ディオトレフェス
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異端との接点
『ヨハネの手紙一』『ヨハネの手紙二』では、仮現論的な立場が反キリストとして厳しく批判されているのに対し、ディオトレフェスは直接的には異端として攻撃されておらず、教理上の対立はほとんど見出せない[4][5]。
中には『ヨハネの手紙三』の宛先であるガイオがペルガモンの司教になったとする古代の伝承を元に、(ペルガモンの教会は『ヨハネの黙示録』に登場する7つの教会の一つで、同文書では実態不明の「ニコライ派」という異端の存在が指摘されていることから)ディオトレフェスをニコライ派の人物とする説もあるが、客観的な根拠はない[6]。
再構成
レイモンド・エドワード・ブラウンは、ディオトレフェスの側からこの問題を再構成している。『ヨハネの手紙三』の主要なテーマは巡回伝道者のもてなしである。当時はまだ、地域の教会ごとの単独司教制は確立しておらず、福音を説く伝道者たちが地域を巡回していた。しかし、巡回伝道者の中には異端を説く者もいたと考えられ、教会内に争いを持ち込まれないようにするためには、巡回伝道者を一律で受け入れないとするのは一つの方策であったと考えられるのである[7]。このブラウン説は小林稔も紹介している[8]。