リアノジン受容体
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| RyR domain | |||||||||
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| 識別子 | |||||||||
| 略号 | RyR | ||||||||
| Pfam | PF02026 | ||||||||
| InterPro | IPR003032 | ||||||||
| TCDB | 1.A.3 | ||||||||
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リアノジン受容体は、筋細胞や神経細胞といった興奮性の動物組織中で、細胞間カルシウムチャネルの働きを担っている。3つの主要アイソフォームが知られており、それぞれ異なる組織中で、細胞内小器官からのカルシウム放出を伴うそれぞれ異なるシグナル伝達経路に関与している。RyR2受容体アイソフォームは動物細胞中のカルシウム誘発性カルシウム放出(CICR)において、主な調節機構として機能する。
アイソフォーム
リアノジン受容体には以下のアイソフォームが存在する。
- RyR1は、基本的に骨格筋に発現する。
- RyR2は、基本的に心筋に発現する。
- RyR3は、より広範囲に発現するが、特に多いのは脳である[2]。
- 哺乳動物を除く脊椎動物は一般に、RyRαとRyRβと呼ばれる2種類のRyRアイソフォームを発現する。
- モデル動物であるキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster )や線虫(Caenorhabditis elegans )等の多くの無脊椎動物は単一のRyRアイソフォームを持つ。非後生動物種からはRyRに対する配列相同性を有するカルシウム放出チャネルが見出されたが、それは哺乳類のものよりも短く、IP3受容体に近い配列であった。
生理学

リアノジン受容体(RyR)は、筋収縮にとって不可欠なステップである、筋小胞体・小胞体からのカルシウムイオンの放出を調節する。心筋では、筋小胞体からのカルシウム誘発性カルシウム放出が主な機構であるが、骨格筋ではジヒドロピリジン受容体(電位差駆動型L型カルシウムチャネル)と物理的に結合することで活性化を引き起こすと考えられている[3]。
多くのリアノジン受容体が集合してクラスターを形成し、そのクラスターからカルシウムが放出されると、細胞質基質カルシウムが限定された空間に限定された時間だけ上昇し、カルシウムスパークとして観測される[4]。リアノジン受容体はミトコンドリアの極近くにあり、RyRからのカルシウム放出は心細胞や膵細胞でのATP産生を制御している様に見られる[5][6][7]。
リアノジン受容体は、イノシトールトリスリン酸 (IP3) 受容体に類似しており、その細胞質基質 側のCa2+に刺激されて、Ca2+を細胞質基質中に輸送する。そのためポジティブフィードバック機構として働き、受容体付近の細胞質基質中にある少量のCa2+が、より多くのCa2+放出を引き起こす(カルシウム誘発性カルシウム放出、CICR)[2]。
リアノジン受容体は、神経細胞および筋線維で特に重要である。心筋細胞および膵島細胞では、カルシウムイオンと並ぶもう一つのセカンドメッセンジャーであるサイクリックADPリボース(cyclic ADP-ribose)が受容体を活性化する。
細胞質基質中のCa2+の局所的で短時間の活動は、波のように空間を伝わるのでカルシウム波 とも呼ばれ、以下の要素により波が形作られる。
- リアノジン受容体のフィードバック機構。
- イノシトールトリスリン酸の振動の影響。ホルモンや神経伝達物質が細胞膜にあるイノシトールトリスリン酸(IP3)受容体に結合すると,G蛋白質共役受容体やRTKを介してホスホリパーゼCが活性化してイノシトールトリスリン酸が産生され、再びIP3受容体が活性化されるという機構。[8]
関連蛋白質
薬理
- 遮断薬:[10]
- 活性化因子:[11]
- 作動薬:4-クロロ-m-クレゾールやスラミンは直接作動薬、すなわち直接活性化薬である。
- カフェインやペンチフィリン等のキサンチン誘導体は、通常のリガンドであるカルシウムへの感受性を上昇させる。
同種の他の分子もリアノジン受容体と相互作用し制御に関与している。例として、二量化Homer蛋白質による物理的架橋により、細胞内カルシウム貯蔵庫上のイノシトールトリスリン酸受容体(IP3R)やリアノジン受容体と、細胞表面の代謝型グルタミン酸受容体1やα1Dアドレナリン受容体とが結合される[13]。
殺虫剤のフルベンジアミドは昆虫のリアノジン受容体を選択的に活性化することが知られている[14]。
リアノジン
植物アルカロイドであるリアノジンは、この受容体の命名の元となったものであり、非常に貴重な研究ツールとなった。リアノジンは過渡的なカルシウム放出を阻止できるが、低用量では持続的累積性のカルシウム放出を阻止しない。リアノジンとリアノジン受容体(RyR)との結合は使用依存性 であり、それはチャネルが活性化された状態で固定されることを意味する。低濃度(<10µM、nMレベルでも作用する)では、リアノジンはRyRを長時間半透過性(半開き)状態にロックしてその内貯蔵していたカルシウムを使い果たす。 しかし高濃度(〜100µM)では、不可逆的にチャネル開口を阻止する。
カフェイン
RyRはmMレベルのカフェインで活性化される。高濃度(5mM以上)カフェインの存在下では、Ca2+への感受性がµMレベルからpMレベルへと亢進し、基底(低濃度)状態のCa2+濃度でも反応する様になる。 一方低濃度(とは言えmMレベル)では、受容体は量子的に開口するが、カフェインを繰り返し投与する事や細胞質基質または管腔のカルシウム濃度に依存的に振る舞いが変わるので動作は複雑である。
