Genki Global Dining Concepts
日本の寿司レストランチェーン
From Wikipedia, the free encyclopedia
株式会社Genki Global Dining Concepts(ゲンキグローバルダイニングコンセプツ、英: Genki Global Dining Concepts Corporation)は、主に低価格帯の寿司レストラン「魚べい」や「元気寿司」、高級志向ブランド「千両」などをチェーン展開する日本の企業。
|
| |
|
本社が入居する上野フロンティアタワー | |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 機関設計 | 監査役会設置会社 |
| 市場情報 | |
| 略称 | ゲンキGDC |
| 本社所在地 |
〒110-0005 東京都台東区上野3丁目24番6号 上野フロンティアタワー19階 北緯35度42分24.7秒 東経139度46分23.3秒 |
| 設立 |
1979年7月26日 (元禄商事株式会社)[1] |
| 業種 | 小売業 |
| 法人番号 | 8060001001562 |
| 事業内容 | 寿司レストランチェーンの運営 |
| 代表者 | 藤尾益造(代表取締役 社長執行役員) |
| 資本金 |
1億円 (2025年3月31日)[2] |
| 発行済株式総数 |
1776万5000株 (2025年3月31日現在)[2] |
| 売上高 |
連結:674億7200万円 (2025年3月期)[2] |
| 経常利益 |
連結:69億4100万円 (2025年3月期)[2] |
| 純利益 |
連結:49億6000万円 (2025年3月期)[2] |
| 純資産 |
連結:170億6000万円 (2025年3月期)[2] |
| 総資産 |
連結:348億1400万円 (2025年3月期)[2] |
| 従業員数 |
連結:625名 単独:598名 (2025年3月期)[2] |
| 支店舗数 |
|
| 決算期 | 3月31日 |
| 会計監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
| 主要株主 |
|
| 主要子会社 | GENKI SUSHI USA |
| 関係する人物 | 斎藤文男(創業者) |
| 外部リンク |
www |
神明ホールディングスの連結子会社であり、東証スタンダード市場の上場企業。
1968年に元禄寿司のフランチャイズとして創業し、1990年に独立した。1990年代後半には120~130店舗規模まで拡大し上場も果たしたが、低価格チェーンの台頭や店舗形態の古さから競争力を失い、2008年には約60店舗まで減少した。1999年に「すしおんど」、2009年に「魚べい」を立ち上げたものの業績は伸び悩んだが、2011年に導入したオールオーダー制が好評を博し、2012年以降は「魚べい」を主力に業績が回復、2024年に現社名へ改めた。
歴史
元禄寿司のFCとして創業、独立まで
1968年、大阪発祥の元禄寿司を東日本で展開していた株式会社元禄(本社は仙台市)のフランチャイジーとして、栃木県宇都宮市の東武宇都宮駅前に1号店を開店した[3]。創業のきっかけは、創業者が仙台で「元禄寿司」の回転レーンを流れる寿司を目にし、「これはすごい」と衝撃を受けたことにあった[4]。
その後、1979年7月に栃木県宇都宮市大曽町に元禄商事株式会社を設立[1]。1984年1月には株式会社元禄と商標使用に関する契約を締結し、同年11月に商号を株式会社元禄に変更した[1]。以降、栃木県・福島県・群馬県・茨城県の4県に50店舗をチェーン展開したが、1990年2月に出店地域をこの4県に制限する条件で結んでいた株式会社元禄とのフランチャイズ契約を解除し、同年3月に商号を元気寿司株式会社に変更、店舗屋号も元気寿司に改められた[3][1]。また、同時に新たなシンボルマークとして、頬が赤い子供の顔をあしらった黄色い看板が登場した[3]。
株式会社元禄とのフランチャイズ契約を解除し独立した理由は、本来は高級料理である寿司を大衆に定着させたいという思いから、全国展開を目指したためである[3]。当時、売上高は本部である株式会社元禄を上回り、62億円に達していた[3]。当時の社長である斎藤文男は、9年後にはフランチャイズを含めて500店舗まで拡大する目標を公言し、「寿司のマクドナルド」を目指してアメリカ進出も視野に入れていた[3]。
店舗網の拡大と衰微
元気寿司として独立して以来、積極的な店舗展開を進め、1995年には100店舗を突破、最盛期となる1990年代後半には、120~130店舗規模にまで拡大した[5]。また、1997年11月25日には東京証券取引所の第二部に上場[6]、2002年8月20日には同一部に銘柄指定替えした[7][8]。しかし同時期、100円均一を売りにしたスシローやかっぱ寿司といった後発の大型回転寿司チェーンが台頭し始めた。元気寿司は150~200円前後の価格帯の寿司を中心としており、100均一を打ち出す競合店と比べると割高な印象を与えた[9]。また、中央の調理場をコの字型のカウンターが囲む従来型の店舗設計は、ファミリー層にとって利用しづらく、客層の拡大を阻む要因となった[5]。
こうした背景から次第に競争力を失い、直営店の整理やフランチャイズの離脱が進んだ結果、2008年のリーマン・ショック時には約60店舗まで減少していた[9]。
新業態「魚べい」の展開と業績回復
元気寿司の店舗数が減少する中、他社の回転寿司チェーンに追随する形で、1999年に100円均一の新業態「すしおんど」、2009年には「魚べい」を立ち上げた[9]。その後、全業態の合計店舗数は196店舗まで拡大したものの、大手ブランドに比べて知名度で劣り、突出した個性も打ち出せなかったことから、売上高は減少傾向にあった[9]。
しかし、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災の影響で、多くの店舗が計画停電や節電を余儀なくされ、ベルトコンベア式のレーンを停止し、試験的にすべて注文制での営業に踏み切った[10]。このオールオーダー制は来店客に広く受け入れられ、これに活路を見出した同社は、2012年にオールオーダー制の第1号店を東京・渋谷に開業した[10][4]。さらに、2014年には主力ブランドの「魚べい」をオールオーダー制へ転換する方針を発表し、「すしおんど」については魚べいへの転換が進められることとなった[11]。
オールオーダー制の「魚べい」ブランドの展開を進めた結果、2012年以降は毎年増収が続き、2011年3月期に225億円だった売上高は、2020年3月期には434億円にまで成長した[12]。同社によると、従来型の店舗からオールオーダー制の店舗へ改装した場合、売上は1.5倍増えているという[13]。
2015年6月17日に神明(現・神明ホールディングス)の子会社となった[14]。2024年8月に商号を株式会社Genki Global Dining Conceptsに変更した上[15]、東京本社を開設[16]、同年12月に、本社を東京都台東区へ移転した[17][18]。しかし、栃木県内から東京都内の本社へ通勤する従業員も多いことから、2025年11月4日[19]、宇都宮市内に新たなオフィスを開設し、東京本社と宇都宮本社の二本社体制へ移行した[20]。
年表
- 1968年(昭和43年)12月 - 元禄寿司を東日本で展開していた株式会社元禄のフランチャイジーとして、栃木県宇都宮市の東武宇都宮駅前に1号店を開店した[3]。
- 1975年(昭和50年) 9月 - 2号店として、郊外型ロードサイド店舗の大曽店を開店。
- 1979年(昭和54年)7月26日[24] - 元禄商事株式会社を宇都宮市大曽町に設立。資本金1,000万円。
- 1980年(昭和55年)6月 -「廻る元禄」の所有店舗8店を貸借して営業開始。
- 1984年(昭和59年)
- 1月 - 「元禄寿司」のエリア本部であった元禄と「元禄寿司商標使用に関する契約」を締結(1990年2月に解約)。
- 11月 - 商号を元禄商事から、元禄株式会社に変更。
- 1989年(平成元年)
- 3月14日 - 有限会社廻る元禄が、株式会社に組織変更[25]。
- 10月 - 廻る元禄を吸収合併。
- 1990年(平成2年)
- 2月 - 宇都宮市大通りに本社を移転。
- 3月 - 商号を元禄から、元気寿司株式会社に変更。屋号を「元気寿司」に改め営業開始。
- 1991年(平成3年)
- 8月30日 - 株式を店頭公開。
- 1992年(平成4年)5月 - 米国法人として、Genki Sushi Hawaii, Inc.(現・Genki Sushi USA, Inc.)を設立。
- 1995年(平成7年)12月 - 栃木県鹿沼市に、鹿沼物流センターを開設。
- 1997年(平成9年)11月 - 東証第二部市場に新規上場。
- 1998年(平成10年)5月 - 大手居酒屋チェーンのグルメ杵屋と資本業務提携。
- 2000年(平成12年)5月 - グルメ杵屋と合弁で、杵屋元気寿司東海を設立。
- 2002年(平成14年)9月 - 東証第一部市場に銘柄指定替え。
- 2008年(平成20年)3月3日 - 杵屋元気寿司東海が解散、同社の店舗を譲り受ける[26]。
- 2012年(平成24年)5月 - 大手コメ卸売の神明(現・神明ホールディングス)と資本業務提携[27]。神明が、元気寿司の発行済み株式28.1%を取得。
- 2013年(平成25年)11月 - 同業のカッパ・クリエイトホールディングス(現・カッパ・クリエイト)と業務提携[28][29]。
- 2014年(平成26年)10月27日 - カッパ・クリエイトHDとの業務提携解消を正式発表。
- 2015年(平成27年)6月17日 - 神明ホールディング(現・神明ホールディングス)が友好的TOBにより、元気寿司の株式を追加取得(持株比率を40%超に引上げ)[14][30]。なお、元気寿司は東証一部への上場を維持する[31]。
- 2017年(平成29年)9月29日 - 親会社の神明とともに、同業のスシローグローバルホールディングス(現・FOOD&LIFE COMPANIES)と資本業務提携[32]
- 2019年(令和元年)6月18日 - スシローグローバルHDとの資本業務提携を解消[33][34]。
- 2020年(令和2年)8月31日 - 資本金を、1億円に減額[35]。
- 2022年(令和4年)4月 - 東証の市場区分見直しに伴い、スタンダード市場に移行。
- 2024年(令和6年)
- 8月1日 - 商号を元気寿司から、株式会社Genki Global Dining Conceptsに変更[36]。宇都宮市上大曽町の大曽研修センターに本社移転。
- 9月30日 - B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「宇都宮ブレックス」(宇都宮市)とオフィシャルスポンサー契約を締結[37]。
- 12月18日 - 臨時株主総会を開き、東京都台東区に本店・本社を移転[17][18]。
- 2025年(令和7年)10月1日 - 親会社の神明ホールディングスより、水産系のゴダックと神戸まるかんの発行済み全株式を取得[38]。
店舗展開
先述の通り、従来は「元気寿司」のブランドでチェーン展開をしていたが、2010年頃から新規出店する際は「魚べい」のブランドで展開するようになり、それ以降元気寿司は新規出店が途絶え、2025年9月時点で8店舗のみが営業している[39]。日本国内では東日本を中心に185店舗を展開(2024年9月現在[40])しているが、西日本、特に関西エリアでの知名度は低い[41]。
高級志向ブランド「千両」は、1999年7月末に宇都宮市西川田町に初出店した[42]。千両ブランドは、香港、上海、マニラ、シンガポールなどでも、2024年時点で24店舗を展開している[40]。また、2024年9月には、JR京都駅近くに外国人観光客をターゲットとした「京都千両」を出店した[40]。
1999年に展開を開始した「すしおんど」は、100均一を打ち出す他社の回転寿司チェーンに追随する形で立ち上げたブランドだったが[9]、2014年以降は魚べいへの転換が進められた[11]。2009年7月に参入したうどん店「釜や本舗」は、2010年時点で10店舗以上に拡大していたが、他社との競争激化により業績が伸び悩み、2014年3月には最後の1店舗として残っていた宇都宮市東簗瀬の店舗が閉店し、ブランドは消滅した[11]。また、過去には「東京元気寿司」[43]や「廻鮮日本海」も展開されていたが、廻鮮日本海は千両に転換された[44]。
2026年1月28日には、新業態となる焼肉店「大阪焼肉うま勝」の1号店を栃木県栃木市に開業し、5年間で100店までの拡大を目指すとしている[45]。
日本国内の他の回転寿司チェーンに先駆け[46]、1993年にアメリカ・ハワイに海外1号店を出店して海外展開を開始した[40]。それ以降、2024年9月までに、海外では直営店とフランチャイズ店を合わせて242店舗を展開し、国内の185店舗を上回っている[40]。
日本国内では魚べい、海外では元気寿司のブランドで店舗展開が行われているが、日本国内では元気寿司の知名度が低下する一方、海外では魚べいの認知度がほとんどない状況にあった[46]。海外からの訪日客の多くは、日本で魚べいを利用しても、自国でなじみのある元気寿司と同系列であることに気づかないという課題があった[47]。そのため、インバウンド消費の拡大が進む中、元気寿司ブランドでの国内出店を検討しても、国内での認知度低下から展開が難しいというジレンマを抱えていた[46]。そこで両ブランドの認知度向上を目的に、「元気寿司と魚べいの融合店」として、2025年10月10日に「GENKI SUSHI×魚べい」としてJR上野駅近くに出店した[46][47]。
- 元気寿司の日本国外の店舗(香港・マリタイムスクエア2)
- 元気寿司 自治医大店
- 魚べい 東大阪店
資本提携
1998年にグルメ杵屋と業務・資本提携を締結。2000年にはグルメ杵屋の創業家一族が元気寿司の社長職や会長職に就任し、元気寿司の創業者はトップから退任した。2012年には神明(後の神明ホールディング)が筆頭株主となった。
2013年11月29日、同業第2位でかっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトホールディングスと、早ければ来年度中に経営統合をすることを前提に業務提携すると発表した[48][49]。
しかし、2014年10月2日の日本経済新聞に「カッパ・クリエイトとの経営統合を一度白紙撤回し、カッパ社はコロワイドからの株式公開買い付けなどを受けることを計画している」ことが報じられた[50]。その背景には、両社の筆頭株主であった神明ホールディング(現・神明ホールディングス)が、事実上音頭を取って経営統合を進める予定が思うように進まず、かっぱ寿司の客足が低下していることが挙げられた[51]。元気寿司側は同日のプレスリリースで「検討および機関決定した事実はない」と発表した[52]。同年10月27日、カッパ社との業務提携解消を正式に発表した[53]。
2015年5月13日、神明ホールディングは実質支配力基準により子会社となる株式所有割合40.0%超を目指すとして、株式公開買付け実施を発表。6月17日をもって神明ホールディングの子会社となった[14]。