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イギリス鉄道802形

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イギリス鉄道802形(イギリスてつどう802けい、英:British Rail Class 802、クラス802)は、日立製作所が製造するイギリスの高速列車用のバイモード車。

所有者 802/0・802/1形
・エバーショルト・レール・グループ
802/2 ・802/3形
・エンジェル・トレインズ
製造年 2017年 - 2020年
概要 イギリス鉄道802形車両 「IET, ノヴァ1, パラゴン」British Rail Class 802Intercity Express Train, Nova 1, Paragons, 基本情報 ...
イギリス鉄道802形車両
「IET, ノヴァ1, パラゴン」
British Rail Class 802
Intercity Express Train, Nova 1, Paragons
パール駅に停車中のグレート・ウェスタン・レールウェイの802形
基本情報
所有者 802/0・802/1形
・エバーショルト・レール・グループ
802/2 ・802/3形
・エンジェル・トレインズ
運用者 グレート・ウェスタン・レールウェイ(802/0形、802/1形)
ハル・トレインズ(802/3形)
トランスペナイン・エクスプレス(802/2形)
製造所 日立製作所笠戸事業所
日立製作所ニュートン・エイクリフ工場
日立レールイタリアピストイア工場
製造年 2017年 - 2020年
製造数 9両編成14本、5両編成46本
運用開始 2018年8月20日
投入先 コーニッシュ本線
イースト・コースト本線
グレート・ウェスタン本線
ハダースフィールド線
主要諸元
編成 5両編成(3M2T)
(802/0形、802/2形、802/3形)
9両編成(5M4T)
(802/1形)
軌間 1,435 mm (標準軌)
電気方式 交流 25 kV (単相50 Hz)
(架空電車線方式)
最高運転速度 201 km/h (125 mph)
設計最高速度 230 km/h (140 mph)
起動加速度 2.52 km/h/s
減速度(常用) 3.20 km/h/s
減速度(非常) 4.32 km/h/s
編成重量 252.8 t(802/0形)
438.2 t(802/1形)
編成定員 326人(802/0形)
647人(802/1形)
車体長 25,850 mm(先頭車)
26,000 mm(中間車)
車体幅 2,740 mm
車体高 3,620 mm
台車 軸梁式ボルスタレス空気バネ台車
機関 MTU 12V 1600 R80L
(4ストローク V12 ターボディーゼル with SCR)
機関出力 700 kW (940 hp)
主電動機 かご形三相誘導電動機
(日立製作所製)
主電動機出力 226 kW
駆動方式 WN駆動方式
編成出力 2,712 kW(5両編成)
4,520 kW(9両編成)
制御装置 IGBT素子-VVVFインバータ
制動装置 電気指令式ディスクブレーキ
回生付発電ブレーキ
保安装置 AWS、ATP、ETCS、TPWS
備考 主要数値は[1][2]を参照。
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概要

電化区間では架線から集電し非電化区間では床下のディーゼルエンジンにより発電機を稼働させて電力を得るバイモード車で、2018年8月20日にグレート・ウェスタン・レールウェイ(GWR)で営業運転を開始した[3]。このほか、ハル・トレインズとトランスペナイン・エクスプレスでも運行されている。各社はそれぞれ愛称を命名しており、GWRは「Intercity Express Trains (IET)」、トランスペナイン・エクスプレスは「Nova 1」、ハル・トレインズは「Paragons」と称されている。

日立製作所の「A-train」に基づいて設計され、「Hitachi AT300」シリーズの一員である。立製作所が製造し各路線に投入されている高速鉄道用車両800形(クラス800)とほぼ同一の仕様であるが、主な違いとして非電化区間が長い路線での運用を想定し、ディーゼルエンジンの出力向上と燃料タンクの大型化が図られた。GWRによる802形の導入は、「インターシティ125」を始めとした既存の高速列車の車両の置き換えを促進し、所要時間の短縮を実現した。

これまでに様々な改良や改造計画が実施・提案され、GWRとトランスペナイン・エクスプレスの双方が、蓄電池電車技術の試験導入に合意し、結果次第では全車両への採用に至る可能性がある。運用中に大規模な電化工事が実施された場合、不要となったエンジンの一部を802形から取り外すことが可能である。これにより車両全体の重量を15%削減でき、運行効率の向上が見込まれる。802形の最高速度は時速125マイル(201km/h)であるが、将来的にインフラの改良によって高速走行が可能である場合は、時速140マイル(230km/h)への速度を向上する改造が可能となっている[4]。

800形と同様にディーゼル発電機を車載しているが。800形に搭載されているディーゼルエンジンの出力が560kW(751HP)である一方、802形は700kW(939HP)に向上している他、燃料タンクも大型化されており、非電化区間における長距離運転に適した構造になっている。

概要

背景

2015年半ばにGWRは、日立レールから173両の新型車両を調達し、さらに150両の追加調達オプションも確保したと発表。当時、GWRは運輸省の都市間高速鉄道計画の一環として、都市間特急列車の新型車両を導入する初期段階であった。 この計画では801形電車と、架線から電力供給または車載のディーゼル発電機でモーターを動かして走行する800形バイモード車の双方が調達対象となった。グレート・ウェスタン本線の電化に伴い、既存のHSTを置き換えることを目的としていた。しかし、電化区間はカーディフ・セントラル駅までにとなり、それ以遠の区間では引き続き非電化対応車両が必要であったため、非電化でも運行可能な車両を調達する必要であった。

173両の追加調達は、800形をデヴォンおよびコーンウォール方面の運行に充てることを目的としていた。車両の内訳は、5両編成22本と9両編成7本であった。さらに150両のオプション分については、5両編成30本を予定していた。

当初、ダラム州にある日立のニュートン・エイクリフ工場は生産能力が限界に達していたため、日本国内の笠戸事業所(山口県下松市)で製造する計画であった。日立がイタリアの鉄道車両メーカーであるアンサルドブレーダを買収したことに伴い、製造拠点は日立が新たに取得したイタリアのピストイア工場へと変更された。同工場で製造された最初の編成は、2018年2月に完成したと伝えられた。

当形式は、2018年からGWRでの運行が開始される予定であった。導入目的として、所要時間の短縮が掲げられており、ロンドン~エクセター間では最大5分、ロンドン~プリマス間では最大6分、ロンドン~ペンザンス間では最大14分の短縮が見込まれた。

運用

グレート・ウェスタン・レールウェイ

クリーチ・セント・マイケル駅付近を走行する5両編成と9両編成の802形

グレート・ウェスタン・レールウェイはグレート・ウェスタン本線に電化計画に合わせてバイモード車両の800形と電化区間専用の801形(クラス801)を都市間高速鉄道計画(IEP)の一環で導入する一方[5]、電化区間の終点となる予定のブリストル・テンプル・ミーズ駅[6]より先のデヴォンやコーンウォールへと伸びる非電化区間への乗り入れのため、長距離輸送に適した高速鉄道用車両が必要となった。そこで導入されることになった新たなバイモード車両が802形である。

第一編成は日立製作所笠戸事業所で製造された後2017年8月9日から走行試験が行われた[7]。そして2018年8月20日から営業運転を開始し[3]、最終的に5両編成22本(802/0形)、9両編成7本(802/1形)が導入される予定となっている[8]。なお、当初は同年7月16日に営業運転を開始する予定であった[9]。2019年5月までに全36編成の導入が完了し、これにより、800形と合わせて、残存していたインターシティ125の置き換えを完了した。

2020年12月、日立製作所とエバーショルト・レール・グループは、802/0形の全5両編成22本について、床下に搭載されたディーゼルエンジン1基をバッテリーに換装し、3電源方式へと改造することを発表した。これにより、汚染物質の排出量や騒音レベルが低減され、最大20%の燃料削減が見込まれる。2022年4月には、コーンウォール方面へのGWRの802形9両編成の運用を円滑にするため、ペンザンス駅に新たな留置線を整備することが発表された。

2021年を通じて、800形および802形において応力腐食や金属疲労に起因する亀裂が発見されたため、GWRの都市間輸送に多くの乱れが生じた。 2023年4月、全36編成がプリマスのライラ車両基地で保守整備されることが発表された。

グレート・ウェスタン・レールウェイ 802/0形
グレート・ウェスタン・レールウェイ 802/1形

ハル・トレインズ

2016年11月、ハル・トレインズは、信頼性の低さが課題となっていたアルストム製の180形気動車「アデランテ」(英語版)(コラディア1000)に代わり、5両編成の802形(802/3形)を5本購入することを発表し、その旨に関して日立レールヨーロッパと契約を交わしたと発表した。導入金額は6,000万ポンドで、2019年11月に塗装の発表を含めた一般公開が実施され、翌月の12月5日から営業運転を開始した。これらの列車には「手本」「模範」を意味し、ハル・トレインズのターミナル駅(ハル・パラゴン・インターチェンジ(英語版))の名前の由来にもなった「パラゴン」(Paragon)の愛称が付けられている[10][11][12][13][14]。

ハル・トレインズは、802形車両の構成を以下のように変更した。A車両は車椅子対応の標準座席、B車両とC車両は両方とも標準座席、D車両は標準座席と一等座席、E車両は車椅子対応の完全一等座席となっている。 顧客からの要望を受けて、802形には、前身の180形とは異なり、カフェバーが設置されていないと報じられた。

802形の導入に伴い、余剰となった180形は、グランド・セントラルから引き継いだ6両編成のHST 3本を置き換えるため、段階的にイースト・ミッドランズ・レールウェイ(EMR)へ転属した。

ハル・トレインズ 802/3形「パラゴン」
実際の営業時には車体下部にラッピングが施された
ハル・トレインズ向け802形
さらに見る 号車, 形式 ...
802/3形バイモード車両(パラゴン) 編成表
号車 EDCBA
LKJHG
形式 DPTF MS MS MS DPTS
座席数 1等 24 18
2等 58 88 86 56
車椅子スペース 2箇所
車内設備 トイレ(車椅子対応) トイレ
荷物置き場
自転車用スペース
トイレ
荷物置き場
荷物置き場 トイレ(車椅子対応)
荷物置き場
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トランスペナイン・エクスプレス

試運転中の802形

2016年にトランスペナイン・エクスプレス(TPE)と日立製作所の間で802形(802/2形)の納入計画が交わされ、2018年4月20日に笠戸事業所で製造された最初の編成が日本からイギリスへと出荷された[17]。翌2019年9月30日から営業運転を開始し、最終的に5両編成19本が導入される予定となっている[18][19]。

当初は803形と、新形式になる予定であったが、編成が納入される直前に「802/2形」へ変更された。2017年12月には、同社向けとなる最初の編成の製造が開始されたことが発表。2018年7月には、イースト・コースト本線において同形式の試験走行が開始した。

なお、TPEでは新規に登場する列車に「Nova(ノヴァ)」という愛称を付けており、各形式に「1」「2」「3」の番号を付与している。802形は「Nova 1」と呼ばれている[17]。

802形「Nova1」が、ノーサラートン駅ですれ違う様子

2019年7月、同社は802形の最初の編成を正式に受領した。当初の計画では、同車両群は2019年夏から営業運転を開始する予定であった。2019年9月28日、最初の「ノヴァ1」が営業運転を開始。802201編成がニューカッスル発06:03のリバプール・ライム・ストリート行き列車、およびその折り返しとなる09:25発の列車に充当された。なお運行の認可が下りたのは前日の夕方のことであった。その後、定期列車へ就いたことなった。

2021年10月、TPE、日立製作所、エンジェル・トレインズの3社は、同社の「Nova 1」の1編成を試験的にバッテリー・ハイブリッド方式へ改造することで合意したと発表。当該技術のさらなる開発を支援することを目的としている。試験が成功した場合、日立製作所とエンジェル・トレインズは、全編成への同様の改修を提案した。2022年1月には、イースト・コースト本線の全電化区間においてさえ、電力供給能力が不十分であるため、「Nova 1」がディーゼル動力で走行しているという報道された。なお、鉄道インフラを保有・管理するネットワーク・レールは、2年以内に電力供給設備の改修を完了する予定であると伝えられた。

同形式は、トランスペナイン・ルート改良計画の一環として進められる電化の恩恵を受ける見込みとなっている。TPEの経営陣は、大規模な電化計画に資金が投入され実施された場合、802形からエンジンの一部を取り外すことで重量を約15%削減し、効率を向上させることが可能であると指摘した。TPEの元マネージング・ディレクターであるレオ・グッドウィンは、802形の当初の最高速度は時速125マイル(201km/h)ですが、将来的にインフラの改良によって許容されれば、時速140マイル(230km/h)での運転が可能なように改造ことも可能と述べた。

2024年5月24日、「Nova 1」の1編成において、エンジンの一部をターンタイド・テクノロジーズ製の蓄電池に換装する改造が行われ、トライモード(3電源方式)列車となった。

トランスペナイン・エクスプレス 802/2形
さらに見る 号車, 形式 ...
802/2形バイモード車両(Nova 1) 編成表
号車 EDCBA
形式 DPTF MS MS MS DPTS
座席数 1等 24
2等 88 88 86 56
車椅子スペース 2箇所
車内設備 トイレ(車椅子対応) トイレ
荷物置き場
自転車用スペース
トイレ
荷物置き場
荷物置き場 トイレ(車椅子対応)
荷物置き場
備考・参考 [16][20]
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編成

編成構成

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形式 愛称 列車運行会社 製造年 編成番号
802/0 Intercity Express Train グレート・ウェスタン・レールウェイ 2017–2018 5両編成22本 802001–802022
802/1 9両編成14本 802101–802114
802/2 Nova 1 トランスペナイン・エクスプレス 2017–2019 5両編成19本 802201–802219
802/3 Paragon ハル・トレインズ 2019–2020 5両編成5本 802301–802305
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編成愛称

グレート・ウェスタン・レールウェイ

「Thank You NHS」の特別多言語塗装を施した、GWRの802形。

グレート・ウェスタン・レールウェイの800形・802形は、同社が運行する地域に影響を与えた著名な人物にちなんで編成ごとに愛称が命名された[21]。

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編成番号 命名日 名前 備考
列車愛称
802002 2020年10月19日 スティーブ・ホワイトウェイ [22]
802006 2025年
  • ドノバン
  • ジェニファー・ガードナー
[23]
802007 2025年 マイケル・モーパーゴ(戦火の馬 著者) [23]
802008 2019年4月13日

2024年5月23日

[24][25][26]
802010 2021年8月19日
  • ジョージ・シアード伍長
  • キーロン・グリフォン
[27]
802011 2018年12月8日 [28]
802013 2019年4月9日 マイケル・イーヴィス(英語版) [29]
802018 2021年8月18日
  • ジェレミー・ドイル と ドノバン
  • ジェニファー・ガードナー
[27]
802022 ??? シリル・ブリーズデール OBE FLIT [30]
802101 2019年11月28日[要出典] ナンシー・アスター [31]
802103 2023年5月4日 フライング・カロリアン [32]
802109 2024年6月17日 シャナイア・トゥエイン [33]
802110 2023年9月12日 アガサ・クリスティ [34]
特別ラッピング
802020 2020年7月7日 国民保健サービスの労働者(Thank You NHS) [35]
802106 2024年10月30日 パディントン 消えた黄金郷の秘密 [36]
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ハル・トレインズ

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編成番号 命名日 名前 備考
802301 2022年10月 エミー・ジョンソン [37]
802302 2022年10月28日 ジーン・ビショップ(蜂の女王) [38][39]
802303 ランド・オブ・グリーンジンジャー(英語版) [40]
802304 2022年10月 ウィリアム・ウィルバーフォース [37]
802305 2022年11月 ハンバー橋(英語版) [37]
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トランスペナイン・エクスプレス

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編成番号 命名日 名前 備考
列車愛称
802208 2023 ディリジェンス / ロバート・スチーブンソン・アンド・カンパニー [41]
802209 2026 ノーススター [42]
802210 2023年12月13日 ヘイルズ城(英語版) [43]
802212 2022年5月23日 セント・アバズ・ヘッド [44]
802213 2024年1月22日 ユニティー [45]
802215 2023年5月4日 ホリールード宮殿 [46]
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事故・事件

  • GWRへの引き渡しを控えた2018年10月16日の夕方、802形の試運転中に、ロンドン・パディントン駅郊外のハンウェル地区で架線約500メートルが激しく損傷する事故が発生した。この損傷により、同夜およびその後の2日間にわたり、列車の運休や遅延が生じた。
  • 2022年3月22日、ヒートン車両基地内での車両移動中に「802207編成」が脱線事故を起こした。同編成の先頭車両が横転し、それ以来、同編成は日立のニュートン・エイクリフ工場に留め置かれた。2024年初頭までに修理は完了したが、直ちに営業運転に復帰することはなかった。ディーゼルエンジン1基を蓄電池(バッテリー)に換装する試験車両として使用するためである。

関連項目

脚注

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Timelines

Top Qs

Fact Checks