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ネコ科

ネコ目に属する科のひとつ From Wikipedia, the free encyclopedia

形態

耳介は大型で漏斗状をしており、集音効果に優れている[5]。眼は大型で、立体視ができ色覚もある[5]。瞳孔は調節する筋肉が作用し、明るさの変化への順応が早い[5]。網膜の感覚細胞の後部に反射層(輝板、タペタム)があり、これにより光が感覚細胞を透過せず反射することで2回刺激され、暗所でも適応できる。暗所でネコの眼にわずかでも光が当たると光るのは、この輝板の反射による[5]。

歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上顎6本・下顎4本、大臼歯が上下2本と、計30本の種が多い(オオヤマネコ類・マヌルネコなどは上顎の小臼歯が4本のため計28本)[5]。犬歯は大型で(ウンピョウで顕著)、獲物に噛みつき仕留めるのに適している[5][6]。食物を咀嚼する大臼歯が退化している代わりに、舌に鑢状の突起があり、食物を固定し引き裂いた後、舌で肉を削ぎ落とすことができる[5]。ヒョウ属では舌骨の基部を動かすことができ、これによって吠えることができる[5][6]。

多くの種で爪をさやに引っ込めることができ、速く走る、木に登る、獲物を捕らえる際など、必要な時にだけ爪を出す[6]。

分類

ネコ科は食肉目のネコ型亜目に属す。従来ニムラブス科もネコ科に含まれていたが、現在は独立した科とされている[7]。最古のネコ科は鮮新世前期~中新世前期のプロアイルルスであるが、現生のネコ科や剣歯虎は中新世前期のスーダエルルス(Pseudaelurus)の子孫である[7]。「サーベルタイガー」(剣歯虎)は名前に虎とつくものの、トラなどとは系統的に離れたマカイロドゥス亜科に属す。

系統

Piras et al. (2013) による絶滅分類群を含む分岐図[8]

ネコ科
 

†Proailurus プロアイルルス  

 
"Pseudaelurus"[7]
 
 

†Pseudaelurus quadridentatus

 
 

†Machairodontinae マカイロドゥス亜科(剣歯虎類)

 
 
 

†Hyperailurictis+†Nimravides

 
 
 

†Styriofelis

 
 
 

Felinae ネコ亜科

 
 

Pantherinae ヒョウ亜科

 
 
 
(Grade)
Felidae

以下、Johnson et al. (2006)による現生種の分岐図[9]

ネコ科
Panthera lineage
ヒョウ亜科
ヒョウ属
 
 
 

ヒョウ (P. pardus)

 
 

ライオン (P. leo)

 
 
 

ジャガー (P. onca)

 
 
 
 

ユキヒョウ (P. uncia)

 
 

トラ (P. tigris)

 
 
Panthera
ウンピョウ属
 

ウンピョウ (N. nebulosa)

 
 

スンダウンピョウ (N. diardi)

 
Neofelis
Pantherinae
ネコ亜科
Bay cat lineage
 
アジアゴールデンキャット属
 

ボルネオヤマネコ (C. badia)

 
 

アジアゴールデンキャット (C. temminckii)

 
Catopuma
マーブルキャット属

マーブルキャット (P. marmorata)

Pardofelis
 
 
Caracal lineage
 
カラカル属
 

カラカル (C. caracal)

 
 

アフリカゴールデンキャット (C. aurata)

 
Caracal
サーバル属

サーバル (L. serval)

Leptailurus
 
 
Ocelot lineage
オセロット属
 
 
 
 

ジョフロワネコ (L. geoffroyi)

 
 

コドコド (L. guigna)

 
 
 

ジャガーネコ (L. tigrina)

 
 
 
 

アンデスネコ (L. jacobita)

 
 

コロコロ (L. colocola)

 
 
 
 
 

オセロット (L. pardalis)

 
 

マーゲイ (L. wiedii)

 
 
Leopardus
 
Lynx lineage
オオヤマネコ属
 
 
 

ユーラシアオオヤマネコ (L. lynx)

 
 

スペインオオヤマネコ (L. pardinus)

 
 
 

カナダオオヤマネコ (L. canadensis)

 
 
 

ボブキャット (L. rufus)

 
Lynx
 
Puma lineage
 
 
ピューマ属

ピューマ (P. concolor)

Puma
ジャガランディ属

ジャガランディ (H. yagouaroundi)

Herpailurus
 
チーター属

チーター (A. jubatus)

Acinonyx
 
 
Leopard cat lineage
 
ベンガルヤマネコ属
 
 
 

ベンガルヤマネコ (P. bengalensis)

 
 

スナドリネコ (P. viverrinus)

 
 
 

マライヤマネコ (P. planiceps)

 
 
 

サビイロネコ (P. rubiginosus)

 
Prionailurus
マヌルネコ属

マヌルネコ (O. manul)

Otocolobus
 
ネコ属
 

ジャングルキャット (F. chaus)

 
 
 

クロアシネコ (F. nigripes)

 
 
 

スナネコ (F. margarita)

 
ヤマネコ
 
 

ハイイロネコ (F. bieti)

 
 

リビアネコ (F. lybica)

 
 
 
 

ヨーロッパヤマネコ (F. silvestris)

 
 

イエネコ (F. catus)

 
 
 
 
 
Felis

Domestic cat lineage

 
 
 
 
 
Felinae
Felidae

現生種の分類

 
 
 
 

スンダウンピョウNeofelis diardi

 
 

ウンピョウN. nebulosa

 
 
 
 
 

トラPanthera tigris

 
 

ユキヒョウPan. uncia

 
 
 
 

ジャガーPan. onca

 
 
 

ライオンPan. leo

 
 

ヒョウPan. pardus

 
 
 
 
 
 
 
 

サーバルProfelis serval

 
 
 

アフリカゴールデンキャットPro. aurata

 
 

カラカルPro. caracal

 
 
 
 
 
 
 

アンデスネコLeopardus jacobita

 
 
 

オセロットL. pardalis

 
 

マーゲイL. wiedii

 
 
 
 
 
 

パンパスネコL. colocola

 
 
 
 

ジャガーネコL. tigrina(中央アメリカ)

 
 

ジャガーネコL. tigrina(南アメリカ)

 
 
 
 

ジョフロワネコL. geoffroyi

 
 

コドコドL. guigna

 
 
 
 
 
 
 
 
 

ボブキャットLynx rufus

 
 
 

カナダオオヤマネコL. canadensis

 
 
 

オオヤマネコL. lynx

 
 

スペインオオヤマネコL. pardinus

 
 
 
 
 
 
 

マーブルキャットPardofelis marmorata

 
 
 

ボルネオヤマネコPar. badia

 
 

アジアゴールデンキャットPar. temminckii

 
 
 
 
 
 

チーターAcinonyx jubatus

 
 
 

ピューマPuma concolor

 
 

ジャガランディPu. yagouaroundi

 
 
 
 
 
 

マヌルネコOtocolobus manul

 
 
 

サビイロネコPrionailurus rubiginosus

 
 
 

マライヤマネコPri. planiceps

 
 
 

スナドリネコPri. viverrinus

 
 
 

ベンガルヤマネコPri. bengalensis(スンダ列島)

 
 

ベンガルヤマネコPri. bengalensis(インドシナ)

 
 
 
 
 
 
 
 

ジャングルキャットFelis chaus

 
 
 

クロアシネコF. nigripes

 
 
 

スナネコF. margarita

 
 
 
 

ハイイロネコF. bieti

 
 

リビアネコF. lybica

 
 
 
 

ヨーロッパヤマネコF. silvestris

 
 

イエネコF. catus

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Li et al. (2016) より、核DNAを解析した現生種の系統図より(学名は出典に従う)[10]。

2006年に発表された分子系統推定から、以下の系統(順番はこの解析での分岐順)に分かれるという解析結果が得られている[3]。2016年に発表された分子系統解析でもこれらの系統は支持されたが、分岐順は異なる(Panthera lineageに次いでBay cat lineageではなくCaracal lineageが分岐したとされ、Bay cat lineageはLynx lineageに次いで分岐した系統という解析結果が得られている)[10]。

  1. Panthera lineage - ウンピョウ属、ヒョウ属
  2. Bay cat lineage - アジアゴールデンキャット属、マーブルキャット属
  3. Caracal lineage - アフリカゴールデンキャット + カラカル、サーバル属
  4. Ocelot lineage - オセロット属
  5. Lynx lineage - オオヤマネコ属
  6. Puma lineage - チーター属、ジャガランディ + ピューマ
  7. Leopard cat lineage - マヌルネコ、ベンガルヤマネコ属
  8. Domestic cat lineage - ネコ属

以下の現生種の分類・英名は、IUCN SSC Cat Specialist Group (2017) に従う[3]。和名は付記のないかぎり、川田ら (2018, 2021) に従う[4][11]。

分類史

リンネの『自然の体系』でネコ属 (Felis) とされたものが7種(ライオン・トラ・ヒョウ・ジャガー・オセロット・イエネコ・オオヤマネコ)あり、これは現在の現生ネコ科の範囲におおよそ対応している。19世紀にジョン・エドワード・グレイやニコライ・セヴェルツォフらによって属が多数分割されたあと、1917年にレジナルド・インズ・ポコックがネコ亜科・ヒョウ亜科・チーター亜科の3亜科に分類したものが現在に続く現生ネコ科の下位分類の基本となっている[15]。亜科に関しては、分子系統解析などからチーター亜科の独立性が否定されているほか、化石種の分類体系との均衡から現生種を全てネコ亜科に含めヒョウ亜科を認めない場合もある[16]。属については20世紀中葉にジョージ・ゲイロード・シンプソンの影響で現生種が3属のみにまとめられたこともある[17]

分布

オーストラリア大陸・南極大陸・マダガスカルを除く[5]全ての大陸とほとんどの島。

生態

約4分の3以上の種が森林に生息する[5]。夜行性で森や茂みの中で生活する種が多い。主に単独で生活するが[5]、ライオンやチーターは血縁関係のある個体で群れを形成することもある[6]。

主に脊椎動物を食べるが、魚類、昆虫、果実を食べることもある[6]。肉のみを食料とする種も多く、ほとんどの地域で食物連鎖の頂点にいる。

主に2 - 3匹の幼獣を産む[6]。出産間隔は小型種では年に1 - 2回、大型種は2 - 3年に1回[6]。

人間との関係

毛皮目的の狩猟、家畜や人間を襲う害獣としての駆除などにより生息数が減少している種もいる[6]。

出典

関連項目

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