AT-21 (航空機)
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第二次世界大戦初頭、B-17およびB-24爆撃機の大量就役を予定していたアメリカ陸軍航空隊は、フェアチャイルド社に対して2種類の仕様の爆撃機乗員用練習機の開発を要求した[1]。
このうち一番目の試作機がXAT-13で、450馬力(340kW)のプラット・アンド・ホイットニー R-1340-AN-1星型エンジン2基を搭載し、ガラス張りの機首に単装機関銃、胴体上部に連装機関銃塔を配置し、三輪式着陸装置を装備した、爆撃機の「縮小版」のような機体であった[3]。機体コンセプトとしては、単一の機種で、操縦、航法、爆弾の照準/投下から機銃射撃まで、爆撃機の乗員配置を再現するというものであった[4]。
二番目の試作機であるXAT-14は、XAT-13と似た設計ながらエンジンに520馬力(388 kW)のレンジャー V-770直列倒立V型12気筒エンジンを搭載しており、1942年末に初飛行した[1][5]。後に機首と胴体上部の機銃を撤去して爆撃手訓練専用に改造され、新たにXAT-14Aの名称が与えられた。いずれの試作機も、「デュラモールド」と呼ばれるプラスチック接合の合板を採用する点が特徴だった[6]。試作機の試験後、陸軍航空隊はXAT-14Aをベースに機銃手訓練に特化した機体をAT-21 ガンナーとして発注した[1]。AT-21の乗員は5名で、機長、副操縦手兼射撃教官、訓練生3名が搭乗した[4]。
フェアチャイルド社では、1943年から1944年にかけてヘイガースタウン工場で1機、ノースカロライナ州バーリントン工場で106機を製造した。また、製造と訓練部隊への納品の迅速化のため、ベランカ・エアクラフト社のデラウェア州ニューカッスル工場で39機、マクドネル・エアクラフト社のセントルイス工場で30機が製造された[6]。
運用史
AT-21は方向舵とガル翼の間隔が短いため、空力的に不安定で振動する欠点があり、練習機としては不適であった。この不安定性のため、わずかに方向舵を操作しただけでも強いヨーイングが発生した[7]。
当初の運用目的には不向きとみなされ、かわって高等飛行練習機としての運用を検討されたものの、エンジン性能の低さと問題の多い着陸装置により、こちらも断念された。結局、機銃手訓練用の練習機としては1944年に退役し、爆撃機を改造した機体がAT-21の後継となった。その後、AT-21の多くは標的曳航任務に従事した[8]。
BQ-3 アサルトドローン
1942年10月、陸軍航空隊はAT-21の設計をベースにした2機のXBQ-3「空中魚雷」を発注した。この機体は、AT-21に4,000ポンド(1,800 kg)の爆薬を搭載した無人機(飛行爆弾)で、飛行試験用に操縦士が搭乗することもできるようにする予定だった。XBQ-3は1944年7月に初飛行したが、同年後半に計画中止となった[9]。
派生型
- XAT-13
- 双発爆撃機乗員用の練習機で、2基のプラット・アンド・ホイットニー R-1340-AN-1エンジン(450馬力・340 kW)を搭載。1機のみ製造された[6]。シリアル番号は41-19500[6]。
- XAT-14
- AT-13の派生型で、2基のレンジャー V-770-6 エンジン(520馬力・390 kW)を搭載。1機のみ製造され、その後 XAT-14A に改造された[4]。シリアル番号は41-19503AT-13[6]。
- XAT-14A
- XAT-14からの改造機で、機首機関銃と機体上部銃座を撤去した爆撃手訓練機[6]。
- AT-21
- XAT-14Aの量産バージョンで、2基のレンジャー V-770-11または-15エンジン(520馬力・388 kW)を搭載。164機が製造された[4]。
- XBQ-3
- 誘導式の飛行爆弾型。AT-21の機内に4,000ポンド(1,800 kg)の爆薬を搭載したもの[4]。
運用国
要目(AT-21)

出典: The Complete Encyclopedia of World Aircraft[4]
諸元
- 乗員: five
- 全長: 38 ft (12 m)
- 翼幅: 52 ft 8 in (16.05 m)
- 全高: 13 ft 1.25 in (3.9942 m)
- 翼面積: 378 sq ft (35.1 m2)
- 動力: 2 × レンジャー V-770-11/15 倒立V型12気筒空冷エンジン, 520 hp (390 kW) each
- 航続距離: 22,150 ft (6,750 m)
- 上昇率: 930 ft/min (4.7 m/s)
- 空虚重量: 8,654 lb (3,925 kg)
- 最大離陸重量: 12,500 lb (5,670 kg) [8]
性能
- 最大速度: 196 kn (225 mph, 362 km/h)
- 巡航速度: 170 kn (196 mph, 315 km/h)
武装
- ブローニング .30口径単装機関銃(機首)
- ブローニング .30口径連装機関銃(胴体上部動力銃座)