Wikiwand AI

ヤマアジサイ

アジサイ科アジサイ属の植物種 From Wikipedia, the free encyclopedia

ヤマアジサイ(山紫陽花[5]、学名: Hydrangea serrata var. serrata[注 1])は、アジサイ科[注 2]アジサイ属の落葉低木。ヤマアジサイをめぐっては、山中で沢によく見られることからサワアジサイとも呼ばれた[8]。また、独立した種として認めず、アジサイ Hydrangea macrophylla(種としてのアジサイ、ガクアジサイ)の亜種 Hydrangea macrophylla subsp. serrata などとする説もあった[9]。しかし、2022年の成果発表(Hirota et al. 2022)では、ヤマアジサイからサワアジサイ(ニシノヤマアジサイ)[7]とヒュウガアジサイ[10]が別種として区別されている[11]。

概要 ヤマアジサイ, 分類(APG III) ...
ヤマアジサイ
ヤマアジサイ。岐阜県中津川市阿木。
分類(APG III)
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
目 : ミズキ目 Cornales
科 : アジサイ科 Hydrangeaceae
属 : アジサイ属 Hydrangea
節 : アジサイ節 Hydrangea
亜節 : アジサイ亜節 Macrophyllae
種 : ヤマアジサイ H. serrata
学名
Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata (1830)[1]
シノニム
和名
ヤマアジサイ
サワアジサイ
閉じる

分布

本州では福島県以南の主に太平洋側、また四国、九州などの山地に分布する[5][12]。千島列島、台湾、中国南部の山地にもみられる[13]。沢沿いの湿り気の多いところに生える[5]。

特徴

落葉広葉樹の低木で、高さは1メートル (m)ほどになる[5][12]。枝は細く[12]、ガクアジサイ(学名: Hydrangea macrophylla f. normalis)と比べて小ぶりで繊細な印象を受け[5]、花の色が多様性に富む[8]。樹皮は灰褐色で薄くはがれる[5]。葉質は薄く光沢がなく、小さく(6.5–13センチ[12])、長楕円形・楕円形・円形など形はさまざまである[8]。

花序は直径7 – 18センチメートル (cm) 、装飾花は直径1.7 – 3 cm[12]。冬でも枝先の果序の装飾花がよく残る[5]。

冬芽は、枝先の頂芽は裸芽で大きく、はじめは芽鱗があるがすぐに落ちる[5]。側芽は枝に対生し小さく、芽鱗が2枚つく[5]。葉痕は心形や三角形で、維管束痕が3個つく[5]。

利用

葉にフィロズルチンの配糖体を含むものがあり、甘茶として利用される[12][14]。甘茶の原料となるヤマアジサイの変種の一群をアマチャ(アマチャ群)と称することがあり[15](この場合の「甘茶(アマチャ)」は分類上特定の品種を指す名称ではない[16])、その代表種としてアマチャ(Hydrangea macrophylla Seringe var. thunbergii Makino)[15]やアマギアマチャ(Hydrangea macrophylla Seringe var. amagiana Makino)[15]がある。

亜種等

ヤマアジサイは分布域が広く、いくつかの亜種がある。なお、ヤマアジサイを種として認めない場合、これらはアジサイ Hydrangea macrophylla の亜種となる。

アマギアマチャ
亜種 H. serrata subsp. angustata (Franch. & Savatier) Kitam.。富士山・天城山周辺[17]、静岡市梅ヶ島、箱根[18]に自生する。花はすべて白く[17]、葉はヤマアジサイより細い[18]。生の葉は甘苦い[18]。
エゾアジサイ
亜種 H. serrata subsp. yezoensis (Koidz.) Kitam.。ただし分子系統によると、ヤマアジサイよりアジサイ Hydrangea macrophylla に近縁である[19]。東北地方・北陸地方・北海道、および朝鮮南部に分布する[12][20]。高さ1–1.5メートルで[12]、北海道のものは本州のものより大きい[20]。花序は直径10–17センチ[12]、普通青色や青紫色だが白・ピンク・ほとんど赤色のものもある[14][20]。葉はヤマアジサイよりも大きく(10–17センチ)、ふちの鋸刃も鋭い[12]。花期は5月中旬から6月中旬である[21]。
シチダンカ
栽培品種 H. serrata 'Prolifera’。萼が星型で重なっている[22]。葉は卵形で、エゾアジサイに近い[18]。
シチダンカは江戸時代から知られ、シーボルトが『フローラ・ヤポニカ』で報告していたが、文献に伝わるのみで発見例はなく絶滅した「幻のアジサイ」とされていた。1959年に六甲山でシチダンカと考えられる品種が発見され[22][23]、その品種は H. serrata ‘Prolifera’ とされ、現在では「七段花」の名称で栽培、商品化もなされている。ただし、その後1993年に滋賀県で花型がシチダンカにより近い[24]新品種が発見され、その品種は「東雲(しののめ)」と称して栽培、商品化がなされている。
ベニガク
変種 H. serrata f. rosalba (Van Houtte) Ohwi。南日本の山地にみられる[17]。江戸時代から栽培されている品種である[25]。装飾花は白色だが日光に当たると赤みを帯びる[25]。葉は厚く楕円形で[18]、秋に紅葉する[17]。

脚注

参考文献

関連項目

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks