ヒューマン・ボイス
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| ヒューマン・ボイス | |
|---|---|
| La voz humana | |
| 監督 | ペドロ・アルモドバル |
| 脚本 | ペドロ・アルモドバル |
| 原案 | ジャン・コクトー |
| 製作 | アグスティン・アルモドバル |
| 製作総指揮 | エステル・ガルシア |
| 出演者 | ティルダ・スウィントン |
| 音楽 | アルベルト・イグレシアス |
| 撮影 | ホセ・ルイス・アルカイネ |
| 編集 | テレサ・フォント |
| 製作会社 | エル・デセオ |
| 配給 |
|
| 公開 |
(ヴェネツィア国際映画祭) |
| 上映時間 | 30分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 英語 |
『ヒューマン・ボイス』(西: La voz humana、英: The Human Voice)は、2020年のスペインの短編映画。ジャン・コクトーの戯曲『人間の声』に基づき、ペドロ・アルモドバルが脚本と監督を務めた[1]。
ティルダ・スウィントンのほぼ独演で、アルモドバル初の全編英語による作品である。
倉庫のような場所に置かれた半透明のスクリーンに、赤いドレスをまとった女性のシルエットが映し出される。彼女が姿を現し歩き出すと、そこは撮影所の中であることが分かる。撮影所の中には彼女の暮らしている部屋のセットが建てられている。
彼女は女優で、恋人の帰りを待っている。だが恋人は彼女と別れ、自分の荷物と飼っていた犬だけを残し去ってしまった。直接会って話しもせずに一方的に別れを言い渡された彼女は憤りを抱えながらも、平然とした素振りで金物店に行く。彼女はそこで斧を買い、家に持ち帰る。
帰宅すると、彼女は恋人の置いていった荷物をかき回し、コーヒーカップを落として割ってしまう。恋人の飼っていた犬は、賢く主人に忠実だったため、割れた破片の上に座り込む。彼女は、クローゼットから恋人の着ていた黒いスーツを取り出し、ベッドの上に寝かせる。そして、突然凶暴化し、買ってきた斧を振り上げスーツに何度も打ち付ける。
少し落ち着きを取り戻した彼女は、スマートフォンで恋人に電話をかける。彼女は、耳にワイヤレスイヤホンをして、恋人と話し始める(恋人は一切登場しない)。彼女は3日間待ち続けた思いを、堰を切ったように恋人へ伝え始める。彼女はとめどなく話し続け、怒りや悲しみを露わにする。
ついに何も解決せず話しは終わる。そして、彼女は感情を殺しながら部屋にガソリンをまき放火する。過去が消えていくのを確かめるように、彼女は燃え盛る炎を見つめる。すると、逃げてきた恋人の犬が、彼女のそばにやってくる。彼女は犬に対し「今日から私が主人よ」と伝え、一緒に撮影所から街へ出ていく。
制作
ジャン・コクトーの戯曲『人間の声』の映像化は、アルモドバルが長年温めていた企画で、スペイン語で脚本を執筆し、それを英語に翻訳した[2]。脚本をティルダ・スウィントンに送って主演をオファーし、2020年2月に彼女の出演が発表された[3]。撮影は2020年4月に開始される予定だったが、新型コロナウイルスの世界的流行で延期された。2020年7月16日に撮影を再開し[4]、2020年7月27日制作が完了した[5]。
アルモドバルは本作について「『人間の声』は、たとえ主人公が奈落の底に落とされたとしても、欲望についての道徳的な教訓となる。人生や恋愛で冒険をする人は、必然的にこのリスクにさらされる。彼女のモノローグからは常に痛みが伝わってくるが、残されたのは見捨てられた2つの存在の喪失と絶望だ」と語っている[6]。