トーリン・オーケンシールド
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作品中のトーリン
ホビットの冒険
『ホビットの冒険』において、トーリンとその仲間の12人のドワーフは、魔法使いのガンダルフの薦めに従ってホビット村の袋小路屋敷のビルボ・バギンズ を訪れ、先祖の財宝をスマウグから奪回するためにビルボを「忍びの者」として雇う。トーリンが特に取り戻したいと熱望していた宝は、山の精髄とも呼ばれるアーケン石という宝石であった。
トーリンはトロールとの遭遇のエピソードで、他のドワーフたちと違い状況把握が出来ており無抵抗に捕らえられることはなく、ガンダルフと共にゴブリンと勇猛に戦った。だが、その後闇の森では森のエルフに真っ先に捕らえられてしまい、地下牢に監禁される。ドワーフたちはビルボの策により樽の中に隠れてエルフ王の館から逃れ、樽に入ったまま川を下り湖の町エスガロスに辿り着く。トーリンは町の統領の宴会の場に乗り込み、「わしは、山の下の王、スロールのむすこスラインの、そのむすこトーリンじゃ!いまもどってまいった!」と名乗りをあげた。
エスガロスを襲ったスマウグはバルドの射た弓によって殺されたが、エスガロスの被った被害をスマウグの宝の一部で贖うことを求められたトーリンは、これを拒絶した。トーリンはビルボがスマウグの宝の山からアーケン石をこっそり盗み、エルフ王スランドゥイルとバルドとの交渉の切り札として使ったことに激怒する。トーリンが親族の鉄の足ダインの援軍を得て、ドワーフ対人間とエルフの戦いが勃発した直後、ゴブリンとオオカミの急襲を受け、ドワーフたちは一転、エルフと人間と共に共通の敵であるゴブリンとオオカミと戦い、この五軍の合戦において勝利する。しかし戦いの最中、トーリンは致命傷を負ってしまう。今際にトーリンはビルボと和解する。
ああ、もしわしらがみな、ためこまれた黄金以上に、よい食べものとよろこびの声と楽しい歌をたっとんでおったら、なんとこの世はたのしかったじゃろう。だが、かなしいにせよ楽しいにせよ、もうわしは、ゆかねばならぬ。さらば、じゃ! — トーリンの最期の言葉、『ホビットの冒険』(瀬田貞二訳)
トーリンは、トロルの洞穴の中で、かつてゴンドリンのエルフがオークとの戦いのために作った名剣、オルクリストを手に入れる。闇の森のエルフ王に囚われた時に取り上げられてしまうが、死後彼のもとに返され、墓の上に置かれた(アーケン石はトーリンの胸にのせられ、彼とともに葬られた)。オルクリストの刃は、敵が近づけば闇に輝き、ドワーフの砦は敵の不意打ちに遭うことはなかったという。トーリンの跡はダインが継ぎ、山の下の王として即位した。
指輪物語
『王の帰還』の追補編AのIIIでドゥリンの一族の歴史が概説されており、トーリンの経歴についてもより詳しく述べられている。 トーリンは 第三紀2746年に生まれた。2770年にはドラゴンのスマウグにより、はなれ山(エレボール)の故郷を追われ、流離の身となる。2799年のアザヌルビザールの戦いの時、トーリンはまだドワーフとしては若年の53歳であったが、ドワーフ軍に参加しモリアの東門のもとにあるアザヌルビザール(エルフ語ではナンドゥヒリオン)へと行軍した。戦いの最中、トーリンは割れた盾を投げ捨て、斧でオークの枝を切り落とし、それを盾または棍棒代わりに使った。これがオーケンシールド(オークの盾)という名前の由来である。
終わらざりし物語
『終わらざりし物語』(Unfinished Tales)の下巻に収められている「エレボールへの遠征」[1]では、追補編に収められなかったトーリンに関するエピソードが語られている。ガンダルフがトーリンと出会った経緯、またビルボを採用することをめぐってのガンダルフとトーリンの議論は、ビルボの視点から書かれた『ホビットの冒険』とは全く異なった視座を読者に供するものである。
翻案
1977年の映画において、トーリンの声はハンス・コンリードが担当した。1982年のコンピュータゲームでは、トーリンは人工知能制御された登場人物となっており、プレイヤーがしばらく何もしないでいると黄金について歌い出すことで有名[2]。このゲームはゴールデン・ジョイスティック賞を受賞した[3]。2003年のコンピュータゲーム『ホビットの冒険 ロード オブ ザ リング はじまりの物語』では、トーリンの声はクライヴ・レヴィルが担当。
ピーター・ジャクソン監督の『ロード・オブ・ザ・リング』のスペシャル・エクステンデッド・エディションにおいて、ガンダルフはビルボ にミスリルの胴着を贈ったのはトーリンであったと語っている。
ピーター・ジャクソン監督による映画作品『ホビット』三部作において、トーリン役は英国人俳優リチャード・アーミティッジによって演じられている。