カジュアリティーズ
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| カジュアリティーズ | |
|---|---|
| Casualties of War | |
| 監督 | ブライアン・デ・パルマ |
| 脚本 | デヴィッド・リーブ |
| 原作 | ダニエル・ラング |
| 製作 | アート・リンソン |
| 出演者 |
マイケル・J・フォックス ショーン・ペン |
| 音楽 | エンニオ・モリコーネ |
| 撮影 | スティーヴン・H・ブラム |
| 編集 | ビル・パンコー |
| 配給 | コロンビア ピクチャーズ |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 113分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $22,500,000 |
| 興行収入 | $18,671,317[1] |
『カジュアリティーズ』は、ベトナム戦争中に起きたアメリカ陸軍兵士による戦争犯罪を題材にして1989年に製作されたアメリカ合衆国の戦争映画。1966年の「兵士による少女強姦」という実際に起きた事件(192高地虐殺事件)を、戦場に於ける犯罪を告発した退役兵士の回想として描いた作品。原題:Casualties of Warは「戦争の犠牲者」を意味する。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなどの出演で、コメディ派俳優として知られているマイケル・J・フォックスが、倫理観を付き通し、正義のために上官や同僚を告訴する兵士をシリアスに演じている。ジョン・C・ライリーやジョン・レグイザモ、ヴィング・レイムスなど、のちに活躍する実力派俳優も出演している。音楽は当初はジョン・バリーが担当することになっていたが、エンニオ・モリコーネに交代した。
1974年。ベトナム帰還兵のエリクソン(マイケル・J・フォックス)は、電車の向かい側に座る東南アジア人女子大生(ツイ・ツウ・リー)の姿を見て、ベトナムに上等兵として従軍中のときの悪夢のような体験を思い出す。
ベトナム戦争が激化する1966年。エリクソン一等兵はベトコンに殺されそうになったところを上官のミザーブ軍曹(ショーン・ペン)に救われる。後日、農民だけが暮らしていると思われる村を訪問するも、そこもベトコンの隠れ家で、奇襲を受けブラウンが死亡する。人望が厚く、あと1ヶ月で除隊する予定だったブラウンがベトコンに殺されたこと、またベトコンへの警戒から非番でも外出禁止になり慰安婦を買いに行けなかったこと等から、兵士たちはベトナム人への怒りと恨み、そして激しいストレスを極限まで募らせていった。
偵察パトロールの任務を命ぜられるミザーブの小隊5名。そこでミザーブは「任務がてら村に立ち寄り少女を拉致してレイプしよう」と提案する。エリクソンは冗談だとも思っていたが、ミザーブとクラークは村民の少女オアン(ツイ・ツウ・リー=二役)を本当に誘拐する。隊に加わったばかりのディアズは強姦に抵抗があり、阻止しようとエリクソンと相談する。ところがいざ強姦を開始しようとするミザーブと反対するエリクソンが口論になると、ディアズは上官の命令に背くことができず、集団レイプに加わる。
1人レイプに加わらなかったエリクソンは隊の中で完全に孤立。小隊が河のほとりでベトコンらしき集団を見付け見張っている時、なりゆきでオアンと2人きりになったエリクソンがオアンの様子を見ると、オアンの顔は酷く腫れ上がり病気に罹って高熱をだしていた。そのあまりに悲愴な姿にショックを受けるエリクソン。言葉が通じない中、泣きながら必死に何かを訴えかけてくるオアンをなんとかこの隙に逃がそうと画策するが、戻って来たクラークに見つかり隊に合流させられる。
しかしオアンの咳が止まらない事でベトコンに見つかる危険、さらにはアメリカ軍のヘリが接近し、ベトナム女性を拘束している姿を見られる危険から、ミザーブはオアンを殺すように命じる。ディアズが渋りながらもナイフを手にオアンに忍び寄ると、エリクソンが自動小銃を宙に向け発射したためにベトコンとの銃撃戦が開始される。激しい銃撃戦の混乱に乗じてクラークがオアンをナイフで刺す。しかしまだ死に切らなかったオアンは銃弾が飛び交う中、瀕死の状態でさ迷うように歩き出す。エリクソンの必死の制止も叶わず、オアンはミザーブ達の斉射に命を落とす。その直後にヘリコプターが焼夷弾でジャングルを焼き払った。オアンを救えなかったエリクソンは、彼女の死体を見つめるよりほかはなかった。
数日後、基地へ戻ったエリクソンは隊員の拉致強姦殺人の件を上官に報告するが、事を大きくすることを嫌う上官からは、逆に「忘れろ」と諭されてしまう。さらに別の大尉からは、「裁判をして有罪になっても、すぐに釈放されて報復に来られるだけだぞ」と忠告をされてしまう。エリクソンは別の隊に所属する友人のローワンに、「いつ死ぬか分からないから、みんな行動が無責任になっている。でもいつ死ぬか分からないからこそ自分の行動に責任を持つべきなんだ」と訴えるのだった。
一方、自分たちの行為を告げ口される事を恐れたクラークは、エリクソンの口を塞ごうと、エリクソンが入ったトイレに手榴弾を仕掛ける。寸前で気付き間一髪でこれを回避したエリクソンだが、理不尽な現実と自分の無力感に激しく落ち込む。しかし基地内のバーで知り合った従軍牧師に気持ちを吐露すると、それを機に陸軍上層部により事件の調査が行われるととになる。そして軍法裁判でミザーブら4人は全員有罪となるが、退廷の際にミザーブがエリクソンの耳元で何かを囁く。
「すぐに釈放されて報復に来られるぞ」と言う大尉の忠告がフラッシュバックしたところで、咄嗟にエリクソンは我に返った。電車が止まって乗客が次々と降りていく。エリクソンは電車を降りるアジア人女子大生が忘れ物をしていることに気付き、彼女を呼び止め忘れ物を渡す。アジア人女子大生は礼を言い、未だ夢覚め在らぬ様子のエリクソンに「悪い夢を見てたみたい、でももう大丈夫ね」と声をかけ歩き去る。エリクソンは何も言葉を返す事が出来ず、彼女をただ見送るのであった。
登場人物
- マックス・エリクソン上等兵
- 主人公。妻娘がいる。
- トニー・ミザーブ軍曹
- 若干20歳で、エリクソンが所属する小隊の隊長。強姦の主導者だが軍人としても優秀で、エリクソンの命の恩人でもあり、勲章を受けている。
- トーマス・E・クラーク伍長
- 強姦や殺害にもっとも積極的で、ハッチャーやディアズがオアンを殺害する事に躊躇する中、「自分にやらせろ」と主張したり、交戦に紛れて実際にオアンをナイフで刺す。また幾度となくエリクソンにナイフを突きつけ脅したり、実際に殺害しようと手榴弾を仕掛ける。
- ハーバート・ハッチャー上等兵
- ミザーブ一派の隊員で、殺害にはクラークほど積極的ではないが、強姦には喜んで加わった。
- アントニオ・ディアズ上等兵
- ブラウンの死後に補充された新隊員。強姦に抵抗を持ち、本意ではないものの上官には逆らえず集団強姦に加わる。
- トラン・ティ・オアン
- 誘拐、強姦、殺害されてしまうベトナム人少女。
- ローワン
- エリクソンの友人兵士で、別の隊に所属しているが、基地で合流するたびにエリクソンからの相談に乗る。
キャスト
| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
|---|---|---|---|
| ソフト版 | フジテレビ版 | ||
| マックス・エリクソン上等兵 | マイケル・J・フォックス | 水島裕 | 宮川一朗太 |
| トニー・ミザーブ軍曹 | ショーン・ペン | 納谷六朗 | 江原正士 |
| トーマス・E・クラーク伍長 | ドン・ハーヴェイ | 大塚芳忠 | |
| ハーバート・ハッチャー上等兵 | ジョン・C・ライリー | 玄田哲章 | 中田和宏 |
| アントニオ・ディアズ上等兵 | ジョン・レグイザモ | 鈴置洋孝 | 田原アルノ |
| オアン / アジア人女子大生 | テュイ・テュー・リー | 深見梨加 | 水谷優子 |
| ブラウン伍長 | エリック・キング | 秋元羊介 | 江川央生 |
| ローワン | ジャック・グワルトニー | 辻親八 | 大滝進矢 |
| ライリー中尉 | ヴィング・レイムス | 西村知道 | 内海賢二 |
| ホーソーン軍曹 | ダン・マーティン | 小関一 | 立木文彦 |
| ヒル大尉 | デイル・ダイ | 小島敏彦 | |
| カーク牧師 | サム・ロバーズ | 大滝進矢 | |
| マッキンタイア | ウェンデル・ピアース | 星野充昭 | |
| クレイマー中尉 | ホルト・マッキャラニー | 中庸助 | 小杉十郎太 |
| ストライビッグ | マリス・ヴァライニス | 鳥海勝美 | |
| 新兵の二等兵 | ダーレン・E・バロウズ | 鈴木勝美 | |
| オアンの母 | バー・テュアン・T・リー | 水原リン | |
| オアンの妹 | キャディ・トラン | 本間ゆかり | |
| MP | ジョン・マーシャル・ジョーンズ | 大山高男 | |
| 役不明又はその他 | 沢木郁也 松尾貴司 | ||
| 翻訳 | 市橋正浩 | 松崎広幸 | |
| 演出 | 藤山房伸 | 岡本知 | |
| 効果 | VOX | ||
| 制作 | ACクリエイト | グロービジョン | |
| 初回放送 | 1996年8月17日 『ゴールデン洋画劇場』 | ||
スタッフ
- 監督: ブライアン・デ・パルマ
- 製作: アート・リンソン
- 撮影: スティーヴン・H・ブラム
- 編集: ビル・パンコー
- 音楽: エンニオ・モリコーネ
- 原作:ダニエル・ラング
- 脚本: デヴィッド・リーブ
作品解説
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは47件のレビューで支持率は83%、平均点は7.40/10となった[2]。Metacriticでは24件のレビューを基に加重平均値が75/100となった[3]。