フランチェスカ・アルバネーゼ
From Wikipedia, the free encyclopedia
| フランチェスカ・アルバネーゼ | |
|---|---|
2025年7月のボゴタ・サミットに出席したアルバネーゼ。 | |
| パレスチナ被占領地域に関する国際連合特別報告者 | |
| 就任 2022年5月1日[1] | |
| 前任者 | マイケル・リンク |
| 個人情報 | |
| 生誕 | フランチェスカ・パオラ・アルバネーゼ[2][3] 1977年3月30日(48歳) |
| 国籍 | イタリア |
| 配偶者 | Massimiliano Calì |
| 子供 | 2 |
| 出身校 | ピサ大学(LMG) 東洋アフリカ研究学院(LLM) |
| 職業 | 学者 |
フランチェスカ・パオラ・アルバネーゼ(Francesca Paola Albanese、1977年3月30日 - )は、イタリアの法学者であり、人権の専門家[4]。2022年5月より国際連合のパレスチナ被占領地域に関する特別報告者を務めており、当初は3年間の任期で任命されたが[5]、2025年4月にさらに3年間の延長が承認された[6]。女性としてこの役職に就くのはアルバネーゼが初めてのことである。
国連特別報告者として、イスラエルによるパレスチナ占領を批判しており、彼女の最初の報告書で国連加盟国にイスラエルによる占領とアパルトヘイトを終わらせるための計画を立てるよう勧告した。2023年10月にガザ侵攻が開始された後、アルバネーゼは即時停戦を求め、そしてガザ地区のパレスチナ人が民族浄化の危険にさらされていると警告している。2024年3月26日、アルバネーゼは国連人権理事会に対して、イスラエルによるガザでの行動がジェノサイドに当たると報告した。
アルバネーゼへの批判者は、彼女が反ユダヤ主義および反イスラエルの偏向を持っていると主張しているが[7]、複数の人権団体や反ユダヤ主義に関する学者はこのような非難が、彼女の信用を貶めるための不当な試みだとみている[8][9]。
2025年6月に国連が公表したアルバネーゼの報告書では、複数の企業にとって利益となるためにガザジェノサイドが継続していることが述べられていた。48社の企業がリストアップされており、国際法に違反してイスラエルによるパレスチナ人追放を手助けしているという。米国の第2次トランプ政権は、大統領令14203号に基づきアルバネーゼをSDNリストに掲載して制裁を発動し、自国の全ての個人・企業に彼女との取引を禁じた[3][10]。
1977年、南イタリア・カンパニア州の町アリアーノ・イルピーノに生まれる[11]。ピサ大学で法学位を優等で取得し、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)で人権分野の法学修士を取得した[4][12]。
ジョージタウン大学Institute for the Study of International Migrationの"Affiliate Scholar"であり、シンクタンク「民主主義と発展のためのアラブ・ルネサンス」(英:Arab Renaissance for Democracy and Development、ARDD)での移住と強制移住に関する上級顧問である[4]。パレスチナ・イスラエルの法的状況に関する多くの著作があり、2020年にはLex Takkenbergとの共著で『Palestinian Refugees in International Law』(オックスフォード大学出版局)を執筆した[4]。
アルバネーゼは10年間、人権の専門家として国連人権高等弁務官事務所や国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)といった国連の場で働いた[13]。ヨーロッパやアラブの大学で国際法と強制移住に関する講義を担っており、またパレスチナ問題についての会議や公開イベントでも講演している[4]。2025年3月のインタビューでは、自身が法学を専攻していたが、人権により強い興味があり、イタリアで弁護士をしたいとは思わなかったため、司法試験を受けなかったと語った[14]。
国連特別報告者として
アルバネーゼはイタリア人としては2番目(先はジョルジョ・ジャコメッリ)、女性としては初めて国連パレスチナ被占領地域に関する国連特別報告者に任命された[15]。この任命は、アルバネーゼが2014年のガザ侵攻中に米国とヨーロッパを批判するコメントをしていたことで論争となった。米国は「ユダヤ・ロビー」、ヨーロッパは「ホロコーストへの罪悪感」の支配下にあり、そして両者ともに紛争での「被抑圧側であるパレスチナ人をとがめ続けている」とするものである[16]。イスラエル外務省や国連人権理事会の米国大使ミシェル・テイラーはこのコメントが反ユダヤ主義的だとしたが[17]、アルバネーゼは自身が反ユダヤ主義的だったことはこれまでなく、自身のイスラエルへの批判はイスラエルによるパレスチナ領域の占領に関係するものだと反論している[18][19][9]。
2022年10月18日、アルバネーゼは第1の報告書で、国連加盟国に「イスラエルの入植者植民地主義的な占領とアパルトヘイト体制を終わらせるための計画」を立てるよう勧告した[20]。この報告書では「本報告書で述べられている違反行為は、パレスチナ人の自決権の実現を妨げることを目的とする意図的な収奪、人種分離主義、抑圧体制という、イスラエルによる占領の本質を曝け出している」と結論付けている[21]。
国連人権理事会第53回常会中の2023年7月、アルバネーゼはイスラエルがヨルダン川西岸地区を「野外監獄」(open-air prison)にしたと非難する報告書を出し、その中で1967年以降、子ども含む80万人を超えるパレスチナ人がイスラエル当局により逮捕・拘留されていると報告した。記者への説明会では、「イスラエルがパレスチナ人に課している体制、デフォルトでアパルトヘイトは、野外監獄と定義するほかない」と述べた。イスラエルはその発表の場にはいなかったが、この結論を否定した[22][23]。
2024年8月、アフガニスタンでターリバーンが政権を得て3年目となる節目の「国際社会」に対するオープンレターに署名した。多数の国連特別報告者が署名したうちの一人であった。オープンレターはターリバーン政権の人権侵害、特に女性と少女に対する蹂躙が容認されることを懸念し、国際刑事裁判所(ICC)に行動をとるよう促すものである[24]。

2023年パレスチナ・イスラエル戦争が始まると、アルバネーゼは「パレスチナ人が大規模な民族浄化の深刻な危機にさらされている」と警告して、即時停戦に向けた国際社会の努力を訴えた[25]。アルバネーゼはさらに、「イスラエルの占領軍とハマースによって犯された国際犯罪(international crimes)の責任も直ちに追及されなければならない」と述べた[25]。
アルバネーゼはイスラエルに対する制裁と武器禁輸を求めている[26]。2024年6月に、イスラエルへの武器売却に反対を表明した多数の国連の専門家の一人であり、専門家たちは武器サプライヤーや金融会社に対して、人権侵害に関与することになると警告した。なお、反対表明者にはポーラ・ガビリア・ベタンクールやトラレン・モフォケン、マーガレット・サタースウェイトなども含まれる[27]。
アルバネーゼはまた、ジェノサイド防止のための国際的な法的責任についての説明の中で、「イスラエルの現在の行動を考えると、国連憲章第6条に基づいて、加盟国としての資格を停止することを考える時が来た」と述べた[28]。2024年11月に行われたミドル・イースト・アイのインタビューでは、アルバネーゼは当時の英国外務大臣デイビッド・ラミーについてジェノサイド否認論者であるとし、英国政府がイスラエルによるガザでのジェノサイドを止めるための行動を何もとっていないと語った[29]。
アルバネーゼは、ICCによってイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフの逮捕状が発行されているにもかかわらず、訪米したネタニヤフを歓迎し、友好的な関係を維持していることについてトランプ政権を批判した[30]。

2025年6月、アルバネーゼは、ガザのパレスチナ人ジェノサイドを記録していることから200人超のジャーナリストがイスラエルによって殺害されていると述べ、また、ウルズラ・フォン・デア・ライエンやカヤ・カッラスといった欧州連合高官がガザにおけるイスラエルの戦争犯罪に加担していると主張した。EUobserverによるこのインタビューでは、自身や自分の子どもが殺害の脅迫を受けていることも明らかにした[31]。
報告書の内容
『ジェノサイドの解剖学』
2024年3月26日、アルバネーゼはジュネーヴでの国連人権理事会第55回セッション前に報告書『ジェノサイドの解剖学』を発表した[32]。ガザにおける集団としてのパレスチナ人に対してジェノサイド条約で禁止されている少なくとも3つの「ジェノサイド行為」[32](paragraph 5)をイスラエルが意図的に行っていると信じるに値する「合理的根拠」があると述べている。
- 集団の構成員を殺害すること[32](paragraphs 22–26)
- 集団の構成員に重大な身体的あるいは精神的危害を生じさせること[32](paragraphs 27–31)
- 全体または一部の肉体的破壊をもたらすよう意図された生活条件を故意に集団に課すこと[32](paragraphs 34–45)
さらにアルバネーゼは、「先住民の破壊と置き換え」に帰着するジェノサイドの実行の入植者植民地主義的文脈を指摘し[32](paragraph 9)、パレスチナの現状に対処するための「国連反アパルトヘイト特別委員会の再結成」を勧めた[32](paragraph 97e)。
『占領経済からジェノサイド経済へ』
国連は2025年6月に、アルバネーゼの報告書『占領経済からジェノサイド経済へ』を公表した。この報告書では、民間企業が中心となってイスラエルの占領およびジェノサイドに協力をしていることを指摘し、複数の企業にとって利益となるために、ガザのジェノサイドが継続している旨が書かれている[33][34][35]。この報告書では法人組織に焦点を当てており、イスラエルの企業だけでなく国外の企業について名前をあげている[36]。
- シオニズム運動は、先住していたパレスチナ人からの買収や占有によって住民を入植ユダヤ人に置き換えた。これは入植者植民地主義にあたる[36]
- イスラエル建国期と同じ手法は1967年のヨルダン川西岸地区やガザ地区に対しても行われた。これは軍事占領の問題ではなく入植者植民地主義による乗っ取りの問題に属する[36]
- 入植者道路や隔離壁など、パレスチナ人を収奪する公共事業によってイスラエル企業は利益を得ている[37]。
- 土地と産業を奪われたパレスチナ人は、イスラエルによって安価な労働力であり、建設労働に従事せざるをえない[37]
- パレスチナ人の伝統的な農地が没収や破壊され、イスラエル企業の農業プランテーションが建設されている。ここでもパレスチナ人が低賃金の非正規労働者として従事させられている。この問題は、経済学者のサラ・ロイが反開発(De-development)と呼んで批判した問題にあたる[38]
この報告書ではマイクロソフトやAlphabet Inc.、Amazon.com含む48社がリストアップされており[39]、国際法に違反してイスラエルによるパレスチナ人追放を手助けしていることが述べられていた[40]。
『ガザにおけるジェノサイド 集団犯罪』
2025年10月20日、アルバネーゼは報告書『ガザにおけるジェノサイド 集団犯罪』を提出した。これは『占領経済からジェノサイド経済へ』の報告書に続くもので、イスラエルのジェノサイドを阻止する行動をとっていない国家を取り上げた。国連加盟国は国際法によってジェノサイドを阻止する法的義務を負っている点を指摘し、ジェノサイド条約に違反しているイスラエルに対して欧米諸国を中心とする国際社会が法的義務を果たしておらず、集団犯罪に等しいと論じている[41]。項目は外交、軍事、経済、人道の4分野に分かれている。
- 外交:国連や国際司法裁判所は、イスラエルがジェノサイド条約に違反していると認定しており、各国は阻止する外交措置を取る義務がある[33]
- 軍事:武器、弾薬をイスラエルに輸出することを禁止しなければならない。しかしアメリカとドイツが中心となって提供を続けており、情報提供、技術供与、部品輸出を含めると日本を含む数十カ国が関与している[33]
- 経済:イスラエルは人権尊重規定や平和尊重規定などに違反しており、イスラエルとの貿易協定や経済協力を停止しなければならない。しかし多くの国家がイスラエルとの経済協力を続けており、パレスチナに対する占領、ジェノサイドの継続を支えている[42]
- 人道:ガザ地区などパレスチナの難民キャンプは人道支援によって支えられているが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金を日米を含む10カ国以上が一時停止し、エジプトは封鎖に協力した。さらにイスラエルはアメリカの疑似人道組織を利用してUNRWAを活動禁止に追い込んだ[43]
思想
パレスチナ問題を避けて通れない理由として、一人一人が加担している現実と向き合うこと、個人・地域・機関・国として「私たちは誰なのか」という事実と向き合うことの必要性をあげている[44]。
2025年10月のネルソン・マンデラ財団の年次講演では、植民地主義とアパルトヘイトに抵抗をしてきたパレスチナと南アフリカの歴史的な共通点について述べ、南アフリカの共生の精神であるウブントゥとパレスチナ人の精神を表すスムード(sumud)を論じた。また、南アフリカのアパルトヘイトに抵抗したネルソン・マンデラに敬意を表しつつ、イタリアのファシズムに抵抗した思想家のアントニオ・グラムシの言葉として「無関心は、歴史の重荷である」を紹介した。アルバネーゼは、グラムシの言葉は、南アフリカのデズモンド・ツツの「不正義な状況において中立でいることは、迫害者の側に立つことと同じである」という言葉と共通点があると評価している[45]。
評価と影響
反イスラエル偏向の主張
2023年2月、米国連邦議会の議員18人が、アルバネーゼの反イスラエル偏向がはっきりしているとして、彼女の現ポジションからの解任を求めた[46]。
2024年2月、フランス大統領エマニュエル・マクロンはハマース主導の10月7日の攻撃について、「今世紀において最大の反ユダヤ主義的な虐殺」と説明したが、アルバネーゼはこれに対しTwitter上で、「10月7日の虐殺の犠牲者はユダヤ教徒であるために殺されたのではなく、イスラエルによる抑圧に対するものとしてである」と反論した。フランス外務省はアルバネーゼのこの発言を非難し、またイスラエル政府はアルバネーゼに同国におけるペルソナ・ノン・グラータを宣言して今後の入国を拒否した。アルバネーゼは「私のツイートが、これまで繰り返し強く非難してきたハマースの犯罪を『正当化している』と解釈されたことは残念だ。私は反ユダヤ主義を含む全ての形態のレイシズムを拒絶する。しかしながら、これらの犯罪を『反ユダヤ主義』とレッテル貼りすることはこれらが起きた真の理由を不明瞭にする」と反応した[47][48][49]。
同年7月、アルバネーゼはX(旧Twitter)で元国連職員クレイグ・モキバーによる投稿への支持を表明した。モキバーは投稿でネタニヤフをアドルフ・ヒトラーと比較しており、ヒトラーがナチス式敬礼で群衆に歓迎されている様子を映した画像とネタニヤフが米国議会で歓迎されている様子を映した画像を並置していた。「歴史は常に見ている」との言葉が添えられており、アルバネーゼはこの投稿に「これは今日まさに私が考えていたことだ」と反応した。米国国連大使リンダ・トマス=グリーンフィールドはこれに対し、「アルバネーゼが国連でのこのまたはいかなる地位にも適格でないのは明らかである」と訴えた。イスラエル外務省も「ホロコーストの記憶を悪用している」と反発したが、アルバネーゼはこれに応じる形で「ホロコーストの記憶は世界中の良心ある人々のおかげで、損なわれず神聖な状態で保たれている。組織的な喚き声(Institutional rants)や選択的な道徳的憤慨の爆発(outburst[s] of selective moral outrage)がようやく動き出した正義の道を止めることはできないだろう」と述べた[50][51][52]。
同年10月に国連に提出された2つの報告書を受けて、世界ユダヤ人会議はアルバネーゼがイスラエルとナチス・ドイツを比較して描くことで、ホロコーストの捻じ曲げを繰り返していると主張し、彼女の発言は「ひどく不快なだけでなく、歴史の甚だしい歪曲である」と非難した[53]。トマス=グリーンフィールドはXに、「(アルバネーゼは)彼女に与えらえた役割に不適格である。国連は人権を促進するために雇われた国連特別報告者の反ユダヤ主義を容認してはならない」と投稿した[54][55]。反ユダヤ主義との告発にアルバネーゼは、「反ユダヤ主義やユダヤ人であるが故のユダヤ人への差別はひどいものだ。だが率直に言ってイスラエルがユダヤ人であれ、ムスリムであれ、キリスト教徒であれ、無神論者であれ誰に統治されていようと、全く気にしない。私が望むのはイスラエルが国際法に沿った行動をすることだけだ」と反応した[56]。
同年2月11日、オランダ下院はガザ戦争に関するアルバネーゼの発言を理由に、2月13日のアルバネーゼ下院訪問の招待を取り消した[57]。6月20日にはトランプ政権が国連事務総長のアントニオ・グテーレスに、テロ支援と反ユダヤ主義を主張してアルバネーゼをパレスチナ人の権利に関する報告者から解任するよう求める書簡を送った[58]。
同年3月、ウルトラシオニズム組織ベタルが、ロンドン訪問中のアルバネーゼを脅迫した。ベタルはTwitter上で、「フランチェスカに(ポケベルの絵文字)を一緒に送りつけましょう」と投稿した。ポケベルの絵文字はイスラエルによるレバノンのポケベル爆発を指しているとみられる[59]。
アルバネーゼへの支持

2022年12月、反ユダヤ主義やホロコースト、ユダヤ学の学者65人が「(アルバネーゼ)に対するキャンペーンが今日の反ユダヤ主義と闘う目的のものではないことは明白だ。本質的に、彼女を黙らせ、イスラエルによる人権侵害と国際法違反について報告する国連高官としてのマンデートを弱らせようとする取り組みである」との声明を出した[9][60]。
翌年1月、多数の人権団体や学術機関、その他市民社会組織によってアルバネーゼを擁護する声明が出された。「私たちはOPT(パレスチナ被占領地域)における人権保護とパレスチナ人の権利に対する日々の憂慮すべき侵害への認知向上に関して、国連特別報告者フランチェスカ・アルバネーゼの不断の努力を称賛する。私たちは第三国に、特別報告者のマンデートに対するこの政治的動機に基づく攻撃を強く非難し、イスラエルに対して国連憲章に基づく義務を遵守するよう強制するように求める」と結論付けている[8][61]。
アルバネーゼのその役職から解任させようとする試みが続く中、2023年4月26日にはアムネスティ・インターナショナル・イタリアが同国内の多数の人権団体、政治家、法律専門家、学者が署名した支持の書簡を公表した。翌27日、アルバネーゼの地位にかつていたジョン・デュガード、リチャード・フォーク、マイケル・リンクの3人が公に、アルバネーゼを擁護するよう促し、彼女が「『中傷的』で『個人的な』攻撃の標的にされている」と訴えた。5月3日、アルバネーゼは「多すぎる(パレスチナ人の)死とひど過ぎる恣意性を見てきたが、説明責任が果たされたところは見たことがない」とし、そしてこのような虐待に対処する活動への非難に直面してきたことをツイートした[62][63]。
2025年にはアルバネーゼをノーベル平和賞にノミネートするよう求める声が上がり、Avaazでのアルバネーゼへの同賞授与を求めるキャンペーンでは、40万筆を超える署名が集まった[64][65]。アイルランドの欧州議会議員Aodhán Ó Ríordáinやスロベニアの政治家マチャシュ・ネメツ、チュニジア国民対話カルテットによってアルバネーゼはノーベル平和賞に推薦されており、カナダの新民主党も推薦の意向を表明している[66][67][68][69]。
米国による制裁措置
2025年7月、トランプ政権下の米国財務省は大統領令14203号に基づいてアルバネーゼを「特別指定国民」に指定し、制裁を科した。2025年8月8日までに段階的に終わらせるのに必要な場合を除いて、米国の全ての個人・組織に彼女との取引を禁じるものである[3][10]。国務長官マルコ・ルビオはアルバネーゼが「反ユダヤ主義をまき散らし、テロ行為への支持を表明してきた」と主張し、米国企業含む48社をリストアップして名指しする報告書については「米国とイスラエルに対するアルバネーゼの政治的、経済的な戦争行為はもはや容認されない」と述べている[10][70]。
アルバネーゼはこの制裁措置を"obscene"と呼び、「正義の追求」のために罰せられていると述べた[71]。アムネスティ・インターナショナルは「国際的正義に対する恥ずべき侮辱」だとして米国による制裁を批判した[72]。一方、ウォール・ストリート・ジャーナルはこの制裁を「反イスラエル」の国連職員への「良いスタート」だと主張して称えた[73]。
賞
2023年4月、パレスチナ人の権利擁護の活動が認められ、国際ステファノ・キアリーニ賞(イタリア語: Premio Internazionale Stefano Chiarini)を受賞した[74][75]。
翌年にはPassblue国連パーソン・オブ・ザ・イヤーに選出された。Passblueはアルバネーゼや他のノミネート者が「国連憲章を守り、普遍の人権を擁護し、国際人道法を確かなものにするために行動し、そして世界中で平和と非暴力を促進するための強固なリーダーシップを発揮した」と評した[76]。
2025年2月12日、The Rights Forumから贈られるドリス・ファン・アグト賞を受賞した。この賞はパレスチナにおける人権や国際法の実現に強く貢献した栄誉ある個人もしくは組織に贈られるものである[77]。
2025年8月4日、イタリアのバーリ市から「パレスチナ人民の権利を擁護する不断の取り組み」のために名誉市民の称号を授与された[78]。授与式上、称号を象徴する鍵をバーリ市長から受け取って「鍵はパレスチナ人にとって帰還のシンボル。(略)私はこれを大切に取っておき、いつかパレスチナの人びとが解放された日、パレスチナの人びとに贈ります」と発言した[79]。
私生活
脚注
参考文献
- フランチェスカ・アルバネーゼ 著、中村梨里, 甘糟智子 訳『ガザへの集団犯罪――私たちはいかにジェノサイドに加担しているか』地平社、2026年。ISBN 9784911256398。