スグリーヴァ
From Wikipedia, the free encyclopedia
出生
ヴァーリンとスグリーヴァの共通の母であるリクシャラージャは、ブラフマーがヨーガの修行をしていた時に産まれた存在。彼は元来男性であったが、ある時メール山にて不思議な湖に入ったところ、美しい人間の女性に変身してしまう。近くをたまたま通りかかったインドラとスーリヤはその美女に魅了され、彼女との間に子供を設けた。それがヴァーリンとスグリーヴァである[1]。この際、スーリヤはハヌマーンをスグリーヴァに仕えさせた
一夜明けて男に戻ったリクシャラージャは、ブラフマーの勧めで息子達とキシュキンダーの都に向かい、国を建国し、ヴァナラを統治した。
勘違い
猿王ヴァーリンがアスラのマーヤーヴィンと対立し、マーヤーヴィンを倒すべく住処である洞窟にのりこんだとき、スグリーヴァはヴァーリンの命令で洞窟の入口を見張っていた。しかし1年経ってもヴァーリンは戻ってこなかった。そのうち洞窟内からマーヤーヴィンの絶叫が聞こえてきて、さらに何者かの血が流れてきた。スグリーヴァは確認せずにヴァーリンが殺されたと勘違いし、洞窟を塞いでキシュキンダーに戻った。しかし実際は、マーヤーヴィンの絶叫はヴァーリンに倒されて死の間際に発したものであり、血もマーヤーヴィンのものであった。ヴァーリンは入口まで戻ってきたが、塞がっていて出ることができなかった。
追放
スグリーヴァはヴァーリンのことを秘密にしておいたが、王が死んだらしいことが知られてしまい、重臣たちによって新しい王とされた。しかし帰還したヴァーリンはスグリーヴァが王座にいるのを見て激怒した。スグリーヴァはへりくだった態度で挨拶し、弁解したが、ヴァーリンはその言葉を信じず、裏切りと考えて追放した。さらにヴァーリンはスグリーヴァの妃ルーマーを奪い、弟に追手を放った。
スグリーヴァはヴァーリンの追手から逃れるため、世界を放浪した後、ハヌマーンの勧めに従ってリシュヤムーカ山に逃げ込んだ。しかしこの放浪によってスグリーヴァは世界の地理に精通することができた。
邂逅
ある日、スグリーヴァが山頂にいると、羅刹王ラーヴァナがシーターをさらって逃げるのを目撃し、シーターが投げ落とした装身具と絹の布を拾った。その後、スグリーヴァは森を歩くラーマとラクシュマナの姿を発見し、ヴァーリンの追手と考え、ハヌマーンを遣わせて何者であるか確かめた。ラーマはシーターを捜しており、スグリーヴァの援助を求めてやってきたことを告げた。こうして両者は出会って友情を結び、ラーマはヴァーリンを倒すことを約束し、またスグリーヴァは約束が果たされたならばシーターを取り戻すために尽力することを約束した。また以前拾ったシーターの持ち物をラーマに渡した[2]。
彼らはキシュキンダーに向かい、ラーマは近くに潜み、スグリーヴァはヴァーリンに戦いを挑んだ。スグリーヴァはヴァーリンに敗北したが、ラーマの放った矢はヴァーリンを射殺した。こうしてスグリーヴァは妃と王国を取り戻した。またヴァーリンの遺児アンガダを後継者に指名した[3](ただし、スグリーヴァは愛欲におぼれて約束の履行を怠ったため、ラーマとラクシュマナの怒りをかってしまった)。
戦争
スグリーヴァはラーマとの約束を守るため、各地の猿を召集し、シーターの捜索隊を世界中に派遣した。そしてハヌマーンの働きによってシーターがランカー島に囚われていることが判ると、ラーマとともに猿の軍勢を率いてランカーに向かった。
ラーヴァナとの間に戦争が起こると、スグリーヴァは初日にラーヴァナと戦って勝利した[4]。その後ラーヴァナ、クンバカルナと戦い、気絶させられたが、油断したクンバカルナに大打撃を与えた。またプラサガ、クンバカルナの子クンバを倒した。もっとも、猿王であるスグリーヴァはラーマに諌められて、初日以外で先陣を切って戦うようなことはなかった。
戦後、スグリーヴァはキシュキンダーに一度帰った後、他の猿将を従えてラーマの戴冠式に列した。そして再びキシュキンダーに帰還した。
最期
ラーマがこの世を去った時、スグリーヴァもまたこの世を去り、父スーリヤと共に旅立った。彼は約定通り、甥のアンガダをキシュキンダの次の王に即位させた。
関連項目
| 登場人物 |
| |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 地名 | ||||||||||||
| 挿話 | ||||||||||||
| 派生文学 |
| |||||||||||
| 関連項目 | ||||||||||||
- ↑ Hari Prasad Shastri (2013/1/1). “Book 7 - Uttara-kanda Chapter 37”. The Ramayana of Valmiki. Isha Books. ISBN 978-9333119597. https://www.wisdomlib.org/hinduism/book/the-ramayana-of-valmiki/d/doc424804.html
- ↑ 中村 了昭「第六章 スグリーヴァはシーターが落とした装飾品をラーマに見せる」『新訳ラーマーヤナ 4』平凡社、2012年12月12日。ISBN 978-4582808292。
- ↑ 中村 了昭「第二六章 スグリーヴァの王位継承とアンガダの立太子」『新訳ラーマーヤナ 4』平凡社、2012年12月12日。ISBN 978-4582808292。
- ↑ 中村 了昭「第四十章 スグリーヴァとラーヴァナの闘争」『新訳 ラーマーヤナ 6』平凡社、2013年6月24日。ISBN 978-4582808360。


