グリーンの定理
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公式
2重積分と線積分との関係を表す数学公式である。これを3次元に拡張したものがストークスの定理であり、また一般化されたストークスの定理の特殊な場合(2次元空間内の1次微分形式と2次微分形式の関係式)とも考えられる。
閉曲線 C で囲まれた領域 D を考える場合、C1 級関数 P(x, y), Q(x, y) について、以下が成り立つ。
すなわち、P(x, y), Q(x, y)のC上の線積分が、その外微分の領域D上の重積分に一致する。
定理の成立条件
- 領域と境界の条件
領域D としては、境界が区分的に滑らかな単一閉曲線Cとする単連結領域のほかに、多重連結領域を考えることができる。多重連結領域の場合には、その境界が区分的に滑らかな閉曲線C1、C2、…、Cn で与えられるとし、C2、…、Cn がC1 の内部に含まれるとしたときに、C2、…、Cn の向き付けは、正の方向に進んだときに、領域D の内部が左側に位置するようにとるものとする。すなわち、外部の境界C1 の向き付けが反時計回りであるのに対し、内部の境界 C2、…、Cn の向き付けは時計回りとする。
- 関数の連続微分可能性
定理の成立条件として、P、Q がそれぞれy、x について1回連続微分可能(C1級)が仮定されることが多いが、実際は∂Q/∂x、∂P/∂yが存在し、その差のみが連続であれば十分であることが、1900年、エドゥアール・グルサによって示され[3]、その後、サロモン・ボホナーによっても、1930年代に同様な指摘がなされている[4]。
一般化されたストークスの定理との対応
グリーンの定理は、以下のように一般化されたストークスの定理において、R2の有界閉領域D 上で1次の微分形式ωを考えた場合に相当する。
実際、1形式
に対して、その外微分は
であり、グリーンの定理に対応している。
応用
面積の求積
グリーンの公式の応用の一つとして、平面内の領域Dに対し、その周囲における線積分による面積の求積がある[2]。プラニメータにも応用されている。閉曲線Cで囲まれる領域Dに対し、その面積は
で与えられる。P(x, y)=-y/2、Q(x, y)=x/2とすると、
であるから、グリーンの定理より、面積Aは線積分
で求まる。
P(x, y)=-y、Q(x, y)=0、もしくはP(x, y)=0、Q(x, y)=xの組からも同様の結果を得ることができ、面積Aを求める線積分の公式として、
も成り立つ。
コーシーの積分定理
複素数z=x +iy の正則関数
にグリーンの定理を適用すれば、「正則関数の閉曲線上の積分がゼロになる」というコーシーの積分定理を導くことができる。 実際、
に対して、グリーンの定理より、
であるが、被積分関数はコーシー・リーマンの関係式より、0に等しく、
を得る。