むかし話 北海道
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『むかし話 北海道』は、北海道開拓の歴史において、これまで十分に顧みられてこなかった無名の人々の功績に光を当て、史実に基づいた物語として再評価しようとする動きの中から生まれた企画である。当時、北海道の開発はなお途上にあり、行政機関や農業団体などが連携しながら地域社会の形成に取り組んでいた。その一方で、歴史叙述においては著名な人物に焦点が当たりやすく、地域に埋もれた人々の働きは十分に評価されていなかった[1]。
こうした状況を受けて、児童文学者らは、無名の人々の実像や功績を物語として描き出すことの重要性を共有し、日本児童文学者協会北海道支部を中心に執筆活動が進められた。中心的役割を担ったのが、入江好之である。入江は1955年(昭和30年)に出版部門として楡書房に関わり、同年に刊行された雑誌『原っぱ』は、その後の活動の出発点となった。この雑誌には創作童話も含まれていたが、地域の歴史や人々の営みを物語化する試みがすでに見られる[1]。
その後、入江は1958年(昭和33年)に北書房を設立し、北海道百年を記念する企画として『むかし話 北海道』の刊行に踏み切った。本シリーズは「歴史童話集」として、北海道の歴史を児童向けに語り継ぐことを目的としていたが、編集・出版の過程は必ずしも順調ではなかった。会員や出版社の意向の調整に時間を要し、第五集の刊行までには約20年を費やしている[1]。
編集
日本児童文学者協会北海道支部
発行人
発行所
北書房
