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ジャガーネコ

食肉目ネコ科の一種 From Wikipedia, the free encyclopedia

ジャガーネコ(Leopardus tigrinus)は、哺乳綱食肉目ネコ科オセロット属に分類される食肉類。別名タイガーキャット[9]、オンキラ[10]。

概要 ジャガーネコ, 分類 ...
ジャガーネコ
保全状況評価[1][2]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 哺乳綱 Mammalia
目 : 食肉目 Carnivora
科 : ネコ科 Felidae
属 : オセロット属 Leopardus
種 : ジャガーネコ L. tigrinus
学名
Leopardus tigrinus
(Schreber, 1775)[4]
シノニム
Felis tigrina Schreber, 1775[5]
和名
ジャガーネコ[6]
英名
Oncilla[7]
Tiger cat[5]
Little tiger cat[8]
Little spotted cat[8]
Ocelot cat[8]
広義のジャガーネコの分布図。黄色の分布域は別種ミナミジャガーネコ。また、コスタリカ、コロンビア、エクアドル、ベネズエラ西部の個体群も別種 Leopardus pardinoides 。
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ジャガーネコの毛皮。その美しい毛並みから、ジャガーネコはしばしば毛皮のために狩猟の対象となる。

遺伝子的研究などにより、Leopardus guttulus、Leopardus emiliae、Leopardus pardinoides などを分割することが提唱されている[11]。また、従来の広義の「ジャガーネコ」は、別種ジョフロワネコとコドコドを内群に含む側系統群である[12][13]。

同属のオセロットやマーゲイと身体の模様などが類似するが、華奢でより小型である。毛皮が美しいため乱獲され、現在絶滅の危機に瀕している。

イエネコとの間に繁殖能力のない雑種をつくることができる。この雑種は毛色がジョフロワネコやコドコドとよく似ている[14]。

分布

ジャガーネコ種群は、主にコスタリカからアルゼンチン北部までに分布すると考えられているが[15]、それぞれの生息地間に隔たりがあり、正確な分布は分かっていない[16]。雲霧林に生息する傾向が強い。また、マーゲイやオセロットに比べて標高の高い所にも生息し[15]、コロンビアの標高4500メートルの高地や、エクアドルのアンデス山脈高地や、ブラジルの高地にある亜熱帯林で見られる[15]。その他、低木地やカンポ・セラードでもその生息が確認されている[17]。

2026年の再分類によると、ジャガーネコ種群の分布は以下の通り[11]。

Eastern tiger cat L. emiliae
ブラジル北部・北東部・中部(カーチンガ、セラード)
Southern tiger cat L. guttulus
大西洋岸森林(ブラジル南部・南東部、アルゼンチン、パラグアイ)
Clouded tiger cat L. pardinoides
基亜種 L. pardinoides pardinoides はアンデス山脈(ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー?)。亜種 L. pardinoides oncilla は中央アメリカ・タラマンカ山脈(コスタリカ、パナマ)[18]。
L. tigrinus
基亜種 L. tigrinus tigrinus(Guiana tiger cat)はギアナ楯状地(ベネズエラ南部、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ?、ブラジル北部)。亜種 L. tigrinus antisuyo(Antisuyo tiger cat)はペルー・ユンガス。
Tilcayo L. tilcayo
ボリビア・ユンガス。

形態

体長(頭胴長)34–56センチメートル、尾長22–33センチメートル、体重1.5–3キログラム[5]。メスはオスより小柄[14]。イエネコより若干大きいが体重は軽い[19] 。鼻鏡はピンク色で、虹彩は薄茶色または金色である[5]。体背面の被毛の地色は明るい黄褐色で、背面や側面に斑紋(バラ斑)が縦方向に並ぶ。腹は色が淡く、暗色の斑点がある[20]。尾には10–11本の縞が並び、先端は黒い。耳は丸く、耳の後ろは黒く眼状紋(虎耳状斑)がある[14]。首の両脇を二対の黒い線が縞状に走る。毛色には個体差があり、ベネズエラ北部ではしばしば黒変種が見られる[5]。

外見はオセロットやマーゲイによく似ている[20]が、より小柄で体格が細く、鼻口部が狭い[17]。またマーゲイより尾が小さめで体の花状斑が小さく、毛がやや荒いが、小さなマーゲイはジャガーネコとほぼ同じ大きさであるため両者はよく混同される[14]。

生態

ジャガーネコはおもに陸上で生活するが純粋な森林生活者であり、マーゲイほどではないが木登りがとても上手く[21][14]、短い距離なら木の側面を頭を下にして駆け降りることもできる。小型の哺乳類、トカゲ類、鳥類、大型昆虫などを食料とする[14]。場所によってはアマガエルも食べる。普通は夜行性だが、ブラジルのカーチンガ(Caatinga)では昼行性のトカゲを捕食するため、日中に活動する傾向がある[17]。

狩りでは獲物となる動物に遠くから忍び寄り、攻撃が届く範囲内に入ると一気に飛びかかって殺す[21][22]。若いジャガーネコは自分と獲物との距離が近くなるとゴロゴロと喉を鳴らすところが観察されている。一方成熟したジャガーネコはさっさと狩りを終わらせる[17]。

野生での繁殖習性はよく分かっていないが、決まった繁殖期は無いと考えられている。飼育下では74–76日の妊娠期間の後、1–2頭の子を出産する[14]。

分類

2005年の分類では、ジャガーネコ種群は1種ジャガーネコ L. tigrinus のみとされ、以下の4亜種に分けられていた[7]。

Leopardus tigrinus tigrinus (Schreber, 1775)
ブラジル北東部、フランス領ギアナからベネズエラ東部にかけて[4]。模式産地はカイエンヌ(フランス領ギアナ)[4]。
体長38–65センチメートル、尾長21–34.5センチメートル、体重1.85–3.46キログラム[18]。毛色は黄色から黄褐色[18]。バラ斑は縁取りが開いた小さな模様か、黒班で形成される[18]。乳頭は2対[18]。開けた乾燥地に生息する[9]。パンタナルネコとの交雑例が報告されている[18]。
Leopardus tigrinus guttulus (Hensel, 1872)
アルゼンチン北部、ブラジル南部・南東部[4]。おそらくはパラグアイにも分布[4]。模式産地はリオグランデ・ド・スル州(ブラジル)[4]。
体長46–59.1センチメートル、尾長21.2–31センチメートル、体重1.7–3.47キログラム[18]。体形は比較的大型で、尾は比較的短い[18]。毛色は赤みを帯びた黄色から黄褐色[18]。バラ斑は比較的大きい[9]。乳頭は2対[18]。低地森林に生息する[18]。ジョフロイネコとの交雑例が報告されている[18]。
Leopardus tigrinus oncilla (Thomas, 1903)
コスタリカ[4]。パナマにも分布する可能性がある[4]。模式産地はイラス山(コスタリカ)[4]。
体長50.5センチメートル[23]、尾長24.5–29センチメートル[23][24]。乳頭は1対[18]。標高1000メートル以上の雲霧林か屈曲した森林(矮林)に生息し、3626メートルでの生息例もある[9]。L. t. pardinoidesに近縁と考えられている[18]。
Leopardus tigrinus pardinoides (Gray, 1867)
エクアドル、コロンビア、ベネズエラ西部[4]。模式産地はボゴタ(コロンビア)[4]。
体長42.2–54センチメートル、尾長24.5–34センチメートル、体重1.8–3.4キログラム[18]。毛色は赤みを帯びた黄色から灰黄色[18]。バラ斑は縁取りが強く、不定形ないし雲形で、しばしば合体する[18]。乳頭は1対[18]。アンデス地方の標高1500メートル以上、通常2000–3000メートルの雲霧林に生息し[18]、4800メートル(コロンビア)での生息例もある[9]。

2013年に遺伝子的研究によりブラジルの南北個体群間で遺伝子流動が見られないことが示され、南部・南東部の亜種をミナミジャガーネコL. guttulusとして分割する説が提唱され[25]、2017年のIUCN/SSC Cat Specialist Groupによる分類体系でも受け入れられている[4]。他亜種についても独自性を示唆する研究は既にあったが、Cat Specialist Groupは証拠不足として保留している。また、同年には形態的研究によりブラジル北東部・中部の個体群をヒガシジャガーネコL. emiliaeとして独立させる説が提唱された[26]。

2021年の系統解析では中央アメリカの個体群が、2023年の系統解析ではさらにアンデス山脈の個体群もあわせて、ブラジル北東部の個体群、ミナミジャガーネコ、さらには独立種であるジョフロワネコ、コドコドを含む系統群より外側に位置し、すなわち従来の本種は他の2種を内包する側系統群であると結論づけられた[12][13]。2024年の研究では中央アメリカとアンデス山脈の個体群を独立種 L. pardinoides(clouded tiger-cat。L. p. pardinoides と L. p. oncilla の2亜種を含む)とする説が提唱された[18]。また、形態的・生態的類似から、ブラジル北東部のヒガシジャガーネコ L. emiliae はギアナ楯状地のジャガーネコ L. tigrinus と同種とされたものの、後者の遺伝データは不十分であった[18]。

2026年には、ジャガーネコ種群と同定されたペルー雲霧林の個体群が、ミトコンドリアDNAでは他のジャガーネコから離れ、オセロットとマーゲイからなる系統の姉妹群となる結果が得られた[27]。

2026年の研究では、ボリビアの雲霧林に分布する新種 L. tilcayo が発見・記載された[11]。また、狭義の L. tigrinus の遺伝子データがはじめて得られ、解析の結果 L. emiliae とは離れており、むしろ L. pardinoides や L. tilcayo と同じ系統に含まれることが確認された[11]。前述のペルー個体群については、核遺伝子では狭義の L. tigrinus に近縁な系統として回収され、新亜種 L. t. antisuyo として記載された[11]。

系統

以下の系統樹は Lescroart et al. (2026) より[11]。

L. tilcayo

L. tigrinus

L. pardinoides

L. guttulus

L. emiliae

コドコド L. guigna

ジョフロワネコ L. geoffroyi

ジャガーネコ種群
(側系統群)

参考文献

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