PAK1

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PAK1(p21 (RAC1) activated kinase 1)は、ヒトではPAK1遺伝子にコードされる酵素である[5][6]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号PAK1, PAKalpha, p21 (RAC1) activated kinase 1, IDDMSSD
染色体11番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
PAK1
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1F3M, 1YHW, 1ZSG, 2HY8, 2QME, 3DVP, 3FXZ, 3FY0, 3Q4Z, 3Q52, 3Q53, 4DAW, 4EQC, 4O0R, 4O0T, 4P90, 4ZJI, 4ZJJ, 4ZY4, 4ZY5, 4ZY6, 4ZLO, 5DFP, 5DEY, 5IME

識別子
記号PAK1, PAKalpha, p21 (RAC1) activated kinase 1, IDDMSSD
外部IDOMIM: 602590 MGI: 1339975 HomoloGene: 1936 GeneCards: PAK1
遺伝子の位置 (ヒト)
11番染色体 (ヒト)
染色体11番染色体 (ヒト)[1]
11番染色体 (ヒト)
PAK1遺伝子の位置
PAK1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点77,321,707 bp[1]
終点77,474,635 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
7番染色体 (マウス)
染色体7番染色体 (マウス)[2]
7番染色体 (マウス)
PAK1遺伝子の位置
PAK1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点97,437,748 bp[2]
終点97,561,588 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 ATP binding
collagen binding
血漿タンパク結合
キナーゼ活性
触媒活性
ヌクレオチド結合
トランスフェラーゼ活性
protein serine/threonine kinase activity
protein kinase activity
identical protein binding
プロテインキナーゼ結合
細胞の構成要素 cell projection
ruffle membrane

filamentous actin
cell-cell junction
細胞結合
焦点接着
細胞質
介在板
樹状突起
細胞膜
Z discdkac
神経繊維
核膜
ruffle
細胞質基質
膜状仮足
高分子複合体
マイクロフィラメント
核質
細胞核
染色体
生物学的プロセス positive regulation of protein phosphorylation
cellular response to insulin stimulus
negative regulation of cell proliferation involved in contact inhibition
低酸素症への反応
エキソサイトーシス
positive regulation of JUN kinase activity
MAPK cascade
regulation of actin cytoskeleton organization
positive regulation of intracellular estrogen receptor signaling pathway
branching morphogenesis of an epithelial tube
ephrin receptor signaling pathway
positive regulation of stress fiber assembly
T cell costimulation
傷の治癒
positive regulation of cell migration
アポトーシス
Fc-gamma receptor signaling pathway involved in phagocytosis
Fc-epsilon receptor signaling pathway
リン酸化
代謝
stimulatory C-type lectin receptor signaling pathway
有機物への反応
T cell receptor signaling pathway
neuron projection morphogenesis
positive regulation of cell population proliferation
自己リン酸化
actin cytoskeleton reorganization
タンパク質リン酸化
Rho protein signal transduction
regulation of mitotic cell cycle
positive regulation of fibroblast migration
小脳発生
establishment of cell polarity
positive regulation of microtubule polymerization
activation of protein kinase activity
positive regulation of peptidyl-serine phosphorylation
regulation of apoptotic process
positive regulation of axon extension
hepatocyte growth factor receptor signaling pathway
regulation of axonogenesis
negative regulation of cell growth involved in cardiac muscle cell development
positive regulation of protein targeting to membrane
positive regulation of vascular associated smooth muscle cell proliferation
positive regulation of vascular associated smooth muscle cell migration
シグナル伝達
stress-activated protein kinase signaling cascade
regulation of MAPK cascade
positive regulation of insulin receptor signaling pathway
DNA損傷刺激に対する細胞応答
遊走
クロマチンリモデリング
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

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NM_002576

NM_011035
NM_001357362
NM_001357363
NM_001357364
NM_001357365

RefSeq
(タンパク質)
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NP_001363199

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NP_001363234

n/a

場所
(UCSC)
Chr 11: 77.32 – 77.47 MbChr 11: 97.44 – 97.56 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
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PAK1はセリン/スレオニンキナーゼのPAKファミリーの6種類のメンバーのうちの1つである。PAKファミリーは進化的に保存されており[7]、大きくグループI(PAK1、PAK2英語版PAK3英語版)とグループII(PAK4英語版PAK6英語版PAK5/7英語版)に分類される[8][9]。PAK1は細胞質の特定の領域に明確な局在パターンを示す[10]。PAK1は細胞骨格のリモデリングや遺伝子発現を調節し、さまざまな表現型をもたらすシグナルを伝達する。また、方向性のある運動や、浸潤、転移、増殖、細胞周期の進行、血管新生など広範囲の細胞過程に影響を与える[10][11]。PAK1シグナル依存的な細胞機能は生理的過程と疾患過程の双方を調節しており、ヒトのがんでは全体的にPAK1の過剰発現や過剰刺激が広くみられる[10][12][13]

発見

PAK1は1994年にラットの脳からRhoファミリーGTPアーゼのエフェクターとして発見された[8]。ヒトのPAK1は好中球細胞質基質画分におけるRac1またはCdc42英語版GTP依存的相互作用パートナーとして同定され、そのcDNAは1995年にヒト胎盤ライブラリからクローニングされた[9]

機能

PAKタンパク質は、RhoファミリーGTPアーゼを細胞骨格再編成や核内シグナル伝達へ関連づける重要なエフェクターである。PAKタンパク質はp21(Rac1)によって活性化されるセリン/スレオニンキナーゼのファミリーであり、PAk1、PAK2、PAK3、PAK4などが含まれる。これらのタンパク質は低分子量GTPアーゼであるCdc42やRac1の標的となり、広範囲の生物学的活性への関与が示唆されている。PAK1は細胞の運動性や形態を調節する。PAK1遺伝子には選択的スプライシングによるバリアントがいくつか発見されている[14]

PAK1活性の刺激に伴って、生命の基礎をなす一連の細胞過程が引き起こされる。PAK1はノードとなるシグナル伝達分子であり、細胞表面のタンパク質や上流の活性化因子によって開始された多数のシグナルを集束し、特定の表現型へと変換する。生化学的レベルでは、こうした活性はPAK1のエフェクター基質に対するリン酸化によって調節されており、それによって細胞の表現型へとつながる生化学的カスケードが開始される。さらに、PAK1の作用はその足場タンパク質としての作用の影響も受ける。PAK1によって調節される細胞過程には、アクチン微小管フィラメントのダイナミクス、細胞周期の進行の重要な過程、細胞の運動性や浸潤、酸化還元反応やエネルギー代謝、細胞の生存、血管新生、DNA修復、ホルモン感受性、遺伝子発現などが含まれる。発がん[7]、ウイルスの病原性[15][16]、心血管系の調節不全[17]、神経疾患[18]といった病的過程にもPAK1シグナルの機能的関与が示唆されている。

遺伝子とスプライシングバリアント

ヒトのPAK1遺伝子は全長153 kbで23個のエクソンから構成され、そのうち6つのエクソンは5' UTRであり、17個のエクソンがタンパク質をコードする。6つのエクソンの選択的スプライシングにより、308塩基から3.7 kbまでの長さの20種類の転写産物が産生されるが、そのうちオープンリーディングフレームが存在するのは12種類のみであり、10種類のタンパク質と2種類のペプチドがコードされていると予測されている。残りの8種類の転写産物は、308塩基から863塩基の長さのノンコーディングRNAである。ヒトのPAK1とは異なり、マウスのPak1遺伝子からは5種類の転写産物が産生され、そのうち508塩基から3.0 kbの長さの3種類の転写産物にタンパク質がコードされ、約900塩基の長さの2種類はノンコーディングRNAである[19]

タンパク質ドメイン

PAKファミリーのタンパク質のコアドメインには、C末端領域のキナーゼドメイン、p21結合ドメイン(PBD)、そしてグループIのPAKには自己阻害ドメイン(AID)が含まれる。グループIのPAKは不活性な閉じたホモ二量体コンフォメーションで存在し、一方の分子のAIDは他の分子のキナーゼドメインに結合しており、GTP依存的または非依存的に活性化される[13]

活性化と阻害

PAK1には自己阻害ドメインが存在し、キナーゼドメインの触媒活性を抑制している。PAK1の活性化因子はこの自己阻害を緩和し、キナーゼの活性化につながるコンフォメーション変化と自己リン酸化を開始させる。

IPA-3(1,1′-disulfanediyldinaphthalen-2-ol)はPAK1の低分子アロステリック阻害剤である。既に活性化されたPAK1はIPA-3に対して抵抗性を示す。生細胞での阻害による影響は、PAKがPDGF刺激によるERKの活性化に重要な役割を果たしていることを支持している[20]。PAK1の調節ドメインに対するIPA-3の可逆的な共有結合は、GTPアーゼに対するドッキングとその後の活性化状態への切り替えを防ぐ[21]

前立腺がんにおけるPAK1のノックダウンは遊走能の低下、MMP9の分泌の減少、TGF-βの発現の増加と関係しており、この場合には成長阻害効果を示す。しかしながらIPA-3はその薬物動態や、スルフヒドリル部分の継続的な還元による細胞内での望まない酸化還元効果のため、臨床的開発には不向きなものとなっている[21]

上流の活性化因子

PAK1の活性は、上流の多数の活性化因子やシグナルによって刺激される。EGF[22]ヘレグリンβ1[23]VEGF[24]塩基性線維芽細胞増殖因子[25]血小板由来成長因子[26]エストロゲン[27]リゾホスファチジン酸[28]ホスホイノシチド[29]ETK英語版[30]AKT[31]JAK2[32]ERK[33]CK2[34]RAC3英語版[35]CXCL1[36]BCAR3英語版[37]カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス英語版GPCR[38]ArgBP2γ英語版[39]B型肝炎ウイルスXタンパク質[40]STRADA英語版[41]RhoJ英語版[42]Klotho英語版[43]N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV英語版[44]B-Raf[45]CKIP-1英語版[46]フィラミンA[47]が挙げられる。

下流のエフェクター

PAK1の機能は、下流のエフェクター基質に対するリン酸化、足場タンパク質としての活性、異なる細胞内ドメインへの再分布、ゲノム上の標的の直接的または間接的な発現刺激または抑制、またはこうした機構の全てによって調節されている。がん細胞における代表的なPAK1のエフェクターの標的には次のようなものがある。スタスミン-セリン16番残基(S16)[48]マーリン-S518[49]ビメンチン-S25-S38-S50-S65-S72[50]ヒストンH3-S10[51]、フィラミンA-S2152[47]エストロゲン受容体α-S305[52]STAT5A-S779[53]CTBP1英語版-S158[54]RAF1-S338[55]ARPC1B英語版-T21[56]DLC1英語版-S88[57]PGM1英語版-T466[58]SHARP英語版-S3486-T3568[59]TBCB英語版-S65-S128[60]Snail英語版-S246[61]VE-カドヘリン英語版-S665[62]PCBP1英語版-T60-S246[63]ILK1-T173-S246[64]ESE-1英語版-S207[65]EBP1英語版-T261[66]NRIF3英語版-S28[67]SRC3Δ4-T56-S659-S676[68]β-カテニン-S675[69]BAD-S111[70]-S112-S136[71]MEK1-S298[72][73]CRKII英語版-S41[74]MORC2英語版-S739[75][76]パキシリン-S258[15]-S273[77]

ゲノム上の標的

PAK1またはPAK1依存的なシグナルは、ゲノム上の標的の発現を調節する[7]。発現調節の標的としては、VEGF[24]サイクリンD1[78]PFKM英語版[79]NFAT[79]サイクリンB1[80]組織因子[81]TFPI英語版[81]、MMP9[82]フィブロネクチン[83]などがある。

相互作用

PAK1は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

出典

外部リンク

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