Wikiwand AI

ドーリス方言

From Wikipedia, the free encyclopedia

ドーリス方言[1][2](ドリス方言[3][4]、ドーリア方言[5]とも、英: Doric)は、古代ギリシア語の方言。スパルタ人を中心とするドーリア人に使われた。ギリシア文学における合唱歌(英語版)などにも使われている[1]。

古代ギリシア語の方言(英語版)の分布図
南イタリアとシケリア島(マグナ・グラエキア)

「西ギリシア方言」に属し[1]、「ラコニア方言」や「コリントス方言」の総称にあたる[2]。

使用例

使用地域は広く、スパルタ(ラコニア)やコリントス含むペロポネソス半島の大部分、メガラ、アイギナ島・クレタ島・ロドス島などエーゲ海の島々、小アジア南西沿岸、南イタリアやシケリア島のドーリス系植民市で使われた[6]。ヘレニズム期にコイネーが標準語になると、ドーリス方言は地方語・田舎語の象徴になった[6]。

アルクマン[3]、ステシコロス[3][6]、イビュコス[3][6]、シモニデス[3][7]、バッキュリデス[3][7]、ピンダロス[6][7]らの合唱歌(英語版)にもドーリス方言が使われている。これは、合唱歌がスパルタとその植民市で多く作られたことに由来する[3]。合唱歌のドーリス方言は本来のドーリス方言と異なり、ホメロス言語の詩語などの要素を含む、人工的な詩的言語である[3]。

その他、アルキメデス[8]、テオクリトス[7][4]、エピカルモス[9]、エリンナ[10]、新ピタゴラス派の偽アルキタスや偽ティマイオス[11]、『ディッソイ・ロゴイ』[12]、『ゴルテュン法典』[13]などに使われている。

高津春繁は薩摩方言風に和訳している(アリストパネス『女の平和』に登場するスパルタ人の台詞)[14][15]。

特徴

母音の η が α になる[4](アテーナーはアターナー、セレーネーはセラーナー)などの特徴がある。地域も使用者も広範なため方言内の変異が大きい[16]。

影響

オデュッセウスがラテン語で「ウリクセス」(羅: Ulixes)と呼ばれるのは、南イタリアのドーリス方言形(古希: Οὐλίξης)が由来とされる[17]。

現代ギリシア語のツァコニア方言は、他の方言がイオニア方言の系統にあるなか、唯一ドーリス方言の系統にある[18]。

脚注

関連項目

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks