
遠日点距離 (Q) 32.406 au[1]
離心率 (e) 0.0784[1]
公転周期 (P) 60167.438 (164.729 [1]
軌道傾斜角 (i) 29.426°[1]
近点引数 (ω) 151.548°[1]
昇交点黄経 (Ω) 101.055°[1]
平均近点角 (M) 51.651°[1]
前回近日点通過 2002年4月3日[1]
物理的性質
平均直径 59.78 km[3]
絶対等級 (H) 8.24[1]
Template (ノート 解説) ■Project

2011 HM102は観測史上9番目に発見された海王星のトロヤ群天体である。市民科学プロジェクトに参加していたボランティアが発見し、NASAの探査機ニュー・ホライズンズの観測候補になった。最初に観測されたのは2011年4月29日のことで、ニュー・ホライズンズKBO捜索の一環で行われている観測中にチリラスカンパナス天文台マゼランII クレイ望遠鏡で撮影された[3][4]海王星とほぼ同じ公転周期を持ち、海王星のL5点にあたる、軌道位相において海王星の60度背後をついていくように公転している[2]

NASAが打ち上げた探査機ニュー・ホライズンズは冥王星の探査が主目的であるが、海王星軌道以遠に広がる他の太陽系外縁天体(TNO)が探査機の通り道にあれば、追加の対象として冥王星の探査前・探査後にかけて観測を行うことができる。一方で、探査機が飛行している冥王星の方向は地球から見ていて座の銀河面、つまり天の川のおびただしい数の微恒星が密集する領域であったため、従来のTNO捜索では避けられていた[5]

しかしニュー・ホライズンズの探査機の経路上に位置するTNOがあればフライバイでの接近観測を行うことができる。また、TNOから遠く太陽系の内側に離れた位置にしかとどまれない地球からでは位相角(太陽ー対象天体ー地球がなす角度)が5度以内という真正面からしかTNOを撮影できないのに対し、TNOの軌道付近やその向こうまで飛行するニュー・ホライズンズは90度を超える範囲にも及ぶ位相角という真横・背後からTNOを観測でき、表面組成や自転軸などを詳細に決定できる。そのため仮にフライバイ可能なピンポイントに天体が存在しなくとも、ニュー・ホライズンズが近くを通り搭載カメラで撮影・測光ができるだけでも天文学的に重要な観測が可能となる[6]

そのためにニュー・ホライズンズの観測対象になりうる天体を探すべく、すばる望遠鏡やマゼラン望遠鏡、カナダ・フランス・ハワイ望遠鏡といった、広視野撮像装置を有する世界最大級の望遠鏡がいて座付近のTNO捜索に乗り出したが、恒星で埋め尽くされた領域からTNOを探すことは容易ではない。そこで、市民科学プロジェクトのウェブプラットフォームであるズーニバースに開設されたプロジェクト「アイスハンターズ」とその続編プロジェクトの「アイス・インベスティゲーター」では、大望遠鏡が取得した画像から一般のボランティアユーザーの目で星々の中をゆっくりと公転により移動するTNOを探す試みがなされた[7][8]

その結果発見された複数の遠方天体の中に、2011年4月に撮影された画像から見つかった2011 HM102が含まれていた。2011 HM102の発見を公表する小惑星センター2012年10月2日に発行した小惑星電子回報(MPEC)では、発見者としてアイスハンターズに参加した市民科学者の名前がクレジットされている[9]

軌道の分類

海王星のトロヤ群は海王星と1:1の平均運動軌道共鳴下にある共鳴外縁天体に分類される。こうした天体の軌道長半径は海王星の値(30.10au)と非常に近い。

2011 HM102は太陽を30.219auの軌道長半径を持つ軌道を公転しており、一番近いときは太陽から27.7au、一番遠いときは太陽から32.8auの位置にある。1周公転するのに166年と1か月(60675日)要する。 軌道の離心率は0.08で、黄道から29度の軌道傾斜角を持つ[1]。2025年10月時点で海王星トロヤ群は海王星前方のL4点に28個、L5点に4個見つかっており、L5点に見つかった天体の中では最も大きな軌道傾斜角を持つ[2]

物理特性

直径とアルベド

一般的な、測光観測された光度と直径の関係に基づくと、アルベドを0.10と仮定し観測から求めた絶対等級 H = 8.24 を採用すると直径は約100kmとなり、アルベドを0.15と仮定すると直径は約60kmとなる[10]。これは、60km~200km程度のものが多い(アルベド0.10下において絶対等級6.6から9.3等級)既知の海王星トロヤ群天体の中ではありふれた大きさである[2][10]

表面組成

2022年10月25日2023年5月31日ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線分光計NIRSpec英語版2011 HM102分光観測が行われた結果[11]、この天体の表面には海王星の衛星トリトンに見られるような明確なソリンの存在は確認されず、表面は水やドライアイスの薄い層で覆われている様子だった。 この天体のが変動していることからも、表面組成に不均一性があると考えられている[12]

番号登録と名前

2011 HM102の軌道はまだ不確定性パラメーター英語版が少し大きいため、この天体にはまだ小惑星番号が付与されておらず、公式の発見者は確定されていない[1][3]。 今後番号登録がされれば命名が可能となるが、その場合は最初に命名された海王星トロヤ群天体である(385571) オトレーレー英語版の命名時に確立された命名細則にしたがって、ギリシア神話におけるトロイア戦争でトロイヤ側についてギリシャと戦った女性だけの戦闘部族であるアマゾーンに関連する名前が付けられる[13]

探査

2012年10月以降の長期間、2011 HM102は当時冥王星に向かっていた探査機ニュー・ホライズンズに最も近い位置にある既知の天体であった[14]。 そして2013年の半ばから後半にかけて、ニューホライズンズは2011 HM102から1.2auの圏内に入り、地球から観測するより数十倍も明るい18等級ほどで観測できるので、探査機に搭載されている機器で撮影できると予想された[4]。ニューホライズンズからの観測では地球からは決して実現できない位相角から2011 HM102位相曲線英語版を取得することが目指されたが、最終的にニューホライズンズのチームは冥王星への接近への準備を優先するため2011 HM102の観測は取りやめられた[5]

関連項目

出典

外部リンク

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