スレイプニル
北欧神話に登場する馬
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スレイプニル[1](スレイプニール[2]、スレイプニィールとも記す。古ノルド語:Sleipnir)は、北欧神話に登場する神獣であり、オーディンが騎乗する8本脚の軍馬である。



呼称
特徴
『古エッダ』の『グリームニルの言葉』第44節では「馬のうち最高のもの」と賞賛されている[4]。
牝馬に化けたロキとスヴァジルファリの子供[5][6]で、オーディンに献上された後は彼の愛馬になる。灰色の体と8本の脚を持つ最も優れた馬であり[6]、軍馬である。一説によれば、灰色の体はスレイプニルがこの世のものではないことを暗示している。そのためか、スレイプニルは地上と死者の国を行き来することができた。『詩のエッダ』の「バルドルの夢」や『スノッリのエッダ』には、スレイプニルが神々を背に乗せて、死者の国を訪れる様子が描かれている。非常に速く走ることができ、『デンマーク人の事績』によれば空を飛ぶことができたという。
スレイプニルを産み出したのは、前述のとおり悪神ロキであった。『スノッリのエッダ』の「ギュルヴィの惑わし」には次のような話が伝えられている。神々がアースガルズに住み始めたころ、鍛冶屋に化けた巨人がやってきて、アースガルズの周囲に城壁を造ることを申し出た。彼はその報酬として、フレイヤと太陽と月を貰うという条件を提示する。神々が考えあぐねていると、ロキが「半年の間に、他のものの手を借りずに」という条件を勧め、契約が成立した。しかし、巨人は自分の愛馬スヴァジルファリを使うことを神々に認めさせていた。この馬が曲者で、巨人の倍も働いた。神々は城壁が期限内に完成してしまうのではないかと焦り始め、ロキに責任を取るように強要した。怯えたロキは、牝馬に化けてスヴァジルファリを誘惑することにし、この策が見事に成功した。巨人は逆上して神々に襲い掛かるが、雷神トールによって返り討ちにされた。その後しばらくして、ロキはスヴァジルファリとの間に出来た仔馬を生んだ。この仔馬が、後にスレイプニルと呼ばれる仔馬だった[7]。
近代以降の大衆文化の絵画的表現においては必ずしも8本脚で描かれるわけではなく、通常の馬と同じく4本脚であったりもする。例えば、デンマークの挿絵画家ローランス・フレーリクが描くスレイプニルはときとして見た目はただの馬である。
ラグナロクが起きた際には、オーディンが跨る形で戦場を駆け抜けていたが、最期はグレイプニルの枷から解放された巨狼フェンリルによって、オーディンと共に飲み込まれ死んだとされる。