Iターン (小説)

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イラスト 麻生慎介(装画)
発行日 2010年8月10日
発行元 文藝春秋
Iターン
I TURN
著者 福澤徹三
イラスト 麻生慎介(装画)
発行日 2010年8月10日
発行元 文藝春秋
ジャンル 経済小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判 上製本
ページ数 352
次作 Iターン2
公式サイト books.bunshun.jp
コード ISBN 978-4-16-329460-5
ISBN 978-4-16-783841-6文庫本
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Iターン』(アイターン)は、作家・福澤徹三による日本小説[1]。『別册文藝春秋』第281号から第287号まで連載され、2010年8月10日に文藝春秋より単行本が刊行された。広告代理店に勤務する男性が、ヤクザが行き交う“修羅の街”と呼ばれる場所にある支社において、毎日のように2人の組長に選択を迫られるさまを描く[1]

この小説を書いた理由として福澤は「悪と正義のどちらを選ぶか、自らを生きる道へと導くか、それとも自らを破滅の道に追い込むのかという、ある意味究極の選択を迫られた時に平凡なサラリーマンはどんな動きをするのだろうかというのに興味を持った」からだと述べている[2]

2019年2月14日からモーニングDモーニング講談社)にて大槻閑人の作画により漫画化された[3]。単行本ではIの字がひらがなで『アイターン』になっている。

2019年7月13日から9月28日までテレビ東京系「ドラマ24」でテレビドラマ化された[1]

北九州支店の支店長として単身赴任した狛江光雄は、赴任早々仕事上のミスでドラゴンファイナンスと岩切組から賠償金という名目で借金を背負わされてしまう。 2つの対立する暴力団の間に挟まれ、狛江は行きがかり上、岩切組の組長・岩切の舎弟となる。さらに、岩切に借金の返済を強硬に迫られた狛江は、苦肉の策として印刷会社に上乗せ請求してキックバックさせた金で返済すると約束する。小さな取引では返済が進まないとゴネる岩切に、狛江は仕方なく大口の取引先である丸越百貨店の名前を出してしまう。その後、岩切が丸越百貨店の販売促進部部長・深町智博を罠にはめたことで強引に大量の受注を獲得した。借金返済の目処がたったことに加え、本社へ業績を上げた報告ができることに安堵する。

だが、本社の上司である高峰はさらに東亜銀行の仕事もとってこないとリストラの対象となるおそれがあるという。狛江は岩切に相談し、丸越百貨店同様に東亜銀行の支店長・瀬戸川を脅し契約を取り付ける。 後ろめたい気持ちを抱えながらも、日々の生活がやっと安定し始めたと感じていたある日、竜崎の罠にはまり、岩切組の情報を流すスパイになるよう迫られる。情報をなかなか得られない狛江に痺れを切らした竜崎は、ついには組員の桜井を拉致してしまう。竜崎と裏で繋がりのある刑事の城島に、「桜井を死なせたくなかったら自首しろ」と迫られた岩切は仕方なくそれに従うこととなる。その後、桜井は自力で逃げ出し、狛江が機転を利かせて、丸越百貨店の新聞広告に文章を紛れ込ませて知らせたことで、岩切は自白をせずに無事釈放された。

その後、竜崎にカチコミをすると息巻く岩切と共に、狛江はドラゴンファイナンスに乗り込み、駆けつけた組員たちの加勢もあり、ドラゴンファイナンスの裏取引が記録されているパソコンを奪い、無事逃げ出す。狛江はその後、丸越百貨店から新聞広告のことでクレームを受けた高峰から懲戒解雇を言い渡され、2人の部下も解雇し北九州支店も廃止だと告げられる。部下だけは許してくれと言っても聞く耳を持たない高峰を狛江は殴ってしまう。その後、数日会社からも岩切組からも音沙汰は無かったが、会社から突然東京本社に栄転の知らせが届く。吉沢美月も福岡支店に異動になるという。聞けば、ドラゴンファイナンスの裏取引のデータに丸越百貨店のメインバンクである東亜銀行の名もあり、危ない情報を握っている社員は迂闊に刺激しないように、というお達しが出たということらしい。

東京に帰る日、柳と観月に見送られ新幹線に乗り込むと、岩切も同じ電車に乗っている。岩切は「東京でもシノギをみつけてやろうと思ってな」と狛江に言い放つのだった。

登場人物

狛江家

狛江光雄(こまえ みつお)〈47〉
広告代理店・大宣の社員。事実上の左遷で北九州支店長として単身赴任することとなった。
狛江敦子(こまえ あつこ)〈45〉
光雄の妻。節約家で金にうるさい割に自分には甘く、何かと散財している。
狛江康太(こまえ こうた)〈20〉
光雄の息子。大学生。
狛江遥(こまえ はるか)
光雄の娘。高校生。

大宣

高峰(たかみね)
東京本社勤務。狛江と同期入社だが副社長の娘と再婚したおかげで、部長に昇進した。狛江の上司。
吉沢美月(よしざわ みづき)〈22〉
北九州支店の事務担当。愛想だけはよく、癒し的な存在。
柳(やなぎ)
北九州支店の営業担当。

岩切組

岩切(いわきり)
広域指定暴力団北州会の三次団体である岩切組の組長。
西尾誠次(にしお せいじ)
岩切組若頭補佐。一流の私立大学出身。
牛窪(うしくぼ)
岩切組組員。製鉄会社の総務で30年近く働いていたがリストラにあい組員になった。
桜井(さくらい)〈21〉
岩切組組員。高校卒業後大工の見習いをしていたが先輩と喧嘩をして仕事をやめ、ぶらぶらしていたところを岩切に拾われた。
伊丹(いたみ)
岩切組組員。組員の中で一番の年長者だが他の組から流れてきたため岩切組の中での地位は低い。元板前で朝のまかないを担当している。
坊野(ぼうの)
岩切の企業舎弟で、普段はゲームセンターの店員として働いている。元傭兵。

その他

竜崎(たつさき)
ドラゴンファイナンス社長。竜神会組長。
城島(じょうしま)
組織犯罪対策課の刑事。竜崎とつながりがある。
土屋(つちや)
土屋印刷社長。
深町智博(ふかまち ともひろ)
丸越百貨店販売促進部部長。
瀬戸川(せとがわ)〈45〉
東亜銀行北九州支店支店長。
藤堂(とうどう)
北州会の直参。次期会長の椅子にもっとも近いと言われている。

書誌情報

漫画

テレビドラマ

脚注

外部リンク

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