ベルン市電
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| ベルン市電 | |||
|---|---|---|---|
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| 基本情報 | |||
| 国 |
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| 所在地 | ベルン | ||
| 種類 | 路面電車 | ||
| 路線網 | 5系統(2026年時点)[1][2] | ||
| 開業 |
1890年(圧縮空気) 1894年(蒸気機関) 1901年(路面電車)[3][4][5] | ||
| 運営者 | ベルンモビール[3][2] | ||
| 路線諸元 | |||
| 路線距離 | 27.5 km[2] | ||
| 軌間 | 1,000 mm[2] | ||
| 電化区間 | 全区間 | ||
| 電化方式 |
直流600 V (架空電車線方式)[6] | ||
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ベルン市電(ベルンしでん、ドイツ語: Strassenbahn Bern)は、スイスの首都であるベルン市内の路面電車。19世紀に開通した軌道交通をルーツに持つ歴史の長い路線で、2026年現在は路線バスやトロリーバス(ベルン・トロリーバス)と共にベルン市が所有するベルン市交通公社(Städtischen Verkehrsbetrieben Bern、SVB)が「ベルンモビール(Bernmobil)」というブランド名で運営している[3][4][5][7]。
1870年代以降ベルン市内で運行していた乗合馬車に代わる公共交通機関として、ベルン市内に軌道交通が開通したのは1890年10月1日で、ベルン軌道会社(Berner Tramway-Gesellschaft、BTG)によって圧縮空気を動力にした車両が導入された。後に「1号線(Linie I)」と名付けられたこの路線に続き、1894年には第二の路線となる「2号線(Linie II)」が開通したが、こちらはスチームトラムが牽引する客車列車が運行していた。その後、1900年にベルン軌道会社はベルン市によって買収され、市営企業である「ベルン軌道公社(Städtische Strassenbahnen Bern、SSB)」によって路線が継承された。そして同社は翌1901年7月に初の電化路線(路面電車)である「3号線(Linie III)」を開通させ、既存の2路線(1号線、2号線)についても1902年までに電化が実施された[3][4][5][8]。
- 圧縮空気を動力にした初期の車両
- 2号線にはスチームトラムが牽引する客車列車が導入された
それ以降も路面電車路線は延伸を続け、1908年にはベルン中央駅と接続する系統が運転を開始した。そして1912年には一時的にアルファベットを用いた系統名への再編が実施されたが、同年のうちにこの仕組みは変更され、往路は奇数、偶数は偶数の系統番号を付ける形になった。以降も1923年に延伸が実施され、1930年に系統の再編が実施された事により、合計12系統が運行される事となった。当時の路面電車の総延長は18.2 kmであった。しかし、一方で当時のベルン市の財政は逼迫しており、延伸を求めていたビュンプリッツ(Bümpliz)を始めとしたベルン西部方面の延伸はこの時点で実現せず、代わりに路線バス(ベルン市営バス会社)が導入された[3][4][5]。
そして1941年、1号・2号線は路面電車より効率が良いと見做されたトロリーバス(ベルン・トロリーバス)によって置き換えられ、1959年や1965年にも同様の措置が行われ、路面電車の路線網は縮小した。しかし、一方で残された路線網の近代化は続けられ、スイスの標準型電車の積極的な導入により旧型電車の置き換えが進められたほか、公共交通を優先した整備が行われた事により安定した高速運転が可能となった。1973年には当時の3号線の新興住宅地への延伸が実施されている。一方、運営組織については1947年にそれまでのベルン軌道公社とベルン市営バス公社が合併してベルン市交通公社(Städtischen Verkehrsbetrieben Bern、Bernmobil)が発足し、同事業者は路面電車の系統名を奇数に統一している[3][4][5][8]。
以降もベルンの路面電車は近代化が積極的に実施され、1989年には初の超低床電車(部分超低床電車)が営業運転を開始した。一方、長年計画されながらその都度断念されていたベルン西部方面への延伸に関する検討が1990年代以降再度始まり、当初の計画から予算が縮小されながらも2007年に承認された。そして2008年4月から全長約7 kmの延伸工事が進められた後、2010年12月から営業運転が始まり、同時に偶数番号の復活を含めた新規系統の増設・再編も実施された。更に2012年12月にも一部区間の延伸が行われている。それ以降もベルンではオスタームンディンゲン(Ostermundingen)やクラインヴァーベルン(Kleinwabern)といった各方面への延伸が検討されており、そのうち後者については工事区域の遺跡発掘調査などの兼ね合いもあり2028年 - 2029年の開通を目途に計画が進められている[3][4][5][9][8][10][11][12]。
- ベルン市電には1990年代初期の時点で超低床電車が運行していた(1992年撮影)
系統
2026年現在、ベルン市内には以下の系統の路面電車が運行している[1]。
| 系統番号 | 起点 | 終点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 3 | Bern Bahnhof | Weissenbühl | |
| 6 | Fischermätteli | Worb Dorf | 2010年にベルン市電の5号線とベルン-ソロトゥルン地域交通の「G線」を統合する形で設定 「ベルン - ヴォルプ・ドルフ線」も参照[6][13] |
| 7 | Bümpliz | Ostring | |
| 8 | Brünnen Westside Bahnhof | Saali | |
| 9 | Wabern | Wankdorf Bahnhof | |
- 路線図(2023年時点)
車両
現有車両
2026年時点でベルン市内の路面電車で運行されている路面電車車両は以下の通り。全車ともバリアフリーに適した超低床電車である[14][10]。
| 写真 | 形式 | 両数 | 編成 | 運転台 | 製造年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Be 4/6 "コンビーノ・アドバンス" |
7両 (753 - 759) |
5車体連接車 | 片運転台 | 2002年 - 2004年 | [15] | |
| Be 4/6 "コンビーノ・アドバンスVL" |
8両 (751、752、760 - 765) |
7車体連接車 | 片運転台 | 2002年 - 2004年 | 2009年に5車体連接車から中間車体を増設[16] | |
| Be 6/8 "コンビーノ・クラシックXL" |
21両 (651 - 671) |
7車体連接車 | 片運転台 | 2009年 - 2010年 | [17] | |
| Be 6/8 "トラムリンク" |
20両 (911 - 930) |
7車体連接車 | 両運転台 | 2023年 - 2026年 | [18][19][20] | |
| Be 6/8 "トラムリンク" |
7両(予定) (901 - 907) |
7車体連接車 | 片運転台 | 2026年 - (予定) | [18][19][21] | |
過去の車両

保存事業など

開通初期に使用された蒸気機関車や客車、電化後に使用された電車といった歴代の車両の一部は、バスと共にベルンモビール歴史財団(Stiftung BERNMOBIL historque)によって保存されており、動態保存が実施されている車両も多い。また、2007年以降ヴァイセンビュール(Weissenbühl)にあった車庫を活用した「ベルン路面電車博物館」が路面電車の動態保存が実施される初夏や秋季に開館しており、ベルンモビール歴史財団と博物館の支援団体であるベルン路面電車協会(Tramverein Bern、TVB)による共同運営が実施されている[3][22]。