シリ級潜水艦
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シリ級潜水艦(シリきゅうせんすいかん、英語: Shyri-class submarines)は、エクアドル海軍の通常動力型潜水艦の艦級[1]。西ドイツで開発された209型潜水艦シリーズに属し、設計としては209/1300型と称される[1][2][3]。
来歴
エクアドル海軍は1974年3月に西ドイツのホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船(HDW)に対して本級2隻を発注し[4]、1977年および1978年にそれぞれ1隻ずつが就役した[2][1]。
1番艦は1983年、2番艦は1984年に、西ドイツにおいて大規模な改修工事を実施した[2][1]。その後、エクアドルのアスティナベ社によって1993-94年に同種の改修が再度実施されたが、この際に何らかの不具合が生じたとも言われている[2][1]。2006-07年には両艦とも電池が交換された[1][3]。
2008年1月10日、チリ・タルカワノのASMAR社との間で大規模近代化改装の契約が締結され[1][3]、フランスDCNSが戦闘システムの更新と技術支援を担当した[1]。この改装完了後は2030年まで就役を延長する計画とされた[2][1]。
設計
209型は、西ドイツのインジェニエーアコント・リューベック(IKL)社が設計、ホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船(HDW)が建造を担当するという分担であった[5]。IKL社が自国の連邦海軍向けに設計した206型潜水艦を拡大したような設計であり[6]、単殻構造の1軸推進艦で、2基のバラストタンクと艦首・尾のトリムタンクを備えている[5]。なお本級は、ベネズエラ海軍のサバロ級潜水艦やインドネシア海軍のカクラ級潜水艦とほぼ同型である[2]。
推進方式はディーゼル・エレクトリック方式を採用している[2][3]。MTU 12V 493 AZ80 GA31L型ディーゼルエンジン(2,400 hp)4を原動機として、シーメンス製交流発電機(1.7MW)4基を駆動して発電し、シーメンス製電動機1基によって1軸の推進器を駆動する方式である[1][3]。蓄電池としては、209型ではガラス繊維(GRP)式鉛蓄電池を搭載するのが通例であり[5]、本級では120セル・11,500アンペア時の電池4基が搭載されている[3]。
装備
209型のソナーとしては、艦首にパッシブ用の円筒形アレイ、セイル前端にアクティブ用アレイを搭載するのが通例である[5]。本級の搭載システムはクルップ・アトラス・エレクトロニーク社製CSU-3と称され、パッシブ式のA526、アクティブ式のAN407A9、パッシブ測距用のDUUX-2といったアレイを包括した[3]。また武器管制システムとしては、同世代の同系列艦で標準的なシグナールMk.8/24魚雷発射指揮装置が搭載された[4]。
その後、2000年代の近代化改修の際に、ソナーはタレス社製のS CUBE統合システムに換装された[1]。これは艦首のパッシブ用の円筒形アレイ、艦側面の平面アレイ、Velox M8逆探アレイで構成されている[1]。武器管制システムもSUBTICS(Submarine Tactical Information and Command System)に換装された[1][3]。
主兵装として艦首に533mm魚雷発射管8門を備え、魚雷14本を搭載する[1][2][3]。搭載魚雷としては、当初はAEG SUTが用いられていたが[4]、近代化改装後にはA184 Mod 3、あるいはその後継であるブラックシャークにも対応した[1]。
同型艦
一覧表
| 艦番号 | 艦名 | 建造所 | 起工 | 進水 | 就役 |
|---|---|---|---|---|---|
| S-101(旧S-11) | シリ BAE Shyri | HDW(キール) | 1974年8月5日 | 1976年10月6日 | 1977年11月5日 |
| S-102(旧S-12) | フアンカビルカ BAE Huancavilca | 1975年1月2日 | 1977年3月15日 | 1978年3月16日 |
運用史
「シリ」は1983年に西ドイツで最初の大規模改修を受けた後[1][2]、エクアドルのアスティナベ社によって1994年に2度目の改修を実施した[1]。2003年には大規模な火災事故を起こし、乗員1名が死亡した[2]。ASMARとの契約に基づく近代化改装工事は2009年5月9日に開始されたが[1][3]、2010年2月のチリ地震の影響により工事が遅延し[1][2]、2012年10月19日に改装を完了して艦隊に復帰した[1][3]。
「フアンカビルカ」は1984年に西ドイツで最初の大規模改修を受けた後[1][2]、エクアドルのアスティナベ社によって1996年に2度目の改修を実施した[1]。ASMARとの契約に基づく近代化改装工事は2014年9月に2年間の工事を完了し、就役に復帰した[1][2]。