柏餅

カシワの葉で包んだ餅菓子 From Wikipedia, the free encyclopedia

柏餅(かしわもち)は、平たく丸形にした上新粉をはさんで二つ折りにし、カシワまたはサルトリイバラなどで包んだもの[1]端午の節句に供えられる節句餅の一種である[2]

柏餅
贈答用の箱と柏餅
歌川広重『行書東海道 二川 猿が馬場之図』。店の左側の看板に「名物かしハ餅」と書かれている

柏餅の形態について、服部保ら (2007) は、餡入り餅を1枚の葉で三方から包む「くるむタイプ」、2枚の葉で上下を挟む「はさむタイプ」、1枚の葉の上に載せる「敷くタイプ」の3種に分類している[2]。包んでいる葉は香り付けや保護を目的としており、通常は食用に適さない[3][注 1]。餡はつぶあんこしあんが一般的だが、みそあんも用いられる。古い慣習では、餡の種類を判別するため、こしあんは葉の表面(滑らかな面)を内側に、みそあんは表面を外側にして包み分ける手法が存在する[5]

端午の節句に供えられる植物の葉で包んだ菓子には、柏餅のほかちまきがある[2]

歴史

江戸時代[6]中期(9代将軍徳川家重から10代徳川家治の時代)から広まったとされる[5]。葉で包んだ餅自体はそれ以前から存在したが、端午の節句に供える風習は17世紀の江戸の武家社会で始まった[2]。カシワの旧葉は新芽が育つまで落ちない特性があるため、「子孫繁栄(家系が途絶えない)」を象徴する縁起物とされ、参勤交代などを通じて全国へ普及したと考えられている[2]

節句餅に使用される植物は、カシワやサルトリイバラのほか、地域によってコナラ、ネザサ類、アラカシアベマキクヌギササホオノキミズナラナラガシワマテバシイなども用いられる[2]

西日本でも葉で包んだ餅は古くから存在しており、端午の節句の風習が取り込まれたあとも、地域に定着し、あるいは在来の葉で作られてきた餅とは置き換わらなかったとみられている[2]。特にサルトリイバラの葉は炊く葉(調理中に敷く葉)として利用されることもあり、柏餅の原型はサルトリイバラの餅であるとする説もある[2]兵庫県高砂市鹿嶋神社の参道では、名物として通年販売されている[2]

1930年代ごろまではカシワの葉を用いた柏餅は関東が中心であったが、韓国中国からカシワの葉が輸入されるようになったこともあり、カシワの葉でくるむ柏餅が全国的に主流となっている[2]。コスト削減や利便性の観点から、カシワの葉を模したビニールシート(人工葉)を使用した製品も流通している。

韓国のマンゲトク

韓国ではサルトリイバラ韓国語でマンゲ)の葉で餅を包んだ「マンゲトク(망개떡[7]」という柏餅に似た食べ物が旧正月に食べられている[8]

伽耶およびイムジン戦役の時代から記録があると言われている[要出典]が、マンゲトクに使われている甘い餡は日本で16 - 17世紀ごろに初めて登場し、日本統治時代に韓国に伝わったことから、マンゲトクは柏餅の起源ではない。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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