ヤコブの夢 (ムリーリョ)
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| ロシア語: Сон Иакова 英語: Jacob's Dream | |
| 作者 | バルトロメ・エステバン・ムリーリョ |
|---|---|
| 製作年 | 1660年ごろ |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 246 cm × 360 cm (97 in × 140 in) |
| 所蔵 | エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク |
『ヤコブの夢』(ヤコブのゆめ、露: Сон Иакова、英: Jacob's Dream)は、スペインのバロック期の画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョが1680年ごろにキャンバス上に油彩で制作した絵画である。1811年にパリでドミニク・ヴィヴァンの仲介により購入されて以来[1]、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2]。
本作は、『旧約聖書』中の「創世記」(25章19-35章) にあるヤコブの物語を題材としている[3]。ヤコブには双子の兄エサウがいたが、2人の性格は異なっていた。エサウは野性的な狩人になって、父イサクに愛された。一方、ヤコブは穏やかな青年に育ち、母リベカに愛された。ある日、狩りから帰ったエサウは空腹に耐えきれず、弟ヤコブの作ったレンズ豆の煮ものを懇願する。ヤコブはその見返りとして兄エサウに長子権を譲るよう迫り、エサウは一時の食欲に負け、同意した[3]。
数年後、年老いた兄弟の父イサクは身近に迫った死を悟り、長男エサウに祝福 (神の加護) を与えようとした。兄弟の母リベカはヤコブをそそのかしてエサウのふりをさせ、イサクをだましてヤコブに祝福を受けさせた。このことを知ったエサウは激怒したため、リベカはハッラーンに住む兄ラバンのもとにヤコブを逃がした[3]。
作品

ハッラーンへの旅の途中であったヤコブは、石を枕にして夢を見る[2]。本作は、彼がうたた寝の夢の中で天使が行き来する梯子を見たという場面を描いている。この主題を扱った絵画は多数あるが、バロック時代の同主題の絵画はホセ・デ・リベーラの『ヤコブの夢』 (プラド美術館、マドリード) などを除き、天使の存在を強調した劇的な構成を常としている[4]。本作もそうした作品の1つである。天にまで達する階段が地に立てられ、天使たちが昇り降りする場所で、神からの保護が約束されている。目覚めた後のヤコブは石を立て、油を注ぎ、そこをペテル (神の家) と名づけた[2]。
ムリーリョの明るい色彩とスフマート (ぼかし) を用いた抒情的な宗教画は、民衆の信仰心を深くとらえ、大きな人気を博した。この絵画も、地から天への梯子という超越的な幻影を夜景と黄金の光との対比を通して明快に表現している。画家は、人物と風景の融合にも成功している[2]。