てんびん座タウ星
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| てんびん座τ星 τ Librae | ||
|---|---|---|
| 星座 | てんびん座 | |
| 見かけの等級 (mv) | 3.66[1] | |
| 位置 元期:J2000.0 | ||
| 赤経 (RA, α) | 15h 38m 39.3694957s[2] | |
| 赤緯 (Dec, δ) | −29° 46′ 39.895604″[2] | |
| 視線速度 (Rv) | 2.6 ± 0.2 km/s[3] | |
| 固有運動 (μ) | 赤経: -22.08 ミリ秒/年[2] 赤緯: -24.46 ミリ秒/年[2] | |
| 年周視差 (π) | 8.89 ± 0.20ミリ秒[2] (誤差2.2%) | |
| 距離 | 367 ± 8 光年[注 1] (112 ± 3 パーセク[注 1]) | |
| 絶対等級 (MV) | -1.6[注 2] | |
てんびん座τ星の位置(赤丸)
| ||
| 物理的性質 | ||
| 質量 | 6.10 / 2.74 / 1.90 M☉[3] | |
| 表面重力 (log g) | 4.33 cgs[4] | |
| 自転速度 | 100 km/s[5] | |
| スペクトル分類 | B2.5 V[6] + B9 V + A1-2 V[3] | |
| 光度 | 1,820+90 −80 L☉[5] | |
| 有効温度 (Teff) | 18,600 K[5] | |
| 色指数 (B-V) | -0.17[1] | |
| 色指数 (U-B) | -0.70[1] | |
| 色指数 (R-I) | -0.19[1] | |
| 金属量[Fe/H] | 0.17[4] | |
| 年齢 | 1.26×107 年[3] | |
| 軌道要素と性質 | ||
| 軌道長半径 (a) | 0.082 au[3] | |
| 離心率 (e) | 0.28[7] | |
| 軌道周期 | 3.448 日[3] | |
| 近点引数 (ω) | 114 度[7] | |
| 他のカタログでの名称 | ||
| てんびん座40番星, CD-29 11837, HD 139365, HIP 76600, HR 5812, SAO 183649[2] | ||
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てんびん座τ星(てんびんざタウせい、τ Librae、τ Lib)は、てんびん座にある恒星である[8]。見かけの等級は3.66と肉眼でもみることができる明るさである[1]。おそらく3つの恒星からなる連星系で、短周期の分光連星と、その外側の位置天文的/視覚的連星という構造になっているとみられる[9]。
星系
てんびん座τ星は、20世紀の前半から視線速度が変化することが指摘されており、1960年代にはスペクトル線が2成分あることが検出され、二重線分光連星と考えられるようになり、1987年には半世紀にわたる測定から軌道要素が求められ、連星であることが確かめられた[7][1][10]。分光連星の軌道周期は3.4日で、離心率は0.28とかなり偏った軌道をとると考えられる[3][7]。
分光連星の伴星とは別に、2010年にシドニー大学恒星干渉計で行われた観測から、第3星が検出され、離角は12ミリ秒、等級差がおよそ3と求められた[9]。その9年後、VLTによる観測で再び第3星が検出され、前回とは異なる方位で離角は60ミリ秒であった[3]。てんびん座τ星は、ヒッパルコス衛星の観測によって固有運動が非線形の加速度運動をしていることがわかり、位置天文的連星とみなされ、ヒッパルコスとガイアの測定結果の差が大きいことから、固有運動をふらつかせているのは分光伴星ではなく、検出された第3星が位置天文的伴星ではないかと考えられる[11][3]。発見時と2度目の検出で離角が大きく違うので、第3星の軌道は離心率がとても大きいか、真横に近い向きでみえているか、その両方であることが予想される[3]。
特徴
てんびん座τ星はB型主系列星で、スペクトル型はB2.5 Vに分類される[6]。質量は、太陽の約6.1倍と推定される[3]。分光伴星は、質量が太陽の2.74倍と見積もられ、スペクトル型はB9 Vに相当するものとみられる[3]。第3星は主星系との光度差から、スペクトル型はA1 VからA2 Vに相当し、質量は太陽の1.9倍程度と考えられる[3]。
てんびん座τ星はその位置やスペクトル型、空間運動からして、さそり座-ケンタウルス座OBアソシエーションに属しており、その中でも上部ケンタウルス座・おおかみ座領域の集団の一員とみられる[1][10]。そのため、てんびん座τ星の年齢もアソシエーションと同等と考えられ、およそ1260万年ととても若い恒星である[3]。
てんびん座τ星では、BRITEコンステレーションによってパルスのように鋭く周期的な光度変化が検出された[5]。パルスの周期が分光連星の軌道周期とほぼ同じであることから、分光連星の近点で潮汐力によってひずみが誘発され、光度が変化する拍動が起きている、「ハートビート星」であると考えられている[5]。