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イギリス鉄道385形電車

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385形(いぎりすてつどう385けいでんしゃ、British Rail Class 385クラス385)は、日立製作所イギリスアベリオ・スコットレール向けに製造した近郊型電車である。

概要 イギリス鉄道385形電車 「eXpress / エクスプレス」, 基本情報 ...
イギリス鉄道385形電車
「eXpress / エクスプレス」
試運転中の385形
基本情報
運用者 アベリオ・スコットレール
スコットレール・トレインズ
製造所 日立製作所笠戸事業所
日立製作所ニュートン・エイクリフ工場
製造年 2015年 -
製造数 234両
運用開始 2018年7月24日
主要諸元
編成 3両・4両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 交流 25 kV 架空電車線方式
最高速度 161 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s (0.84 m/s²)
減速度(常用) 3.6 km/h/s(1 m/s²)
減速度(非常) 4.3 km/h/s(1.2 m/s²)
長さ 23.639 m(先頭車両)
23.000 m(中間車両)
車体 アルミニウム合金
主電動機出力 250 kW (335 hp) / 1機
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ
制動装置 電気指令式空気ブレーキディスクブレーキ
保安装置 AWS、TPWS
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eXpress(エクスプレス)」の愛称を持つ[1]

概要

スコットランドエディンバラフォルカークグラスゴー間の電化計画の一環として導入され、2018年7月24日に営業運転を開始した[2]

2014年10月、アベリオ・スコットレールスコットレールの運営権を獲得した直後、スコットランドで電化が進められていた路線向けに、日立製作所の「A-train」をベースとした新型電車234両を調達する契約を同社と締結したと発表。2015年3月、日立製作所傘下の日立レールヨーロッパは、オランダ鉄道傘下のアベリオ社よりイギリス・スコットランド向けの385形電車234両[注 1] の納入と、10年間の車両保守事業を総額4億7500万ポンドで受注した[3]

2017年12月からグラスゴー - フォルカーク -エディンバラ線英語版などの主要路線やスコットランド中部全域で路線で導入した。路線の電化と電車の導入を同時に進めることで同区間を運行した気動車を他路線へ転属することが可能となった。

製造中の385形の車体

当形式の発注は、都市間高速鉄道計画及び、日立製作所ニュートン・エイクリフ工場の建設を経て、イギリスの鉄道事業者が初めて日立製作所の車両を導入する事例となった。2015年11月に最初の編成の製造を開始、最初の7編成は山口県下松市笠戸事業所で、残りの63編成はイングランド北部ダラム州ニュートン・エイクリフ工場で生産される[2]

調達時に締結されたリース契約に基づき、アベリオ・スコットレールに納入された。車両の所有権は、三井住友銀行の子会社のレドニアン・レール・リーシングが保有する。

初編成は2016年12月に納入された。ニュートン・エイクリフ工場での製造工程は厳密に規定され、日立のイタリア・ピストイア工場及び、笠戸事業所での経験に基づいて策定された1,400件もの標準作業手順書が導入された。笠戸工場から製造された車体はニュートン・エイクリフへ輸送され、約7日間にわたる艤装作業が行われた後、工場内のトラバーサーで製造場内を移動した。1両を完成させるのに要した工数は2,100人/時であった。全部品の約71%はイギリス国内で調達された。

トランスポート・スコットランドがアベリオ・スコットレールの契約を7年から10年へと期間延長するオプションを行使した場合、3両編成10本が増備されて2023年に営業運転を開始する予定であったが延長されなかった。

2019年初頭、日立製作所はスコットランド政府と、385形をベースとする派生形式の開発について一連の協議を行った。派生形式は、非電化区間でも走行可能な蓄電池電車として構想された。蓄電池の搭載は比較的容易な改修とされ、床下に設置するバッテリーユニットは、サイズによるが20~60マイル(30~100km)の距離を走行する能力を持つ見込みであった。この提案は、すでに日本国内で運用されている蓄電池電車の経験を活かしたものであり、鉄道の脱炭素化に取り組むタスクフォースがこうした施策を推奨したことによって立案された。

2021年5月、385形に対して、日立製作所が製造した800形で確認された、安全に関わる構造上の潜在的な欠陥の有無を調べるための点検が実施された。点検において当該形式の一部に問題の兆候が見つかったが、現時点では安全上の問題とは認定されなかった。

設計

385形の車内

車両設計は日立が展開するセミオーダーメイドタイプの標準近郊車両「AT-200」をベースとしており[3]A-trainの規格を用いたアルミニウム合金製車体を採用する。編成は前面貫通型の3両編成または4両編成で、併結により最大12両編成での運用を可能としている[3]

設計最高速度は、時速100マイル(160km/h)。両端に動力付先頭車、中間に付随車1両または2両で構成される。日立製のIGBT素子のVVVFインバータ制御を搭載し、4両編成では4台、3両編成は3台の動力台車を備える。車両全長に対して3分の1及び3分の2の位置にプラグドア方式の客用扉が配置された。

車両の基本構造は800形とほぼ同じであり、走行装置と客室設備の共通化によりコストダウンが図られている。座席配列は「2+2」で、テーブル付きの4人掛けボックスシートと背面テーブルを備えた座席が混在している。各先頭車にはトイレが設置され、全車両が車内空調完備されている。全座席での車内販売サービスに対応するため、先頭車両には貫通路が設置された。この設計に伴い、衝突安全性や運転士の視認性に関する人間工学など基準に合わせるため、運転台及び前頭部の再設計が必要となった。リヴァプール大学のバーチャル・エンジニアリング・センターが監修に関わり、現場の運転士や乗務員からの意見も取り入れられた。

運用

385形の導入に先立って電化されたエディンバラ - フォルカーク - グラスゴー間のほか、スコットランド内の各電化路線にも投入される[2]

当初は2017年12月の営業運転開始を予定していたが[3]、乗務員から前面ガラスの曲面加工が信号確認に支障をきたすとの指摘を受けて改修を行った結果、2018年7月24日から運用を開始した[4]。この問題の背景には、モックアップを用いた実車検証工程が省略されていたことがあった。これまで納入された395形、800形は電車のモップアップ(模型)が作られて確認作業が行われていたが、納期が短かった385形は確認をバーチャルリアリティ技術を用いてコンピューターの画面上で行い、コンピューターで再現されない部分が見落とされてしまう結果となった。本運用開始後もブレーキ回路が焼き切れ非常ブレーキ以外での制動が不可能になるという重大な欠陥が発覚し、再度の改修が必要となった。

順次、追加の編成が投入されたが重大な問題が発見されたため、2018年10月4日に全編成が一時的に運用離脱。同年10月13日には再び営業運転に復帰した。2018年11月時点で10編成が運用に就いていましたが、翌月には32編成へ、2019年5月までには58編成へ増備された。営業運転開始が遅延したため、暫定的な措置として2018年から2019年にかけての365形10本を借り入れ、385形が十分に運用可能な状態になるまで使用し続けた。

2019年12月までに全70本が投入された。クロイ線英語版ダンブレイーン線英語版ショッツ線で運用され、カーステアーズ線英語版カスカート・サークル線英語版インバークライド線英語版、エディンバラ - ノース・バーウィック英語版間や、グラスゴー・セントラル - ラナーク英語版間の既存車の置換えも行った。同形式の導入に伴い、314形英語版が引退したほか、156形158形170形英語版気動車の多くが他路線へ転属した。

当形式の導入に伴い、運行ダイヤの変更も多岐にわたって実施された。特にエディンバラ - グラスゴー間の主要路線において8両編成化が進んだが、グラスゴー・クイーン・ストリート駅英語版のホーム延伸工事の完了が必要であった。385形8両編成は座席定員546席であり、同区間の電化前に使用された170形気動車と比較して45%も増加した。2020年4月までに、385形全体で累計850万マイル(1,370万キロメートル)を走行したと報告され、72万7,000マイル(117万キロメートル)は、2019年のクリスマス直前の4週間という短期間に記録されたものであった。

スコットレールの保有する車両の大半とは異なり、385形は日立製作所との10年契約に基づいて保守が行われる。グラスゴーにある同社の契約管理・計画部門が全体を統括し、作業はクレイジェンティニー車両基地で実施される。当形式は、保守管理担当者や添乗検査員からなるチームによって常時監視されており、特に再発する不具合については、遅延の原因特定や車両性能指標の分析が重視される。385形には日立の車両監視ツールが導入されており、リアルタイムでのデータ収集を集約し、スコットレールやネットワーク・レールを含む関係者が必要なデータに容易にアクセスできるようになっている。各編成はバランス検査方式の対象となっており、40日または2万マイル(3万2000km)ごとの周期で検査が行われますが、今後は状態監視に基づく保守への移行も検討されている。初期にブレーキ、ドアシステム、速度制御装置などで発生した不具合は、その大部分がソフトウェアの改修によって解決した。

形式・編成

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形式 列車運行会社 製造年 編成数 編成番号[5]
385/0 スコットレール 2015–2019 3両編成46本 385001–385046
385/1 4両編成24本 385101–385124
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塗装

385/0形
385/1形

編成組成

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形式 1 2 3 4
385/0 Bo'Bo' 2'2' Bo'2'
385/1 Bo'Bo' 2'2' 2'2' Bo'Bo'
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関連項目

脚注

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