サウロルニトレステス

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サウロルニトレステス
サウロルニトレステス・ラングストニ
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
約8,300万- 約7,000万年前
中生代白亜紀晩期カンパニアン
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
下目 : テタヌラ下目 Tetanurae
階級なし : デイノニコサウルス類 Deinonychosauria
: ドロマエオサウルス科
Dromaeosauridae
階級なし : 真ドロマエオサウルス類
Eudromaeosauria
: サウロルニトレステス属
Saurornitholestes
模式種
Saurornitholestes langstoni
シノニム
下位分類群
  • S. langstoni Sues, 1978
  • S. sullivani Jasinski, 2015

サウロルニトレステス Saurornitholestes ("トカゲ鳥泥棒"の意)は、北アメリカ大陸、アルバータ州ニューメキシコ州モンタナ州白亜紀後期の地層から発見されているドロマエオサウルス類に属する恐竜の1つである。2種が知られており、1978年にサウロルニトレステス・ラングストニ Saurornitholestes langstoni 、2015年にサウロルニトレステス・スリヴァニ Saurornitholestes sullivani が記載された。サウロルニトレステスは小型で敏捷な肉食動物で、足には鎌のような鉤爪が備わっていた。

標本番号:UALVP 55700と呼ばれる個体は、極めて保存状態が良好で、尾椎の半ば以降を除き、ほぼ全身が関節した状態で発掘された[1]。この標本の末節骨には生前に覆いかぶさっていたケラチン(生爪)や胃内容物らしきものまで保存されている。来日した際、恐竜博2016にてクリーニング作業が公開されたが、2025年まで頭部の研究だけが発表されており、今後の続報が待たれている[2]

S.ラングストニとヒトとのサイズ比較

他のドロマエオサウルス類のようにサウロルニトレステスは、長く湾曲した刃物のような鉤爪を後肢第2指に備えていた。サウロルニトレステスは脚が長く、ヴェロキラプトルドロマエオサウルスのような他のドロマエオサウルス類よりも軽いつくりをしていた。顎の前方に並ぶ牙状の歯はヴェロキラプトルのものよりも相対的に大きい。サウロルニトレステスはヴェロキラプトルに最も近縁とされるが、ドロマエオサウルス類内での精密な位置づけはわかっていない。

サウロルニトレステスは全長約1.8m[3] で体重が推定10kg[4] と見積もられている。腰の高さは0.6mと全長の半分以下である(尾が長いため)。

サウロルニトレステス・スリヴァニ Saurornitholestes sullivani は、頭骨に保存された大きな嗅球(脳の一部)の痕跡から、優れた嗅覚の持ち主だったと思われている[5]

発見と命名

ラングストニの足

1974年、カナダのアマチュア古生物学者、アイリーン・ヴァンダローはアルバータ州スティーブビル近郊で小さな獣脚類の頭を見つけた。彼女はアルバータ州立博物館のジョン・ストーラーにそれを報告し、ストーラーはハンスダイエッター・スーズへ送った。1978年、スーズは模式種サウロルニトレステス・ラングストニ Saurornitholestes langstoni を記載した。属名はサウロルニトイデス科(現在ではトロオドン科の下位分類群)に属すると考えられた為、サウロルニトイデス Saurornithoides (トカゲ鳥)に古代ギリシャ語で「泥棒」を意味する lestes を組み合わせたものになっている。種小名ワン・ラングストン・ジュニアへの献名である。

ホロタイプ標本 RTMP 74.10.5 はダイナソーパーク累層から見つかった。カンパニアンの時代である。それは非常に華奢な骨格で成る。それには歯、頭骨要素、2つの脊椎骨、肋骨、尾椎要素、前肢末端が含まれる。また3つのパラタイプも知られている。CMN 12343、CMN 12354、そして UA 5283。これらは全て前頭骨である[6]

今日、2つのより完全で大きい頭頂骨(RTMP 88.121.39 と MOR 660、12点の骨要素と歯で構成)がアルバータ州の州立恐竜公園のバッドランドから知られるようになっている。それらのほとんどがドラムヘラーロイヤル・ティレル古生物学博物館に収蔵されている。アルバータとモンタナの化石はどちらも単一の種、つまり Saurornitholestes langstoni の属性に当てはまると考えられている。しかしそれぞれ所属している地層の地質年代に大きな隔たりがある。具体的にはアルバータのオールドマン累層が約7700万年前[7] で、モンタナのツーメディスン累層上部は約7200万年前なので、500万年も時代的な差がある。似たような歯はアラスカ州の、より新しい(6900万~7000万年前)プリンスクリーク累層からも見つかっている[8]。しかし現在のところ、それらが S. langstoni であるのかそうでないのかは不明である。新生児サイズのサウロルニトレステスの化石も報告されている[9]

サウロルニトレステス・スリヴァニ Saurornitholestes sullivaniニューメキシコカートランド累層のハンターウォッシュ生物相から知られている。SMP VP-1270という前頭骨に基づいた記載である。本種はその前頭骨に模式種との違いがある[10]

誤同定種

2006年、ロバート・サリヴァンは第2の種としてサウロルニトレステス・ロブストゥス Saurornitholestes robustus をホロタイプ SMP VP-1955 に基づいて記載した。これは左前頭骨である。大きく太いその骨に因んで種小名が与えられ(robustus は「太い」を意味する)、それこそが S. langstoni との唯一の差異であるとされた。そのホロタイプはカートランド累層のウィローウォッシュ生物相から見つかっている[11] が、後の研究でサウロルニトレステス・ロブストゥスはドロマエオサウルス類と見なすだけの特徴に欠くとされ、詳細不明の獣脚類と改められた[12]。そして2014年の論文で、トロオドン族との類似性から属不明のトロオドン科に所属替えとなった[13]

分類

S. langstoniの復元された頭骨

1978年、スーズはサウロルニトレステスをドロマエオサウルス亜科として記載した。後の研究では、ヴェロキラプトル亜科のメンバーとするものが最もよく見られるが、2009年のフィリップ・J・カリーによる分岐分析ではより基盤的なドロマエオサウルス科のクレードに再分類され、そのクレードはサウロルニトレステス亜科と名付けられた。

以下のクラドグラムはロバート・デパーマら獣脚類研究グループによる2015年の分析に基づく[14]

ドロマエオサウルス科

ウネンラギア亜科

ミクロラプトル亜科

バンビラプトル

ティアニュラプトル

アダサウルス

ツァーガン

真ドロマエオサウルス類

サウロルニトレステス

ヴェロキラプトル

ドロマエオサウルス亜科

デイノニクス

アトロキラプトル

アキロバトル

ユタラプトル

ダコタラプトル

ドロマエオサウルス

分布

サウロルニトレステスは、後期白亜紀の北アメリカ西部(ララミディア大陸)北部地域において、内陸部と沿岸部の両方に広く分布していた。これは本種の化石がカナダの州立恐竜公園ツーメディスン累層)とアメリカ合衆国モンタナ州(ジュディスリバー累層)で発掘されたことで判明した[15]。確実に本種とは断言できないが、属種不明なサウロルニトレステス亜科の化石が北極圏のアラスカ(プリンス・クリーク層)から発掘されてもいる[16][17]

古生態学

脚注

参考文献

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