トンチミ

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トンチミ朝鮮語: 동치미)は、朝鮮半島 の伝統的な漬物であるキムチの一種である。

朝鮮大根英語版白菜生姜トウガラシを薄い塩水で漬け込む。朝鮮語でトン(동)は「」、チミ(치미)は古語で漬物を意味する。その名の通り、トンチミは主に冬に発酵、消費される[1]

トンチミの発酵期間は短く、2,3日ほどである。一年中作られるが、晩秋のキムジャンの時候に作られる場合が多い。朝鮮半島北部の北朝鮮の旧咸鏡道平安道がトンチミの名産地である[2]

爽やかな味わいのトンチミの漬け汁は、トンチミグクス(동치미국수、トンチミの汁をタレにした麺)や冷麺のスープに用いられる。またトック(餅)や蒸したサツマイモを食べる折、胸やけを抑えるものとして付け合わせにされる[3]

歴史

高麗時代の文人・李奎報の詩文集『東国李相国集』に「菁の塩漬け」が記載されている[4]。1680年ころの『要録』に「凍沈」、1712年の朝鮮燕行使の記録『燕行日記』に「冬菹」の記載があるが。これらはいずれも大根を塩水だけで漬けたものと思われる。だが1760年頃の『増補山林経済』には「蘿葍凍沈菹法」には、大根に加えて塩漬け胡瓜ナスマツタケを素材に、さらに香辛料として生姜、葱、フノリ山椒と、今日のトンチミよりも多彩な材料が用いられている[5]

製法

素材の中心はダイコンである。さらに青唐辛子ニラ、葉トウガラシ、長ネギ、生姜が用いられる場合もある[6]

黄海道両班の夫人である徐有本夫人李氏(1759年 - 1824年)による料理書『閨閤叢書 酒食篇』には「동치미」(トンチミ)の製法として以下のように記されている[7]

  1. 小さな大根を尻尾も取らず丸ごと用いる。塩加減は塩辛くも水っぽくも無い状態にする。一日置いてから塩を抜く。
  2. 未熟な胡瓜ナスは灰に埋めて保存しておき、大根に塩をするときに同時に塩をする。
  3. 傷の無い梨と柚子は皮も剥かず切らず、そのまま入れる。
  4. 葱の白い部分を1寸くらいの長さに切って四つ割りにしたものと、生姜の薄切りと、トウガラシの種を抜いて開き、角切りにしたものをたくさん入れる。
  5. 清潔な水に塩を加え、味加減を合わせて甕に満ちるように注ぐ。厚くしっかり封をして土中に埋め、熟成させる。
  6. 冬になって取り出し、食べる際に梨と柚子は皮を剥いて切る。漬物の汁に質のよい蜂蜜を溶き、柘榴の実と松の実を落として食べると、なんとも言えない味である。

種類

ペチュドンチミ (배추동치미)
ペチュは白菜を指す朝鮮語。大根と白菜、ニラ、赤唐辛子、にんにく、生姜などの材料を詰めて塩漬けする。風味を増すため、発酵前に昆布出汁を加える[8]
テナムドンチミ(대나무동치미)
テナムは竹を指す朝鮮語。の葉を一緒に漬け込むことで、さわやかな風味とパリッとした食感が得られる。ナトリウム含量が高いため発酵に時間がかかるが、その分、長持ちする[9]全羅南道の名物。
クンジュンドンチミ (궁중 동치미)
直訳すれば「宮中トンチミ」。小さな大根、柚子、梨、柘榴を加えた薫り高いトンチミである[10]

その他、地方や家庭によってさまざまな種類がある。

脚注

参考文献

外部リンク

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