No Russian
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「No Russian」(ノー ロシアン、日本語版表記:幕間)は『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2(MW2)』(2009年)に登場する論争の的になったビデオゲームのステージ。 このステージでは、ロシアのテロリスト集団の信頼を得るため、モスクワの空港での虐殺に参加したCIAの潜入工作員のジョセフ・アレンを操作する。ステージの最後でアレンはロシア当局にアレンの遺体を発見させ、虐殺が米国によって起こされたと信じさせようと画策したテロリストのリーダー、ウラジミール・マカロフによって殺害された。内容が極めて不快であるため、ペナルティなしでステージをスキップできる。日本語版ではプレイヤーは民間人を殺害することはできず、銃を撃たずに途中の箇所まで進めてもペナルティがかからない。
「No Russian」は『MW2』のシングルプレイヤーキャンペーンの第4ステージである[1]。このステージは4人のテロリストと共に「ザカエフ空港」のエレベーターを出るところから始まる。テロリストたちはセキュリティゲートで大勢の民間人に向け銃を乱射し[2] 、プレイヤーはその後も虐殺を続けるテロリストたちに同行する[3] 。このステージは非常に凄惨で、あちこちから悲鳴が上がり、傷ついた人々が血痕を残して這いずるなど地獄の光景を呈する[4]。日本版ではプレイヤーが民間人を殺害することはできないが、テロリストたちの虐殺に同行することになる[5] 。プレイヤーが空港を出ると、一部はライオットシールドを装備したロシア連邦保安庁(FSB)の制圧部隊との戦闘に入り、これを排除するとステージクリアとなる[6] 。このステージを開始する際にはステージの内容に関して警告が表示され、不快に感じた場合はポーズ画面からステージをスキップすることができる。スキップを選択した場合でもその後のゲーム進行にペナルティはない。
ロシアのテロ集団への潜入を命じられたCIAの工作員ジョセフ・アレンは「No Russian」の計画に加わる[2]。彼らの信頼を得るためにはモスクワのザカエフ国際空港での虐殺に参加しなければならなかった[7] 。リーダーのウラジミール・マカロフは、虐殺を米国の陰謀に偽装するため、現場でロシア語を話さないよう仲間に指示している[5] 。アレンの正体を事前に察知していたマカロフは空港から逃走する際にアレンを殺害し、その遺体を放置した。マカロフの目的は実行犯の1人がアメリカ人であることをロシア当局に発見させ、米国に対し宣戦布告させることだった[2]。
なお、MW3では同様にスキップが可能なステージとして「Davis Family Vacation(デイビス一家の休日)」が存在。これはロンドンでSASがトラックを追跡した後、トラックが爆発しなかったことで本来の攻撃対象に対する生体兵器が搭載されたトラックがどこに向かったかが焦点となる内容であり、敵の本来のトラックが家族旅行でロンドンを訪れていたデイビス一家3人の付近で止まり、爆発して子供ごと巻き込み殺害したことをほのめかす描写が存在するが、子供の死体については描写されない[8]。不快なコンテンツを削除するように設定した場合、最初のトラックが突然爆発してSAS隊員が死亡し、ステージそのものがスキップされる。
開発
ゲームデザイナーのムハンマド・アラヴィによると、『MW2』の主任ゲームデザイナーのスティーブ・フクダが 「No Russian」を考案した。しかし、アラヴィはステージの開発にはるかに関与していた[9]。アラヴィは、議論を巻き起こすか、政治的な声明として見せるために「No Russian」を意図してはいないと述べたが、代わりにそれをゲームの物語を進展させる方法として開発した。 彼はステージが3つのタスク、すなわちロシアが米国に侵入する理由を説明し、プレイヤーにマカロフとの感情的なつながりを持たせ、「思い出深く魅力的なやり方」でそれを行うようにした[10]。アラヴィは現実のテロ攻撃の被害者にインタビューしなかったが、代わりにニュース記事や映画からインスピレーションを得た[9]。
ステージの開発の多くは、大虐殺の部分を設計するのに費やされた[9]。「No Russian」の最初の案では、エレベーターの外で市民の集団を殺した後、大虐殺が終わり、銃撃戦に移行するものだったが、アラヴィは感情的なシーンを急に銃撃戦に変えたことが「ギミック的」であると感じ、虐殺をもっと長く続けるようにステージを変えた[10]。彼はまた、プレイヤーにとってもあまりにもトラウマになるようなものは望まず、子供や互いを抱きしめている家族の場面を取り除いた[9]。ゲームの開発企業のInfinity Wardと販売企業のアクティビジョンの両社は「No Russian」を含むことを支持していた。ゲームテスターは、ステージに対してさまざまな反応をした。当時アメリカ軍に入隊していたあるテスターは、ステージのプレイを拒否したが、ゲームの他のステージは喜んでプレーしたことからスキップ機能の実装につながった。アラヴィは、倫理的に間違っていると感じることをしなかったためにプレイヤーにペナルティを与えたくなかったからだという [9]。