うごかし屋
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登場人物
- 蘇芳鉄(すおうてつ)
- うごかし屋社長。元は常盤津銀行に勤める銀行員であったが、急死した父親の跡を継いで引越し屋になった。
- まだ若くどこか飄々としており、臨時従業員から「うすぼんやり」とまで形容される昼行灯な印象もあるが、独自の引越しの理念と依頼者の心を動かす力を持っており、スタッフからの信頼は篤い。また、高価な仏像を傷がつきにくい和紙で包み、車の移動で物品を倒さないよう木枠の台座を急ごしらえで作るなど、輸送の際の細やかな気配りも併せ持っている。
- 趣味は読書であり、仕事先には必ず本を一冊、腰に挟んで持ち込んでいる。また、『金魚屋古書店』単行本に収録された書店用POPでは「活字中毒」と紹介されている。
- 花田(はなだ)
- うごかし屋社員。16年前からうごかし屋で働いている。
- 今でこそ肥満体型だが前職はレーシングドライバーで、24時間耐久レースとも呼ばれるル・マン24時間レースにも参加したことがある。その腕は未だ鈍らず、引越しでは運転役を受け持っている。
- 一方で色を好み、4回の結婚経験がある他、街中でも美女を見れば落ち着かなくなる軟派な面もある。
- 東雲(しののめ)
- うごかし屋社員。花田と同時期に入社し、憎まれ口を叩き合いながらも互いに「花」「東(しの)さん」と呼び合っている。
- 花田とは対照的に寡黙で硬派な性格であり、依頼者の注文に食って掛かる彼を諌めるシーンが度々ある。独身であり、花田とともに、真朱の母・千草を一途に恋い慕っていた。
- 前職は「鬼教官」と恐れられた白バイ教官で、その時関わった事件がドラマの契機になるエピソードもある。また、日本全国の主要道路を暗記していると言う頭脳を活かし、引越しでは助手席でナビゲーターを務める。
- 特技にピアノ演奏がある。大晦日の仕事(うごかし)で披露し、鉄を驚かせたうえ、花田からも「ちょいと早いかくし芸大会だったな」とからかわれている。
- 真朱(まそほ)
- うごかし屋の番頭の孫娘にあたる女子高生。可憐な容姿ながら桐たんすを頭上に掲げて運ぶほどの腕力の持ち主で、両親が他界した現在ではうごかし屋の業務を臨時で手伝っている。
- その怪力と美貌は母・千草から受け継いだもので、普段から形見である絹風呂敷も持ち歩いており、絹の手触りを語る場面では女友達から「(趣味が)17歳にしては、絶対渋すぎる」とツッコミを受けている。
- 海松(うみまつ)
- 小説家。書いている小説が行き詰まると、住環境を変えたがる癖がある。
- 過去のうごかし屋への依頼で、引越しだけではなく紛失した原稿の捜索をも対応してくれた事に感銘を受け、以降10回以上の依頼をする常連客となった。
- 独身であり同居する家族もいないが、山茶花の好きな妻に先立たれた事をほのめかす描写がある。
- フルネームは海松雅夫だが、鉄たちは「海松先生」と呼んでいる。
- イトウ
- 東京草原社の編集者で、海松の担当。頻繁に引越しを繰り返す海松に手を焼いている。
- なお出版社の社名は、同作者の『鞄図書館』が掲載されている『ミステリーズ!』の発行元、東京創元社のパロディ。
- 木賊(とくさ)
- 凄腕の補修屋。難しいとされる白木枠の横傷の補修をこなす腕前を持つが、区画整理によって思い出深い家を失ったことと、幼い娘の事故死のショックから妻とも離れ、酒とギャンブルに明け暮れる生活をしている。
- 黒鳶(くろとび)、灰桜(はいざくら)、栗梅(くりうめ)
- うごかし屋の臨時従業員。普段は自営業、専業主婦、塾講師とそれぞれの生活をしている。
- 「依頼その1」で僅かに出番があった後は全く登場が無かったが、「依頼その21」で臨時従業員同士の飲み会を開き、大きなうごかし(人手が必要な運搬)の時だけ鉄から連絡が入ってくる事が明らかになっている。