ダークネット

インターネット上のオーバーレイネットワークで、特定のソフトウェアや認可がなければアクセスできないもの From Wikipedia, the free encyclopedia

ダークネット: darknet)はインターネットの中でも通常はアクセスしないネットワークの領域という意味を持つ専門用語である。具体的には下記の2つの定義が存在する。

1つ目の定義として、特定のソフトウェア、構成、承認でのみアクセス可能な非標準の通信プロトコルポートを用いるオーバーレイ・ネットワークという定義がある[1]。この定義のダークネットには二種類あり、一つはフレンド・トゥ・フレンド(: friend-to-friend)ネットワーク(通常Peer to Peer接続でのファイル共有に使用される)[2]で、もう一つはTorなどのプライバシーネットワークである[3]サイバー犯罪非合法活動と結び付けて用いられることが頻繁にあるが、合法の場合もあるため注意が必要である[4]

2つ目の定義として、インターネット上のグローバルアドレスのうち、特定のコンピューターや通信機器に割り当てられていない、未使用のIPアドレス群(IPアドレス群はネットワークである)という定義がある[11]

用語

2015年時点で「ダークネット」はTorダークネットの「Onion Service」量が原因でしばしばダークウェブと交互に用いられている。本用語はサーチ・インデックス化できなかったプラットフォームとしてのTorの歴史が原因でダークウェブを深層Web検索エンジンが収集しないサイトの総称)と混同して使われることがあるがダークウェブは深層Webの一部分でしかないためこれらの用語の両方を混在させて使用することは正確ではない[12][13][14]

起源

「ダークネット」はセキュリティ目的のためにARPANETインターネットの前身)から隔離されたネットワークを指す言葉として1970年代に造語された[15]。ダークネットのアドレスはAPRANETからデータを受信できたが、ネットワークリストには表示されず、Pingやその他の照会に応答することはなかった。

本用語はピーター・ビドル、ポール・イングランド、マーカス・ペイナド、ブライアン・ウィルマンのマイクロソフトの4人の社員による2002年の論文「The Darknet and the Future of Content Distribution(ダークネットとコンテンツ配信の未来)」の発表後に一般に受け入れられるようになっており、4人はダークネットの存在が有効なデジタル著作権管理 (DRM) 技術開発の主な障害となっており、著作権侵害を不可避のものとしていると主張した[16]

サブカルチャー

ジャーナリストのJ. D. ラシカは2005年の自著『Darknet:Hollywood's War Against the Digital Generation(ダークネット:ハリウッドのデジタル世代との戦争)』において、ダークネットの範囲はファイル共有ネットワークを網羅していると述べた[17]。その結果、2014年にジャーナリストのジェイミー・バートレットは自著『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』においてカムガール、クリプトアナーキスト(暗号自由主義者)、ダークネットマーケットでの薬物売買、自傷行為のコミュニティ、ソーシャルメディアのレイシスト、トランスヒューマニストなどのアンダーグラウンドおよび新興のサブカルチャーを記述するためにダークネットを用いた[18]

使用

ダークネットは一般的に様々な理由で使用される。以下はその例である。

独裁国とネット検閲
民主主義指数による国別の独裁傾向。赤味が強ければ強いほど独裁。国家の治安などからくる自由度は考慮せず、モロッコから最下位北朝鮮まで52か国の独裁色が強い、エリア別では中東・北アフリカが下位ランク
国境なき記者団によるネット検閲のレーティング
  青:検閲なし
  黄:多少検閲あり
  赤:国境なき記者団の監視対象(厳しい検閲を実施)
  黒:大変厳しい検閲を実施

悪用(違法サイト)の例としては、下記の通り。

ソフトウェア

全てのダークネットはアクセスするために特定のソフトウェアのインストールまたはネットワーク構成が必要となる。例えばTorではVidalia (通称 Torブラウザバンドル)のカスタマイズブラウザあるいは同じ機能を実行するproxy設定を通してアクセスできる。

アクティブ

Tor使用法を示す統計図
  • 分散ネットワーク42(研究目的であり匿名用ではない)
  • Freenetはデフォルトで人気のダークネット (friend-to-friend)。バージョン0.7以降は「オープンネット」として実行できる(peerノードは自動的に検出される)。
  • GNUnetはF2Fネットワーク・トポロジーオプションが有効な場合にダークネットとして利用が可能である[21] [22]
  • I2P(不可視インターネットプロジェクト)はダークネットとしての特徴を持つ別のオーバーレイ・ネットワークであり、そのサイトはEepsitesと呼ばれる。
  • OneSwarmはfriend-to-friendのファイル共有用のダークネットとして実行できる。
  • RetroShareは分散ハッシュテーブル (DHT) と検出機能が無効な場合にデフォルトで匿名ファイルの転送を実行するためのダークネット (F2F) として実行できる。
  • Riffleは堅牢な匿名性(少なくとも一つのサーバが妥協しないままでいる限り)、効率的な計算および最小の帯域幅の負荷を同時に提供するクライアント・サーバのダークネットシステム[23][24]
  • Syndie
  • Tor(The onion routerの略語)はダークネットの特色もなす (hidden services) 匿名ネットワーク。Torはダークネットの最も一般的な例である[25]
  • Triblerはファイル共有用のダークネットとして実行できる。
  • ZeroNetTorpeer-to-peerユーザーのインターネットに似たネットワークの構築を目的にしたオープンソースソフトウェア

サポート停止

消滅

  • AllPeers
  • anoNet
  • Turtle F2F

脚注

関連項目

外部リンク

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