タテブエモ属

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タテブエモ属(タテブエモぞく、学名: Penium)は、接合藻チリモ目に分類される緑藻の一である。学名の Penium は、おそらくラテン語penna(ペン、羽)に由来し、「タテブエモ」の名は細胞の形が縦笛に似ていることに由来する[3][2]単細胞性であり、細胞は円筒形、中央はときにわずかにくびれる(図1)。各半細胞に中軸性の葉緑体が1–2個ある(図1)。湖沼湿原などに分布する。40種ほどが知られる。本属のみでタテブエモ科(ペニウム科)を構成するが、非単系統群であることが示されている。

概要 タテブエモ属, 分類 ...
タテブエモ属
1. Penium polymorphum
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 植物界 Plantae (アーケプラスチダ Archaeplastida)
亜界 : 緑色植物亜界 Viridiplantae
階級なし : ストレプト植物 Streptophyta
: ホシミドロ綱 (接合藻綱) Zygnematophyceae
: チリモ目 Desmidiales
: タテブエモ科 Peniaceae
: タテブエモ属 Penium
学名
Penium Brébisson ex Ralfs, 1848[1]
タイプ種
Penium margaritaceum Brébisson ex Ralfs, 1848[1]
和名
タテブエモ属[2][3][4]、ペニウム属[2][4][5][6]
約40種
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特徴

単細胞性、円筒形で長さ 19–450 µm(長さは幅の2–35倍)、横断面は円形、ときに中央が浅くくびれ、両端は丸いか切り落とし状[1][2][5][6][7][8](図1)。細胞壁は平滑または条線や細点、顆粒、刺などで装飾されており、ときに帯状に取り巻く部分(girdle band)が分かれている[1][2][5][6][7][8]。細胞壁に鉄が沈着して黄褐色を帯びていることがある[5][6]。細胞壁は2層からなり、小孔が外層と内層で連続している[1]葉緑体は半細胞あたり1個または2個、中軸性で頂面観は星状、1個から数個のピレノイドを含む[1][2][5][6][7][8]。細胞中央にがある[1]。ときに、細胞両端に小結晶を含む液胞が存在する[1][8]

二分裂によって無性生殖を行う[1][5][7]細胞質分裂後、分裂面が伸長することで娘細胞が完成する[1]接合による有性生殖を行い、相対した配偶子嚢が裂開して配偶子を放出、配偶子嚢間でこれが融合して接合胞子を形成する[1][5][7]。成熟した接合胞子は球形から扁平な四辺形、胞子壁はふつう平滑[5][6][7]

生態

世界中に分布し、多くの種は貧栄養酸性湖沼湿原に生育する[1][2][8]

分類

タテブエモ属は、ホシミドロ綱(接合藻)のチリモ目、タテブエモ科(ペニウム科)に分類される[1]。ただし、分子系統学的解析からは、タテブエモ属(およびタテブエモ科)が非単系統群であることが示されており、分類学的整理が必要とされている[7]。小型で平滑な細胞壁をもつ種の多くは、アクチノタエニウム属に移されている[7]

2025年現在、タテブエモ属には約40種が知られ、また多くの種内分類群(変種品種)が記載されている[1]の分類形質としては、細胞の形態、大きさ、細胞壁の特徴などが用いられている[2]。日本からは Penium cylindrusPenium exiguumPenium margaritaceumPenium polymorphumPenium spirostriolatumPenium substriatum など10種ほどが報告されている[2][6]

脚注

外部リンク

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