カマストガリザメ

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カマストガリザメ
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svg
Status iucn3.1 VU.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: メジロザメ目 Carcharhiniformes
: メジロザメ科 Carcharhinidae
: メジロザメ属 Carcharhinus
: カマストガリザメ C. limbatus
学名
Carcharhinus limbatus (Müller & Henle, 1839)
シノニム
  • Carcharias abbreviatus Klunzinger, 1871
  • Carcharias aethalorus Jordan & Gilbert, 1882
  • Carcharias ehrenbergi Klunzinger, 1871
  • Carcharias maculipinna Günther, 1868
  • Carcharias microps Lowe, 1841
  • Carcharias muelleri Steindachner, 1867
  • Carcharias phorcys Jordan & Evermann, 1903
  • Carcharias pleurotaenia Bleeker, 1852
  • Carcharhinus natator Meek & Hildebrand, 1923
英名
Blacktip shark
blackfin shark
blacktip whaler
grey shark
spotfin ground shark[2]
分布

カマストガリザメ Carcharhinus limbatusメジロザメ属に属するサメの一種。世界中の熱帯沿岸の海・汽水に生息。2つの系統の存在が分かっており、西大西洋の個体群はその他から区別される。頑丈な流線型の体、尖った吻、鰓裂が長く、背鰭間に隆起はない。多くの個体で鰭の先端は黒い。全長1.5m。

素早い魚食性捕食者で、水上に跳び出すこともある。性格は臆病。年齢・性別ごとに群れを作る。胎生で一年おきに1-10匹の仔を産む。幼体は特定の成育場で育ち、成体になってもそこに戻る。無性生殖した例がある。

普通は危険ではないが、餌があると人を攻撃することがある。商業漁業上の重要種である。IUCN危急としている。

フランスの動物学者アシル・ヴァランシエンヌによって、1839年のヨハネス・ペーター・ミュラーヤーコプ・ヘンレによるSystematische Beschreibung der PlagiostomenCarcharias (Prionodon) limbatusとして記載された。タイプ標本マルティニーク沖から得られた2個体だったが、どちらも失われた。その後この種はCarcharhinus属に移された[3][4]種小名limbatusラテン語で「縁取られた」を意味し、鰭にある黒い縁取りに因んだものである[5]

系統

形態と行動の類似から、Carcharhinus amblyrhynchoidesハナザメに近縁だと考えられていた。mtDNAリボソームDNAを用いた分子系統解析では、ハナグロザメと近縁だとされた[6]。その後に行われたmtDNAによる包括的な系統解析では、Carcharhinus tilstoniC. amblyrhynchoides と近縁だという結果が得られている[7]

また、ミトコンドリアDNAの解析結果からは、この種には2つの系統、西大西洋の系統と東大西洋・インド洋・太平洋の系統が存在することが分かった。これは、東大西洋の系統がインド太平洋に分布を広げる一方、西大西洋の系統は大西洋の拡大・パナマ地峡の形成によって孤立した結果だと見られている。この2つの系統は形態・体色・生活史が異なっており、独立種とすべきかもしれない[8]。化石化した歯がデラウェア州フロリダ州の前期中新世(23-16Ma)の地層から産出する[9][10]

形態

鰭先端の黒い模様が特徴。

体は頑丈で流線型、吻は長く尖り、眼は比較的小さい。5対の鰓裂は他種に比べ長い[3]。歯列は左右15ずつ、上顎に2、下顎に1の正中歯列がある。歯の基部は広く、高く細い尖頭と鋸歯を持つ[4]。第一背鰭は高く鎌形で後縁は短い。背鰭間に隆起はない。大きな胸鰭は鎌形で尖る[3]

背面は茶-灰色で腹面は白。体側に明瞭な白線が走る。胸鰭・第二背鰭・尾鰭下葉の先端は黒い。腹鰭、稀に臀鰭の先端も黒いことがある。第一背鰭と尾鰭上葉は黒く縁取られる[3]。大型個体ではこのような模様を欠くことがある[5]円石藻による水の華が発生したときには、一時的に体色が抜けることがある[11]。普通は1.5m程だが最大で2.8m・123kgに達する[2]

分布

透明度が低い水中のカマストガリザメ。オアフ島にて。

世界中の熱帯・亜熱帯海域に生息する。大西洋ではマサチューセッツ州からブラジルメキシコ湾カリブ海を含む)・地中海マデイラ諸島カナリア諸島からコンゴ民主共和国。インド洋では南アフリカマダガスカルからアラビア半島インド亜大陸東南アジア。西太平洋では中国南部からフィリピンインドネシアオーストラリア北部。東太平洋ではバハカリフォルニアからペルー。太平洋島嶼では、ニューカレドニアタヒチマルキーズ諸島ハワイレビジャヒヘド諸島ガラパゴス諸島から報告されている[3]

主に大陸棚の深度30m以浅に生息するが、深度64mまでで見られる[2]。濁った湾・ラグーン・珊瑚礁のドロップオフなどを好む他、低塩分濃度にも耐え、河口マングローブでも見られる。多少沖合で見つかることもあるが、外洋には生息しない[3]。米国東海岸の個体では季節回遊が記録されており、夏はノースカロライナ州、冬はフロリダ州まで移動する[12]

生態

人との関連

出典

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