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珪藻土

珪藻の殻の化石よりなる堆積物 From Wikipedia, the free encyclopedia

珪藻土(けいそうど、diatomite、diatomaceous earth)は、藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積岩。珪藻の遺骸の堆積物を起源としており生物岩の一種である[1]ダイアトマイトともいう。珪藻の殻は二酸化ケイ素(SiO2)でできており、珪藻土[2]もこれを主成分とする。

スロバキア産の珪藻土

珪藻は湖沼などの水域を浮遊する藻類だが、水からシリカ(二酸化ケイ素)を吸収して細胞膜を作る性質がある[3]。この細胞膜の化石が堆積して形成された岩石が珪藻土である[3]。珪藻土は白亜紀新第三紀第四紀の堆積物中に産する[4]

珪藻土の利用

珪藻土の光学顕微鏡写真。珪藻の殻片が散在している。
焼成した珪藻土

性質と利用

珪藻土を形成する個々の化石の大きさは10µmから100µmで、全体として表面には微細な孔が無数に存在する構造となっている[3]。この広い比表面積をもつ性質を利用して濾過助剤や充填剤、吸収材、研磨剤、断熱材、防音材などに利用される[3][4]

珪藻土には湖成、汽水成、海成のものがあるが、一般的には海成のものが孔隙率が高く吸着能が高い[4]

珪藻土は水分や油分を大量に保持することができる。このため乾燥土壌を改良する土壌改良材や、流出した油を捕集する目的で使用される。アルフレッド・ノーベルニトログリセリンを珪藻土に吸収させることで安定性を高めたダイナマイトを発明したが、ノーベルはその後はるかに爆発力の強いブラスチングゼラチンスタイルのダイナマイト(ゼリグナイト)を開発したため、珪藻土を使ったダイナマイトは科学史のトピック的存在にとどまった。触媒クロマトグラフィーの固定相の担体としても使用される。

その他、耐火性と断熱性に優れているため建材保温材として、電気を通さないので絶縁体として、また適度な硬さから研磨剤としても使用されている。建材としては、昔からその高い保温性と程よい吸湿性を生かして壁土に使われていた。近年、自然素材への関心が高まるとともに、壁土への利用用途が見直され脚光をあびている。漆喰に類似した外観に仕上げることができ、プロでなくとも施工しやすいため、DIY向けの建材としても販売されている。珪藻土そのものには接着能力はないので、壁土としては石灰やアクリル系接着剤を混ぜて使用される。しかし珪藻土を数パーセントしか含まない粗悪品が流通しているので注意が必要である。また珪藻土には発癌性があるとして海外では使用が禁止された国もあるが、発癌性があるのは焼結してセラミック状になった珪藻土で、焼結していない製品には問題がないという意見もある[5]

各種の利用法

  • 七輪の原料として使用。粉砕・混練して焼成、あるいは粉砕しない珪藻土層を切削整形、焼成して製作する。
  • 輪島塗では、漆を木地に吸着させ丈夫にするため、輪島市内で採集された珪藻土を蒸し焼きにし(輪島地の粉という)、漆に混ぜて用いている[6]
  • 太平洋戦争中には、ベントナイトと共にビスケット及び乾パンキャラメル等、菓子食品類の増量剤として使われたことがあった。
  • アイヌ民族は珪藻土を「チ・エ・トイ」(我ら・食べる・土)と呼び、少量を汁物のとろみ付けに使ったり、山菜を和えたりして食べた。「トイ(toy)」はアイヌ語で「土」の意味だが、珪藻土を指す場合もあり、地名で「豊」などの漢字を当てられている場合が多い。江戸時代飢饉の際に珪藻土が食べられることを知り、飢餓のあまりに大量に食べてしまった人々のなかには、便秘に悩まされたり、便秘のため死亡者も出た[7]
  • セライト(Celite)は炭酸ナトリウムとともに焼成した珪藻土であり、Celite Corporation(World Minerals Inc.の子会社)の登録商標である。
  • 生ビールの製法の一種として珪藻土を使用し、酵母菌を取り除く方法がある[8][9]
  • 吸湿性や吸水性を生かして、成形されたものが乾燥剤として利用されている。製品例としては調味料の吸湿剤、風呂マット建築物内装の調湿建材が挙げられる。
  • 少量のを入れて食品と一緒に加熱することで、スチームオーブンレンジでないオーブントースターでも水蒸気による保湿効果を機能させる、トーストスチーマーの原料として用いられる(陶器を用いることの方が多い)。

日本国内の主な産地

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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