ダントロレン
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ダントロレン(Dantrolene)とは筋弛緩薬の一つである。リアノジン受容体を遮断[1]して横行小管から筋小胞体への興奮の伝達過程を遮断することにより筋小胞体からのCa2+の遊離を抑制し、筋弛緩を引き起こす[2]。商品名ダントリウム。
| 臨床データ | |
|---|---|
| 投与経路 | 経口, 静脈注射 |
| ATCコード |
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| 法的地位 |
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| 薬物動態データ | |
| 生体利用率 | 70% |
| 代謝 | 肝臓 |
| 排泄 | 腎臓 |
| 識別子 | |
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| CAS登録番号 | |
| PubChem CID | |
| DrugBank | |
| ChemSpider | |
| CompTox Dashboard (EPA) | |
| ECHA InfoCard | 100.027.895 |
| 化学的および物理的データ | |
| 化学式 | C14H10N4O5 |
| 分子量 | 314.253 g/mol g·mol−1 |
| 3D model (JSmol) | |
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全身麻酔で稀に引き起こされる悪性高熱症の治療の第一選択薬である。悪性症候群、筋痙縮(脳梗塞後、対麻痺、脳性麻痺、多発性硬化症)、2,4-ジニトロフェノール毒性の治療にも用いられる[3]。
日本ではオーファンパシフィック社が製造販売している。経口薬と注射剤があるが、2023年11月現在、経口剤「ダントリウムカプセル25mg」の薬価が1カプセル18.9円[4]なのに対し、注射薬「ダントリウム静注用20mg」の薬価は一瓶9039円[5]と高価であり、常備している病院が少ないという問題を抱えている。
悪性高熱症に備えて病院には720mg(体重70kgの患者を想定)のダントロレンを備蓄すべきだとする意見がある[6]。2023年現在だと、上記の20mgが36瓶分、薬価は合計で325,404円となる。
適応症
禁忌
副作用
経口薬、注射薬に共通の重大な副作用に呼吸不全(0.1〜5%未満)、ショック(0.1〜5%未満)、アナフィラキシー(0.1〜5%未満)、イレウス(0.1〜5%未満)があるほか、経口薬の重大な副作用として黄疸(0.1%未満)、肝障害、PIE症候群、胸膜炎がある[7][8]。
中枢神経系の副作用が特に多く、構音障害、視覚障害、抑うつ、混乱、幻覚、頭痛、不眠、痙攣の増悪・頻発、緊張増加が挙げられる。より頻度の低い副作用には、呼吸抑制、呼吸苦がある。自動車の運転や機械の操作に差し障る程の鎮静を起こす。
消化器系の副作用として、異味、食欲不振、嘔気、嘔吐、腹部痙攣、下痢が起こる。
肝臓に関しては、非症候性の肝酵素および/またはビリルビン上昇、そしてより重篤な致死性/非致死性肝炎が挙げられる。肝炎の危険性は、ダントロレン投与期間と投与量に依存的である。悪性高熱症に短期間使用した場合の肝毒性は観察されていない。
心膜炎を伴う胸水(経口薬のみ)や、稀に骨髄抑制、広範囲の筋痛、背部痛、皮膚の異常、一過性の心血管異常、結晶尿が見られることがある。治療後数日間、筋力低下が生じる。
発癌性・変異原性
作用機序
化学的特徴
薬物相互作用
開発の経緯
ダントロレンが最初に学術文献に登場したのは1967年で、いくつかのヒダントイン誘導体が新規筋弛緩薬として提案されたものの一つであった[12]。その後広く研究される様になり、骨格筋への作用の詳細が報告されたのが1973年であった[13]。
ダントロレンは1975年に悪性高熱症への有効性が明らかとされる[14]以前から痙縮の治療に多く使用されていた[15]。遺伝的に悪性高熱症を発症し易いブタを用いてハロタンで実験的に発症させた場合、ダントロレンを点滴静脈注射した際の救命率は87.5%(7/8)であった。後にヒトを対象とした大規模多施設臨床試験が実施され、1982年に結果が公表されて有効性が確かめられた[16]。有効性は1993年には疫学的にも確認された[17]。ダントロレンを使い始める前は、悪性高熱症に有効な薬剤はプロカインのみであり、その有効性は動物実験では6割に過ぎなかった[14]。

