CXCR4

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CXCR4(C-X-C motif chemokine receptor 4)、CD184(cluster of differentiation 184)またはFusinは、ヒトではCXCR4遺伝子によってコードされているタンパク質である[5][6]。このタンパク質はCXCケモカイン受容体英語版の1つである[7]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号CXCR4, CD184, D2S201E, FB22, HM89, HSY3RR, LAP-3, LAP3, LCR1, LESTR, NPY3R, NPYR, NPYRL, NPYY3R, WHIM, WHIMS, C-X-C motif chemokine receptor 4, WHIMS1
染色体2番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
CXCR4
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

4RWS, 2K03, 2K04, 2K05, 3ODU, 3OE0, 3OE6, 3OE8, 3OE9, 2N55

識別子
記号CXCR4, CD184, D2S201E, FB22, HM89, HSY3RR, LAP-3, LAP3, LCR1, LESTR, NPY3R, NPYR, NPYRL, NPYY3R, WHIM, WHIMS, C-X-C motif chemokine receptor 4, WHIMS1
外部IDOMIM: 162643 MGI: 109563 HomoloGene: 20739 GeneCards: CXCR4
遺伝子の位置 (ヒト)
2番染色体 (ヒト)
染色体2番染色体 (ヒト)[1]
2番染色体 (ヒト)
CXCR4遺伝子の位置
CXCR4遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点136,114,349 bp[1]
終点136,119,177 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
1番染色体 (マウス)
染色体1番染色体 (マウス)[2]
1番染色体 (マウス)
CXCR4遺伝子の位置
CXCR4遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点128,515,936 bp[2]
終点128,520,030 bp[2]
RNA発現パターン




さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 cytokine binding
coreceptor activity
virus receptor activity
シグナルトランスデューサー活性
血漿タンパク結合
chemokine receptor activity
myosin light chain binding
actin binding
ubiquitin protein ligase binding
Gタンパク質共役受容体活性
C-X-C chemokine receptor activity
ubiquitin binding
C-C chemokine binding
C-C chemokine receptor activity
chemokine binding
C-X-C motif chemokine 12 receptor activity
細胞の構成要素 細胞質
integral component of membrane
エンドソーム

cell surface
細胞結合
cell leading edge
エキソソーム
cytoplasmic vesicle
early endosome
late endosome
リソソーム
細胞膜
external side of plasma membrane
高分子複合体
細胞核
生物学的プロセス myelin maintenance
positive regulation of oligodendrocyte differentiation
低酸素症への反応
positive regulation of cytosolic calcium ion concentration
chemokine-mediated signaling pathway
response to virus
dendritic cell chemotaxis
cellular response to cytokine stimulus
走化性
炎症反応
calcium-mediated signaling
シグナル伝達
アポトーシス
viral process
fusion of virus membrane with host plasma membrane
regulation of chemotaxis
Gタンパク質共役受容体シグナル伝達経路
軸索誘導
免疫応答
脳発生
神経発生
CXCL12-activated CXCR4 signaling pathway
cell chemotaxis
positive regulation of cold-induced thermogenesis
regulation of cell adhesion
neuron migration
epithelial cell development
neuron recognition
response to activity
遊走
telencephalon cell migration
positive regulation of cell migration
positive regulation of vascular wound healing
regulation of programmed cell death
response to morphine
endothelial cell differentiation
positive regulation of neurogenesis
regulation of viral process
positive regulation of chemotaxis
detection of temperature stimulus involved in sensory perception of pain
detection of mechanical stimulus involved in sensory perception of pain
regulation of calcium ion transport
心筋収縮
endothelial tube morphogenesis
positive regulation of dendrite extension
positive regulation of mesenchymal stem cell migration
response to ultrasound
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_003467
NM_001008540
NM_001348056
NM_001348059
NM_001348060

NM_009911
NM_001356509

RefSeq
(タンパク質)

NP_001008540
NP_003458
NP_001334985
NP_001334988
NP_001334989

NP_034041
NP_001343438

場所
(UCSC)
Chr 2: 136.11 – 136.12 MbChr 2: 128.52 – 128.52 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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機能

CXCR4はCXCL12(SDF-1)を特異的に結合するケモカイン受容体であり、CXCL12はリンパ球に対して強い誘引作用を示す分子である[8]。また、CXCR4はHIVCD4T細胞に感染する際に利用するコレセプターの1つでもある。通常、CXCR4を利用するウイルスは感染の後期に出現するが、こうしたCXCR4を利用するウイルスの出現が免疫不全の原因であるのか、それとも結果であるのかは明らかではない[9]

子宮内膜では自然周期とホルモン補充周期の双方において着床の窓(implantation window)の時期にCXCR4がアップレギュレーションされ、また胚盤胞の存在下ではCXCR4の極性分布が生じることから、この受容体がヒトの着床の対置・接着段階に関与していることが示唆されている[10]

CXCR4のリガンドであるSDF-1は骨髄への造血幹細胞のホーミングと静止状態の維持に重要であることが知られている。また、CXCR4シグナルはB細胞上のCD20英語版の発現も調節している。他のケモカインはいくつかの種類のケモカイン受容体を利用する傾向があるのに対し、SDF-1とCXCR4は互いに比較的高い特異性で作用するリガンド-受容体ペアであると考えられてきた。しかしながら近年、ユビキチンもCXCR4の天然のリガンドであることを示すエビデンスが得られている[11]。ユビキチンは真核生物で高度に保存された低分子量タンパク質(76アミノ酸)であり、ユビキチン化によってタンパク質をプロテアソーム分解の標的とする細胞内での役割が最もよく知られている。多くの動物モデルから得られたエビデンスはユビキチンが抗炎症性免疫調節因子であり、炎症促進性DAMP分子に対抗する内因性因子であることを示唆しており[12]、この作用はCXCR4を介したシグナル伝達によるものである可能性が示唆されている。また、マクロファージ遊走阻止因子英語版(MIF)もCXCR4のリガンドであることが報告されている[13]

CXCR4は胚発生時と成体の双方で新たに発生した神経細胞上に存在し、神経誘導に関与している。受容体濃度は神経細胞の成熟につれて低下してゆく。CXCR4変異マウスは異常な神経分布を示すため、CXCR4はてんかんなどの疾患への関与が示唆されている[14]

CXCR4の二量体形成は動的過程であり、受容体濃度が上昇するにつれて増大する[15]

臨床的意義

CXCR4受容体を遮断する薬剤は、造血幹細胞を末梢血幹細胞として血中へ動員するために利用できるようである。末梢血幹細胞の動員は造血幹細胞移植においてきわめて重要であり、現在ではG-CSFなどの薬剤を用いて行われている。G-SCFは好中球に対する成長因子であり、好中球エラスターゼなど骨髄中の好中球由来のプロテアーゼの活性を高め、SDF-1の分解をもたらすことで作用している可能性がある。プレリキサホル英語版(AMD3100)はCXCR4を直接遮断する、臨床使用が承認されている薬剤である[16]。プレリキサホルは造血幹細胞動員の誘導効率がきわめて高いことは動物やヒトでの研究で示されている。フコイダン摂取の安全性と効果を評価する小規模な臨床試験では、75%(w/w)フコイダンを毎日3 g、12日間経口投与することでCD34+CXCR4+細胞の割合が45%から90%に上昇し、血清SDF-1濃度も上昇することが示されており、SDF-1/CXCR4軸を介したCD34+細胞のホーミングと動員に有用である可能性がある[17]

CXCR4遺伝子の変異はWHIM症候群英語版と関連している[18]。WHIM症候群と同様のCXCR4変異はB細胞系統の悪性腫瘍であるワルデンシュトレームマクログロブリン血症英語版の患者にも同定されている[19]。ワルデンシュトレームマクログロブリン血症患者におけるWHIM症候群様変異の存在は、イブルチニブ抵抗性と関連している[20]

多くの健康な組織ではCXCR4の発現は低いもしくは検出されないが、乳がん卵巣がんメラノーマ前立腺がんを含む23種類以上のがんでCXCR4の発現が示されている。がん細胞におけるこの受容体の発現は、肺、肝臓、骨髄などCXCL12が高濃度で存在する組織への転移と関連づけられている[21][22]。一方、乳がんではがん細胞はCXCR4に加えてSDF-1/CXCL12も発現しており、CXCL12の発現は無病生存期間(無転移生存期間)と正の相関がみられる。CXCL12を(過剰)発現しているがんでは自己分泌的に産生されるリガンドによってCXCR4受容体が飽和しており、転移標的組織から放出されるCXCL12による濃度勾配を検知できないことが原因となっている可能性がある[23]。他の説明としては、CXCL12(とCCL2)を産生する腫瘍は好中球を伴う作用を有することが示されており、その結果肺での腫瘍の播種が阻害されていることが示唆されている[24]

薬物応答

アカゲザルでは、THCへの慢性曝露によってCD4+T細胞と CD8+T細胞の双方でCXCR4の発現が高まることが示されている[25]

相互作用

CXCR4はUSP14英語版と相互作用することが示されている[26]

出典

関連文献

関連項目

外部リンク

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