パレスチナ国

西アジアにある共和制国家 From Wikipedia, the free encyclopedia

パレスチナ国(パレスチナこく、アラビア語: دولة فلسطين Dawlat Filasṭīn, ダウラト・フィラスティーン、: State of Palestine)は、地中海東部のパレスチナに位置する共和制国家。国際連合(UN)には未加盟である。2026年時点で、パレスチナを国家承認している国は、国連加盟国の約8割(約160カ国)である[8][9]。旧東側諸国やグローバルサウスを中心に以前から多くの国が承認していたが、2023年パレスチナ・イスラエル戦争勃発を契機として、西欧諸国などでも承認に向けた動きが加速した。

概要 パレスチナ国, 公用語 ...
パレスチナ国
دولة فلسطين
国章
パレスチナの位置
国歌فدائي(アラビア語)
革命者
公用語 アラビア語
首都 東エルサレム (デ・ジュリ)
ラマッラーデ・ファクト
最大の都市 ガザ
政府
大統領 マフムード・アッバース
副大統領英語版 フセイン・アッ=シェイク英語版
首相 ムハンマド・ムスタファ
面積
統計 6,020km2164位[1]
水面積率 3.5%
人口
統計(2023年 5,483,450人(119位[1]
人口密度 910.9人/km2
GDP(自国通貨表示)
GDP(MER
合計(2021年 180億3680万ドル(125位[2]
1人あたり 3,664[3]ドル
GDP(PPP
合計(2021年 305億1834万ドル(145位[4]
1人あたり 6,199.5[5]ドル
独立宣言
独立宣言 1988年11月15日
オスロ合意 1993年8月20日
パレスチナ自治政府成立 1994年
国連総会オブザーバー 2012年11月29日
パレスチナ問題 未解決[注 1]
通貨 新シェケルILS)など[注 2]
時間帯 UTC+2DST:+3)
ISO 3166-1 PS / PSE
ccTLD .ps
国際電話番号 970
[注 1]
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パレスチナの領土(パレスチナ領域)は、パレスチナ自治政府ファタハが主導)が実効支配するヨルダン川西岸地区およびハマースが2007年以来実効支配する(ガザ政府ガザ地区から成る。パレスチナ国は、東エルサレムを名目上の首都として定めているが[10]、行政機能は事実上ラマッラーに置かれている[11]

歴史

1988年11月15日にパレスチナ解放機構(PLO)のヤーセル・アラファート(のち初代大統領)が詩人のマフムード・ダルウィーシュによって書かれたパレスチナの独立宣言を読み上げて発表し、パレスチナ国を国号として定めた。1993年のオスロ合意を経て、1994年にパレスチナ自治政府が設立され、イスラエルの占領下にあった地域の一部でパレスチナ人による自治が開始された。2012年11月には、国連総会において「非加盟オブザーバー国家」としての地位が承認され、国際社会における存在感を高めた。第79回国連総会(2024年9月10日開会)では、オブザーバーでありながらも、正式加盟国と同様にアルファベット順で着席することが認められた[12][13]

政治

パレスチナの政治は、ファタハが主導するヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治政府と、2007年の武力衝突以降ハマースが実効支配を続けるガザ地区の統治組織に分裂している状態が続いている。

地方行政区画

パレスチナの県(灰色の部分は統治外)

パレスチナ国が領有を主張する地域は、ヨルダン川西岸地区(以下:西岸地区)とガザ地区から成る。ガザ地区の面積は365km²で全体の6%程度しかないが、人口は全体の38%を占める。西岸地区はパレスチナ自治政府の様々な機関が置かれており、首都がある。西岸地区の総面積は5,660km²であり、オスロ合意に基づき、西岸地区は以下の3地区に区分されている。

  • A地区
    パレスチナ自治政府が行政権と警察権を管轄している。面積は西岸地区のうち18%の約1,018km²である。
  • B地区
    イスラエル軍警察権を握っているが行政権はパレスチナ政府にある。面積は西岸地区の21%の約1,188km²である。
  • C地区
    イスラエル軍が行政権など全てを握っている。面積は西岸地区の61%で約3,452km²であり、イスラエルのユダヤ人入植地の多くが存在する。

なお、イスラエル内務省英語版は、西岸地区をユダヤ・サマリア地区という名称の同国の行政区画に定めている[14][15][注 3]

パレスチナ国は領有を主張する国土に16の県(ガザ地区に5、西岸地区に11)を設置している。ただしイスラエルの実効支配下にある地域を含んでいるため、西岸地区の県の多くの地域が統治下にはない。

主要都市

国際関係

2025年9月22日時点で、国際連合には未加盟である。この件については後述する。

国家承認

  パレスチナ国
  国家として承認している国
  承認をめぐって議論のある国(チェコハンガリーパプアニューギニア
  国家として承認していない国

193の国際連合加盟国中、155か国が国家承認している[9]安保理常任理事国では、2025年9月22日に始まった第80回国際連合総会前まではロシア中国のみが承認していたが、この総会にあわせてイギリスフランスが正式に承認したことにより、承認していないのはアメリカのみとなった。

その他は、上海協力機構(SCO)加盟国、アラブ連盟加盟国、アフリカ連合(AU)のうちカメルーンエリトリア以外、東南アジア諸国連合(ASEAN)のうちシンガポールミャンマー以外、欧州自由貿易連合(EFTA)のうちスイス以外が、国家として承認している。

欧州連合(EU)加盟国では対応が分かれている。

北大西洋条約機構(NATO)でも対応が分かれている。加盟国の増加に従って承認する国も増加したが、原加盟国ではアイスランド以外の国は承認していなかった。しかし2023年10月に勃発した2023年パレスチナ・イスラエル戦争以降、承認する国が増加した。特に2025年には国連総会にあわせて、イギリス、フランス、カナダポルトガルベルギールクセンブルクが一斉に国家承認した。

承認していない国連加盟国は37か国である。G7諸国では日本ドイツイタリアアメリカが、G20諸国ではG7の4か国に加えて韓国が承認していない。

占領国とされる[17]イスラエルも同様に承認していない。

一方、パレスチナを国家として承認していない国の中にも、2012年の国連総会でのパレスチナをオブザーバー国家に格上げする決議(A/RES/67/19)については、賛成した国もある[18]。日本もそのひとつで、「将来の承認を予定した自治区」としてパレスチナ国を扱っており、経済支援や議員外交などを行っている[注 4]

国連との関係

パレスチナ国は、国際連合機関のうち、国際連合総会(総会)、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)、世界保健機関 (WHO) [19]の活動に参加している。

1974年パレスチナ解放機構(PLO)が国際連合総会オブザーバーの団体として認めれられ、国連での活動を開始した。また、1988年12月15日、同年11月15日のパレスチナ独立宣言を認識し、PLOを「パレスチナ (Palestine) 」と呼ぶことを国際連合総会決議43/177英語版によって採択された[20][21]

その後2012年には、国際連合総会決議67/19英語版の採択により「パレスチナ国(the State of Palestine)」としてオブザーバー国家に格上げされ、国連非加盟国として、国連総会から国家としての地位を事実上承認された[22]。決議の採決では、193の加盟国中、日本を含む138か国が賛成し、反対は9か国、棄権は41か国、無投票は5か国だった[23]。反対したのは、カナダ、チェコ、イスラエル、マーシャル諸島ミクロネシア連邦ナウルパラオパナマ、アメリカだった[23]

国連総会では、毎年のようにパレスチナ人の民族自決権を確認する決議が提出されている。パレスチナ国を国家承認していない国々も、明確な反対はイスラエル、アメリカおよび一部の親米国に限られる。

近年では、2023年12月19日の決議は、日本を含む172か国の賛成で採択された[24]。反対はイスラエル、ミクロネシア連邦、ナウル、アメリカの4か国で、棄権はカメルーンなど10か国、無投票はアフガニスタン[注 5]など7か国であった[24]

2024年11月14日の決議は、日本を含む170か国の賛成で採択された。反対はアルゼンチン、イスラエル、ミクロネシア連邦、ナウル、パラグアイ、アメリカの6か国で、アルゼンチンパラグアイは前年の賛成から反対に態度を変更した。棄権はキリバスなど9か国、無投票はアフガニスタンなど8か国であった[25]

また、国連の専門機関のうちユネスコには、2011年に「パレスチナ国」としての正式加盟が承認されている。加盟には14か国が反対したが、そのうちイスラエル、アメリカは加盟に対する対抗措置として2018年にユネスコを脱退した。但しアメリカは2023年に復帰している。

2024年5月31日、世界保健機関 (WHO) 総会は、国際連合総会決議ES-10/23(後述)へ呼応すべく、オブザーバーの立場のパレスチナ国の権利を拡大し、事実上加盟国と同等の権利を与える決議を賛成多数で採択した。議案提出権や加盟国席に着席する権利などを認められたが、決議ES-10/23同様投票権は与えられなかった[19][26]。賛成は101か国、反対は5か国、21カ国は棄権した[26]。 

パレスチナを国連の加盟国にするよう勧告する国連安全保障理事会決議案の否決

2024年4月18日、国連安保理非常任理事国のアルジェリアがパレスチナ国の国連正式加盟勧告案安保理に提出したが、アメリカが拒否権を行使して否決された[27][28][29]。15の理事国のうち、日本を含む12か国が賛成し、反対はアメリカの1か国、棄権はイギリススイスの2か国だった[30]

日本政府は「パレスチナが国連加盟に係る要件を満たしているとの認識の下、中東和平の実現に向けて、和平交渉を通じた国家の樹立を促進する等の観点を含め、総合的に判断し、決議案に賛成した」と説明した。また、安保理における賛成と、日本国がパレスチナを国家として承認することは「別個の問題」であり、当事者間の交渉を通じた「二国家解決」を支持する日本の立場は変わっていないことを確認した[31][32][33]

パレスチナの国連加盟勧告案に反対しないよう安保理に要求する国連総会決議の採択

2024年5月10日、アラブ首長国連邦 (UAE) が、パレスチナ国の国連正式加盟を支持し「安保理に対し加盟勧告決議案に賛成するよう再考を促す決議案」を緊急特別総会において提出し、193加盟国のうち、賛成143か国、反対9か国の圧倒的多数で採択された[34]。棄権は25か国だった。決議案にはパレスチナが国連憲章の定める加盟資格を満たしていると明記されており、パレスチナ国を国家承認していない、日本、フランス韓国スペイン[注 6]オーストラリアエストニア、そしてノルウェー[注 6]の7か国も賛成票を投じた。反対はアメリカ、イスラエル、アルゼンチンチェコハンガリー、ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、そしてパプアニューギニアであった[35][36][37]。アルゼンチンは、パレスチナを国家承認しているにもかかわらず、反対にまわった[38]。それらの加盟国のうちチェコは、パレスチナの国連正式加盟や国連内での権利強化では平和と繁栄をもたらすことはできないと述べ、その前に2国間での協議などによる環境の下地整備の必要があると訴え、また、安保理の加盟勧告が無いまま国連の手続きを「迂回して」総会で採決を行ったことに懸念を示し、反対票を投じたと説明した[39]

G7国においては、前述の通り日本とフランスが賛成にまわったほか、イギリスドイツカナダイタリアが棄権し、アメリカの孤立が一層顕著になる形になった[38][40]。国連総会は、パレスチナの国家としての存在を長らく支持して来たが、実際に正式加盟の是非について採決が取られたのはこれが初めてであった[41]

国連総会において拒否権は存在せず、国連安保理で拒否権を持つアメリカなどの国が国連総会で反対票を投じてもそれだけで否決されることはなく、他の国連加盟国と同じ1票の価値があるだけである。国連憲章の第4条にある通り国連の正式加盟には、安保理による加盟勧告と、総会における(投票国の)3分の2以上の賛成が必要となる。それゆえ、4月18日にアメリカの拒否権行使によって加盟勧告案を否決した安保理に対して、協議を「差し戻す」形となった[36][37]。しかし、アメリカのロバート・ウッド英語版国連次席大使は、安保理で再度加盟勧告案を採決したとしても結果は同じになると述べ、拒否権を発動し続けることを示唆した[41][42]。また、この地域の持続的な平和はイスラエルの安全が保証された上での二国家解決によってのみ達成できると強調し、「我々のこの投票は、パレスチナの国家としての地位に反対していることを示しているわけではない」と話し、従来通りのアメリカの立場である、「(パレスチナの)国家としての地位の承認は、当事者(イスラエルとパレスチナ)間の直接交渉によってのみもたらされる」と主張した[34][43]。一方ロシアは、パレスチナが今回国連へ正式加盟することによって、75年前に既に正式加盟を果たしているイスラエルと同等の立場のもとで交渉の場に立てるとして、アメリカの見解に反対する意見を述べた[34]

また決議によってパレスチナ国には、パレスチナや中東以外の議題にも発言権が与えられたほか、会議の議題、提案書、修正案の提出、議論に対する返答、そして国連の主要委員会において委員を送ることなどが可能となり、かつパレスチナ人の自決権を支持する内容だったが、投票権は与えられなかった[36][37]。アメリカには「国連がパレスチナ[注 7]に加盟国と同じ地位を与えた場合、国連と国連機関への資金提供を停止する」という1990年に成立した連邦法があるため[45]、国連最大の分担金及び拠出金提供国であるアメリカが同法を発動させないよう、細心の注意を払って決議案の文面が練られた[40][44]

2024年9月10日に第79回国連総会が始まり、今回からパレスチナ国の席次が改められた。これまではオブザーバー国家として最後列に位置していたが、アルファベット順(State of Palestine)に座ることが認められ、席次は正式加盟国と同等の扱いとなった[46][47]

日本との関係

日本はパレスチナを国家として承認していないが、二国家解決を支持する立場から、将来の独立国家建設を見据えた支援を行っている。1999年に対パレスチナ暫定自治政府日本国政府代表事務所を設置し、パレスチナ自治政府との公式な窓口としている。一方、日本には駐日パレスチナ常駐総代表部が置かれている。

2025年9月11日、超党派の「人道外交議員連盟」(代表阿部知子事務局長〈立憲民主党〉)は、パレスチナを国家として承認するよう政府に求める要望書を岩屋毅外務大臣に手渡した。要望書は与野党の議員206名が署名した[48]。翌12日の記者会見で公明党斉藤鉄夫代表も、パレスチナの国家承認について「原則的に支持する考えを明確にすべきだ」、「承認に向け積極的な判断を日本政府に強く求める」と述べた[49]。これに先立ちイギリスやフランス、カナダなどのG7国を始め欧州を中心に複数の国家が承認を表明しており[注 8]、日本の動向が注目されていた[50]

一方で、同12日には日本のパレスチナ国家承認を見送るよう、アメリカから要請があったとメディアで報じられた。[51]

朝日新聞は9月17日の電子版で、複数の関係者への聞き取りを基にした独自記事で、日本は国家承認を見送る方向で調整していると報じ[52]、20日には岩屋外務大臣は記者会見でこれを認めた[53]

国民

人口構成

2024年推計で約561万人(西岸地区:約333万人、ガザ地区:約223万人)であり[54]、アラブ系のパレスチナ人が大半を占める。また、国連パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA) によると2021年時点でパレスチナ難民が約639万人(西岸108万人、ガザ164万人、ヨルダン246万人、シリア65万人、レバノン54万人)となる[55]

言語

アラビア語公用語である。

宗教

イスラム教徒が9割以上(約92%)と多数を占める。次いでキリスト教が約7%で続く。

経済

パレスチナ中央統計局(PCBC)によると、主要産業はサービス業(20.4%)、小売業・貿易(18.3%)、公共・防衛(12.4%)、鉱工業・電気・水(12.1%)、農・漁業(6.5%)などで、輸出品はセメント、石灰岩オリーブなど、輸入品は石油・石油製品、穀物、非金属鉱物製品などとなる。輸入先・輸出先はともにイスラエルが最大となるが、2021年度は約30億ドルの貿易赤字となっている。

経済成長率は4%程度となるが、物価上昇率は5%超、失業率は25%を超えている(2022年)。また、独自の通貨がなく、イスラエルの通貨である新シェケル(NIS)とアメリカ・ドル(USD)とヨルダン・ディナール(JOD)が使用されている[55][56]。以前はガザ地区ではエジプト・ポンド(EGP)が使われることもあった。

軍事

1993年のオスロ1合意では、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の内部の秩序と治安を確保するためにパレスチナ自治政府は強力な警察部隊を設立することになっている。また、イスラエルは外部の脅威に対してパレスチナを防衛する義務と、パレスチナ内部の秩序と治安を保護するためにイスラエル人の全般的なセキュリティの義務を負う[57]。そして、1995年のオスロ2合意では、ヨルダン川西岸地区とガザ地区には、パレスチナ警察とイスラエル軍以外には、いかなる軍隊も設立・活動してはならないことになっている[58]

1995年の自治合意後にパレスチナ警察が設置されたが、2000年のイスラエルとの軍事衝突により壊滅的な打撃を受けた。2005年にファタハ出身で大統領に就任したマフムード・アッバースは、国内の治安機関を内務庁・総合諜報局・保安隊の3機関に統合した。一方で、2007年に成立したガザ政府では別に治安部隊が設置された。2017年10月、ガザ政府を率いるハマースは保有する行政権限をパレスチナ国政府に委譲することで合意した[59]

パレスチナ自治政府の治安機関はイスラエル政府に協力して、2007年まではパレスチナ(東エルサレムを含むヨルダン川西岸とガザ地区)のうちイスラエルから権限が移譲された地域(A地区とB地区)で、それ以降はそのうちガザ地区を除く地域で、パレスチナ人の取り締まりを行ってきた[60]。ファタハ以外の政党は、パレスチナ治安機関がイスラエルとの間で治安協力を行っていることを強く批判している[61]。イスラエルは、パレスチナ自治政府はテロリストを十分に取り締まっていないと認識していて、不満を持っている[62]

2020年5月、パレスチナ自治政府は、イスラエルやアメリカとの安全保障協力を終了すると宣言した[63]

治安

人権

パレスチナにおける人権状況は、イスラエルの占領政策に加え、パレスチナ自治政府およびガザ地区のハマースによる内部的な問題も指摘されている。国際人権団体は、双方の統治下における言論の自由の制限、恣意的な拘束、反対派への弾圧などを報告している。

文化

ヨルダン川西岸地区のカルキリヤでダブケの練習をするパレスチナ人の少年。
ヨルダン川西岸地区のカルキリヤ英語版ダブケの練習をするパレスチナ人の少年。

パレスチナ人の文化は、パレスチナの歴史的地域に存在してきた多様な文化や宗教の影響を受けている。パレスチナの文化的および言語的遺産は、アラビアの要素と、何千年にもわたってこの土地とその人々を支配するようになった外国文化の両方が融合したものである。

芸術、文学、音楽、衣装、料理の分野への文化的貢献は、パレスチナ領土のパレスチナ人、イスラエルのパレスチナ国民、ディアスポラのパレスチナ人の間で地理的に分離しているにもかかわらず、パレスチナ人のアイデンティティを表現している。

パレスチナ文化は、食文化、舞踊、民間伝承、歴史、ことわざ、民俗信仰、習慣などの伝統(口承を含む)から構成されている。2023年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、「パレスチナ住民にとって、アイデンティティーや自尊心の表現でもある」とされる、結婚式などで大勢で踊られるレバントの伝統舞踊「ダブケ」のパレスチナ流派を無形文化遺産に登録した[64]。ニムル・シルハン、ムーサ・アルーシュ、サリム・ムバイイドなどのパレスチナ知識人の間での民俗学者の復活は、イスラム以前の文化的ルーツを強調した。

食文化

パレスチナの料理は、パレスチナ地域に定住した文明の文化の拡散であり、特にアラブのウマイヤ朝の征服に始まり、最終的にはペルシアの影響を受けたアッバース朝、そしてトルコ料理の強い影響で終わるイスラム時代中およびその後に、その結果として生まれた。オスマン帝国の到来。レバノン料理シリア料理英語版ヨルダン料理英語版など、レバント料理英語版に似ている。キリスト教徒のパレスチナ人によって開業された醸造所も存在し、パレスチナの醸造所の先駆けとなったタイベ醸造所は、マイクロブルワリーとしてホップが効いた苦みの強いビールが定評を得ているほか、地元産のブドウから醸造されたワインも生産されている[65]

世界遺産

祝祭日

スポーツ

サッカー

パレスチナ国内ではサッカーが最も人気のスポーツとなっており、ヨルダン川西岸地区には、2010年にプロリーグのウェストバンク・プレミアリーグが創設された。ガザ地区には、ガザ地区リーグが存在する。パレスチナサッカー協会(PFA)によって構成されるサッカーパレスチナ代表は、これまでFIFAワールドカップには未出場であるが、AFCアジアカップには2015年大会2019年大会2023年大会と3度の出場歴がある。

著名な出身者

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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