ラオスの12の慣習と14の規則
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12の慣習
「ヒート(ラーオ語:ຮີດ)」はパーリ語のチャーリッタ(慣習、道徳的行為)(ラーオ語:ຈາຣິຕຕະ パーリ語:caritta)に由来し、「シップソーン(ラーオ語:ສິບສອງ)」は12か月を意味する。1年の月ごとに行われる伝統的な宗教行事や祭礼のことを指す[2]。
以下に、陰暦の1月から12月まで、それぞれの月に対応する慣習を説明する。
陰暦1月(ラーオ語:ເດືອນອ້າຍ)
ブン・カオ・カム(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າກັມ)は、僧侶が自らの戒律違反を清めるために、一定期間特定の場所へ引きこもって「カム(内省と浄化)」という厳格な修行(別住・パリヴァーサ)を行う行事である[1][2]。この修行を終えた僧侶は清らかであると信じられており、在家信者は、修行に励む僧侶に食べ物や日用品を寄進することで、多大な功徳を積むことができると信じられている[1]。
陰暦2月(ラーオ語:ເດືອນຍີ່)
ブン・クーン・ラーン(ラーオ語:ບຸນຄູນລານ)は、脱穀場(ラーン)に積み上げられた稲に感謝し、翌年の豊作を願う祭事である[2]。ブン・コーン・カオ(ラーオ語:ບຸນກອງເຂົ້າ)とも呼ばれる。農民たちは脱穀したばかりの稲(カオ・プレーク)を寺院に持ち寄り、山のように積み上げて僧侶に捧げる。これは土地の精霊(ピー)と仏教の両方に対する感謝の儀式であり、翌年の豊作を祈願する意味も含まれている[1]。
また、この月は薪集め(ラーオ語:ຫາຟື້ນ)の時期でもあり、翌月の「カオ・チー(焼き餅)」を焼くための薪を森から集めて準備する[3]。仏教以前は、この時期に天の神(ピー・テーン)を祀る儀式が行われていた[3]。
陰暦3月(ラーオ語:ເດືອນສາມ)
ブン・カオチー(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າຈີ່)は、もち米を丸めて焼き、卵や砂糖を塗った「カオチー(ラーオ語:ເຂົ້າຈີ່)」を僧侶に捧げる祭り。これは使用人の女性が自分が食べるはずだった粗末な焼き餅を仏陀に捧げ、天女に生まれ変わったという故事に由来する。また、この月の満月は万仏節(ラーオ語:ບຸນມາຄະບູຊາ)としても祝われる。
また、この時期にはラオス南部チャンパサックにある世界遺産ワット・プーで盛大な祭りが開催され、全国から多くの巡礼者が集まる[1]。
陰暦4月(ラーオ語:ເດືອນສື່)
ブン・パヴェート(ラーオ語:ບຸນພຣະເວສ)は、釈迦の前世であるヴェッサンタラ王子の物語(ジャータカ)の説法を一晩中聴く盛大な行事である。1,000の詩節からなる物語に合わせて、1,000個の供物(米の塊、蝋燭、花など)を用意するのが特徴である[2]。寺院では僧侶が数日間にわたってこの長い叙事詩を朗読し、信者たちはその教えに耳を傾けることで功徳を積む。この物語は慈悲と無所有の精神を象徴しており、ラオス文学の重要な一部でもある[1]。
陰暦5月(ラーオ語:ເດືອນຫ້າ)

ブン・ピー・マイ・ラーオ(ラオス正月)(ラーオ語: ບຸນປີໃໝ່ລາວ)は、通常「サンカーン・ルアン(旧年の終わり)(ラーオ語:ວັນສັງຂານລ່ວງ)」、「ワン・ナオ(中日)(ラーオ語:ວັນເນົາ)」、「サンカーン・クン(新年の始まり)(ラーオ語:ວັນສັງຂານຂຶ້ນ )」の3日間にわたり祝われる。仏像や僧侶、長老の手に香水をかける灌仏(水掛け)や、砂の仏塔(タート)作り、動物を放す放生などが行われる。水は清浄と浄化を象徴し、一年の罪や不運を洗い流すとされる。
12の慣習の中で最も華やかで重要な行事である。特に世界遺産の街ルアンパバーンでは、王朝時代から続く精緻な儀式が行われる。家の守護神を祀る儀式が行われ、社会的な和解と新年の幸運を祈る[1]。
陰暦6月(ラーオ語: ເດືອນຫົກ)

ブン・バンファイ(ບຸນບັ້ງໄຟ)は、農耕シーズンの始まりにあたり、天の神(パヤー・テーン)に雨を請い、豊作を祈願するために自作のロケットを打ち上げる祭りである[2]。農業国であるラオスにおいて、雨季の始まりを告げるこの祭りは非常に重要な意味を持っている[1]。また、この月は仏陀の生誕・成道・入滅を記念する仏誕節(ヴィサーカ・ブーチャ)(ラーオ語:ວິສາຂະບູຊາ)でもあり、出家や灌頂(昇進の儀礼)も行われる[3]。
陰暦7月(ラーオ語:ເດືອນເຈັດ)
ブン・サムハ(ラーオ語:ບຸນຊໍາຮະ)は、「洗う、清潔にする」という意味があり、村や都市を清めて災厄や疫病を追い払う儀式。村の中心に祭壇を設け、僧侶の読経や聖水、砂礫を撒くことで不浄を祓う[1]。また、都市の守護精霊(マヘサック・ラック・ムアン)(ラーオ語:ມະເຫສັກ ຫລັກເມືອງ)を祀り、安寧を祈る[3]。これは仏教以前のアニミズムの伝統が仏教と融合した形を残している[1]。
陰暦8月(ラーオ語:ເດືອນແປດ)
ブン・カオ・パンサー(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າພັນສາ)は、雨季の3か月間、僧侶が寺院に留まり修行に専念する四旬節(雨安居)の始まりである。僧侶が外を歩いて農作物を踏み荒らさないようにという配慮から始まった[3]。僧侶はこの期間中、寺院内に留まって修行と瞑想に専念し、長距離の旅を控えなければならない。また、多くの若い男性がこの時期に短期間の出家を行い、両親のために功徳を積む習慣がある[1]。また、人々は僧侶に食事や雨浴衣(雨季用の衣)を捧げて功徳を積む[3]。
陰暦9月(ラーオ語:ເດືອນເກົ້າ)
ブン・カオ・パダップ・ディン(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າປະດັບດິນ)は、亡くなった先祖や、行き場のない精霊(餓鬼)(ラーオ語:ເປຕະຊົນ (ເຜຕ))を供養する行事である。人々は食べ物や檳榔、タバコなどをバナナの葉で包んだものを夜明け前の地面に置き、霊たちが受け取りやすいようにする。これは、地獄の王がこの日に亡者を解放して食事をさせるという信仰に基づいている[3]。現世と霊界の調和を図る行事である[1]。
陰暦10月(ラーオ語: ເດືອນສິບ)
ブン・カオ・サーク(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າສາກ)もしくはブン・カオ・サラーク(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າສະຫລາກ)は、先祖供養の祭りである。カオ・パダップ・ディン(ラーオ語:ບຸນເຂົ້າປະດັບດິນ)よりも盛大に行われる。人々は自分の名前を書いた「くじ(サラーク)(ラーオ語:ສະຫລາກ)」をお膳に添えて僧侶に渡し、僧侶が引いたくじによって布施が行われるためこの名がある[2]。この儀式は、家族の絆を再確認し、亡くなった人々への敬意を表す機会となる[1]。また、収穫された初穂の米で菓子を作り、供える祝祭の側面もある。
陰暦11月(ラーオ語: ເດືອນສິບເອັດ)
ブン・オーク・パンサー(ラーオ語:ບຸນອອກພັນສາ)は、3か月の雨安居期間が終了し、僧侶が再び自由に旅をすることを許される日(出安居)[3]。夜には川に手作りの灯籠を流すライ・フア・ファイ(火船流し)(ラーオ語:ໄຫລເຮືອໄຟ)が行われ、翌日にはボートレース(ラーオ語:ຊ່ວງເຮືອ)などの娯楽が催される[2]。
陰暦12月(ラーオ語:ດືອນສິບສອງ)

ブン・タート・ルアン(ラーオ語:ບຸນນະມັດສະການພະທາດຫລວງ)は、首都ビエンチャンにある国内最大の聖地タート・ルアン(大仏塔)で開催される、国家的な祭典[1]。数千人の僧侶が集まり、全国から数万人の信者が参拝に訪れる。全国から人々が集まり、蜜蝋で作られた櫓(ラーオ語:ຜາສາດເຜິ້ງ)を捧げて参拝する[3]。ラオスのナショナリズムと仏教信仰が最高潮に達する瞬間である[1]。
ブン・カティン(カティナ衣奉献)(ラーオ語:ບຸນກະຖິນ)は、3ヶ月間の雨安居を終えた僧侶に対して、新しい袈裟(衣)を献納する行事である。 陰暦11月の下弦の1日(出安居の翌日)から、陰暦12月の満月の日までのちょうど1ヶ月間に限定して行われる[3]。
14の規則
ラオスには12か月の行事である「ヒート・シップソーン」と対になる「コーン・シップシー(ラーオ語:ຄອງສິບສີ່)」と呼ばれる14の規則(または道、規範)がある[3]。
「コーン」とはパーリ語の「ゴーチャラ(境遇、素行)(パーリ語:gocara)」に由来し、「守るべき正しい道」や「実践すべき規範」社会の各階層(王、僧侶、一般市民、家族)が日常生活で守るべき道徳的・倫理的な行動指針を定めたものである[4]。
王の14の規則
「王の慣習(ラーオ語:ຮີດເຈົ້າ-ຄອງຂຸນ)」は統治者が国家を正しく導き、平和と繁栄を維持するために守るべき14の具体的な指針であり、仏教の道徳と統治技術が融合した内容となっている[5]。
- 誠実な役人の任命: 王たる者は、大臣や官吏を任命する際は、その人物の評判や実態を深く吟味しなければならない。誰が誠実で、誰が不誠実か、誰が悪人で、誰が善人か。口先だけで人を惑わす者や、言葉を巧みに操る者を見極め、重大な事柄から些細な事柄までをまずは心に留め置くこと。聞き入れるに値する言葉だけを聞き、そうでないものは退けよ。官吏を任命する際は、誠実で公明正大、かつ古くからの国政に精通し、民衆を虐げず、彼らが安心して暮らせるように配慮できる者を据えなければならない。
- 国家の協力体制の構築: 大臣たちを団結させ、定期的な会議を欠かさず行わせなければならない。外敵に隙を見せず、知略と英知をもって国を治めよ。国を繁栄させ、領土を広げ、民衆が抑圧されることなく平穏に暮らせるようにしなければならない。
- 正月の灌仏儀式:ラオス正月(ピーマイ)(ラーオ語:ປີໃໝ່)の季節が巡ってきたら、パケーオ(エメラルド仏)(ラーオ語:ພະແກ້ວ)やパバーン仏(ラーオ語:ພະບາງ)などの仏像を迎え、聖水香水(ラーオ語:ນໍ້າອົບນໍ້າຫອມ)で清める潅仏儀式を行うこと。花や蝋燭、線香を捧げ、法話を聞き、五戒を守り、7日間にわたってすべての寺院で仏教を称える祝祭を催さなければならない。砂の仏塔を築き、水陸のあらゆる神々に祈りを捧げることで、国に雨の恵みをもたらし、五穀豊穣を実現せよ。
- 僧侶への灌仏:王たる者は、正月の安息日において、僧侶を招いて北から南へ、あるいは南から北へと水を掛ける儀列を行うこと。守護神(ラーオ語:ເທວະດາຫຼວງ)を祀るために国の端々を巡らなければならない。同様に、厄災を祓い、毎年国土が繁栄するために、僧侶に香水を注いで清めるものである。民衆もまた香水を用意し、王や僧侶に捧げ、一般の人々にも水を掛け合うことで、国中が平穏で幸福になる。
- 国王への祝福と灌仏:王たる者は、新しい正月の日に、官吏や諸侯、地方の長、警護官、近習らが集まり、国王に長寿と繁栄を願うバシー(ບາສີ)の儀式を執り行うこと。導師は国王の健康と幸福を祈願せよ。その後、聖なる洞窟から運ばれた聖水(ラーオ語:ນໍ້າທ່ຽງ)を使い、市内の主要な寺院や、タムティン洞窟(ラーオ語:ຖໍ້າຕິ່ງ)の仏像を清め、宮殿内でも伝統に則り僧侶を招いて仏像に祈りを捧げること。これこそが仏教への正しい敬意の示し方である。
- 忠誠の誓い(新年の宣誓):王たる者は、正月の終わりには、皇族、文武百官、地方の有力者から末端の役人に至るまで、国の全臣下を一堂に集め、仏・法・僧の前で忠誠の誓いの水(ラーオ語:ນໍ້າພະພິພັດສັດຕະຍາ)を飲ませなければならない。これは国への忠誠を誓わせ、反逆を防ぐための儀式である。
- 都市の守護精霊への祭祀: 王たる者は、陰暦7月には、守護霊や都市の柱(ラーオ語:ມະເຫສັກຫຼັກເມືອງ)を祀る儀式を行うこと。伝統に従い、守護霊を招いて街を清め、災厄を払わなければならない。古くから「ムアン・スワー(現在のルアンパバーン)に法(法典)なき時は、霊の力(ラーオ語:ໄສຍະສາດ)をもって国を守れ」と言い伝えられており、災いを避けるためにこの習慣を維持せよ。
- 都市の厄祓い:陰暦8月には、都市の浄化の読経を行い、都市の運勢を繋ぐ儀式(ラーオ語:ສືບຊະຕາເມືອງ)を執り行うこと。二人の兄弟仙人や八方の守護神やナーガ(龍王)(ラーオ語:ພະຍານາກ)に3日から7日間の祈りを捧げ、街の周囲で空砲を鳴らし、聖なる石や砂を撒いて、疫病や災難を払い、国の平和を祈願せよ。
- 祖霊祭と忠誠の誓い:王たる者は、陰暦9月の新月のホーカオ・パダップディン(ラーオ語:ຫໍ່ເຂົ້າປະດັບດິນ)には、民衆に先祖や亡くなった家族への供養を行わせること。また、この時期に再び臣下を集めて忠誠の誓いを行わせ、ボートレース(ラーオ語:ຊ່ວງເຮືອ)を開催して守護龍を称えよ。これにより国は安泰となり、豊作が約束される。
- くじ引き布施の奨励:王たる者は、陰暦10月の満月にくじ引き布施(ホーカオ・サラーク)(ラーオ語:ຫໍ່ເຂົ້າສະລາກ)には、民衆に「籤付きの供物」を捧げさせ、その功徳を都市の守護神や先祖に回向させよ。そうすることで、国はますます繁栄する。
- オーク・パンサー(出安居)と火船流し:王たる者は、陰暦11月の満月には、毎年欠かさずプーシーの仏塔(タート・チョムシー)(ラーオ語:ພະທາດຈອມສີ)を清める儀式を行うこと。これは国の吉兆である。また、僧侶を招いて結界(ラーオ語:ສິມ)での儀式(自恣)を行わせ、官吏たちの団結を固めよ。新月の日には、民衆に流し灯籠(ラーオ語:ໄຫຼເຮືອໄຟ)を行わせ、15の龍王を供養することで、国の幸福を維持せよ。
- タート・ルアン祭り:陰暦12月の初日から、山岳民族を含む全領土の民をルアンパバーンに集め、国王の行幸に供奉させよ。ボートレースや、タート・ルアン(ラーオ語:ພະທາດສີທຳມາໂສກະລາດ)への参拝を行い、伝統的な祝祭を盛大に催すこと。様々な芸能(獅子舞や人形劇など)を3日3晩楽しみ、民衆が互いに親睦を深め、友好関係を築けるようにせよ。これにより、国王の威光は近隣諸国にまで鳴り響くことになる。
- 布施と徳:王たる者は、あらゆる種類の布施を行うように手配すること。例えば、カティナ衣(ラーオ語:ກະຕິນາ)の奉納、出家・得度の支援、大生本生譚(ラーオ語:ມະຫາຊາດ)の説法会、安息日ごとの八斎戒の遵守などである。また、四無量心(慈・悲・喜・捨)(ラーオ語:ສີ່ອະປະມານັນຕະຈິດ)に満ちた心を持ち、大臣や官僚、領内の民衆や家臣に寛容であること。怒りに任せて他人の娘を奪って妻にするようなことをしてはならない。賢者を養い、仕事を速やかに成し遂げさせ、勇敢で賢い大臣や、戒律正しく知識のある僧侶を抱え、信徒たちを教え導かせること。十王法(ラーオ語:ສິບຮາຊະທຳ パーリ語:dasa-rāja-dhamma))を備えれば、国は繁栄する。
- 施し(dāna): 出家者や貧困者に施しを行い、公共の利益のために財産を提供すること。
- 持戒(sīla): 五戒や布薩戒を守り、身体と言葉を律して道徳的な模範となること。
- 献身(pariccāga): 民衆のために個人の幸福や命を犠牲にすること。寺院の修復、井戸の掘削など公共の利益を創出すること。
- 正直(ajjava): 誠実で正義を貫き、私情で民衆を欺かないこと。
- 柔和(maddava): 態度が礼儀正しく、柔軟で、傲慢さのない優しさを持つこと。
- 自制(tapa): 欲望を抑え、心の悪を浄化すること。
- 不怒(akkodha): 残忍さを捨て、恨みや憎しみによる不当な判断を避けること。
- 不害(avihimsā): 他者を苦しめないこと。過酷な重税を課したり、不当な罰を与えたりしないこと。
- 忍耐(khanti): 困難や中傷に対しても落胆せず、耐え忍ぶこと。
- 不逆(avirodhana): 法や伝統に背かず、私情に流されずに公明正大な統治を行うこと。
- 国の十四の至宝:王たる者は、以下の14の優れた財産(ラーオ語:ສົມບັດອັນປະເສີດ ໑໔ ປະການ)を持つべきである。
- 都市の耳(ຫູເມືອງ): 知恵に優れ、他国の情勢や情報を収集し、適切に外交交渉を行うことができる賢明な外交官を指す。
- 都市の目(ຕາເມືອງ): 民衆を正しく導くために、文字や学問(パーリ語の経典など)を教える知識豊かな学者や教師を指す。
- 都市の核(ແກ່ນເມືອງ): 仏法(ダルマ)と戒律(ヴィナヤ)に精通し、道徳を広め人々の精神的支柱となる賢明な僧団(サンガ)を指す。
- 都市の門(ປະຕູເມືອງ): 外敵の侵入を防ぐために蓄えられた、様々な兵器や武具などの軍事設備を指す。
- 都市の根(ຮາກເມືອງ): 天候や国の運勢を読み解き、将来の災厄を予測して統治者に助言を与える占星術師を指す。
- 都市の幹(ເຫງົ້າເມືອງ): 経験豊富で、国家の基盤を揺るぎなく支える勇敢な長老や元老たちを指す。
- 都市の梁(ຂີ່ເມືອງ): 誠実かつ正直で、地域社会を正しく管理する村長や、国に忠誠を誓う民衆そのものを指す。
- 都市の壁(ຝາເມືອງ): 戦場において敵を打ち負かし、国家を物理的に防衛する能力を持つ勇敢な兵士たちを指す。
- 都市の横梁(ແປເມືອງ): 建物において全体を支える梁のように、高い道徳心を備え、不正を許さず民衆を見守る王や高官を指す。
- 都市の境界(ເຂດເມືອງ): 領土の地理や境界線に詳しく、その土地が持つ価値や性質を正確に把握している行政官を指す。
- 都市の意識(ສະຕິເມືອງ): 経済を活性化させ、物資を流通させることで国家を豊かにする、富裕な商人や資産家を指す。
- 都市の心(ໃຈເມືອງ): 人々の病を癒す知識を持ち、適切な薬を処方できる優れた医師や伝統医療の専門家を指す。
- 都市の価値(ຄ່າເມືອງ): 国家の存立基盤である領土そのもの、およびそこに住む善良な市民(人口)を指す。
- 都市の雲(ມກເມືອງ): 国家を霊的な次元から守護し、平和をもたらすテワダー(天人)や守護精霊(アラック)を指す
僧侶の14の規律
ラオスの伝統的な典礼書や歴史的文献によれば、僧侶の14の規律は以下の通りである[3]。
- 仏陀の教えの学習と227戒の厳守: 僧侶は日々仏教の教え(ダルマ)を学習し、比丘に課せられた227の戒律を破ることなく厳格に守らなければならない。
- 僧坊や寺院の維持管理: 僧侶の住居である僧坊(ラーオ語:ກຸຕິ)や、説教・儀式を行う礼拝堂(ラーオ語:ວິຫານ)などの清掃・手入れを怠らず、寺院を清潔に保つ責任がある。
- 信徒の求めに応じた奉仕活動: 地域住民(信徒)からの依頼に基づき、布施の儀式、出家得度式、聖水による高僧の昇進儀式(ラーオ語:ເຖລາພິເສກ)などの宗教的奉仕を行う。
- 雨安居(入安居)とカティナ衣の規程遵守: 陰暦8月から3ヶ月間は寺院に留まる「安居(ラーオ語:ເຂົ້າພັນສາ)」に入らなければならない。安居明けには、信徒から贈られるカティナ衣(僧衣)(ラーオ語:(ຜ້າກະຖິນ)を受け取り、その後の規程を遵守する。
- 冬の季節の修行への参加: 安居が明けた後の乾季(冬)には、過去に犯した軽微な罪を浄化するための修行期間(ラーオ語:ປະລິວາສະກຳもしくは ເຂົ້າກັມ)に入ることが求められる。
- 毎朝の托鉢の励行: 毎日欠かさず、近くの村々を托鉢(ラーオ語:(ບິນທະບາດ)して回り、信徒から食事の布施を受けなければならない。
- 夜間の読経と瞑想の継続: 毎晩、決まった時間に読経と瞑想を行い、自己の精神修養を欠かさず継続する。
- 斎日における布薩の実施: 新月と満月の日(斎日)には僧侶が集まり、戒律を確認し合う「布薩」の儀式(ラーオ語:ອຸໂປສົດສັງຄະກຳ)を行い、僧団の純潔性を維持する。
- 正月行事における仏像・仏塔への灌仏協力: ラオス正月(ピーマイ)の時期には、信徒が仏像や仏塔を清める際、その灌仏儀式に協力し、共に行事を実施する。
- 新年における祝福の実施: 新年には、王宮内や地域社会において、仏像への拝礼や他僧侶、信徒へのバーシー(魂の祝福儀式)(ラーオ語:ບາສີ ສັງຄະເຈົ້າ)などを行う。
- 信徒の正当な求めへの対応: 信徒が戒律に反しない範囲で助言や法話を求めた場合、僧侶はそれに従順に対応する必要がある。
- 寺院や仏塔の建立・修復への協力: 自らが所属する寺院や神聖な仏塔の建設、維持、修復活動に、沙門として積極的に関与する。
- 信徒からの布施の適切な受領: 食事の献納(ラーオ語:ສັງຄະພັດ)やくじ引きによる布施(ラーオ語: ສະຫລາກກະພັດ)など、信徒の信仰心からなされる供養を適切に受け取る。
- 重要行事への参列義務: 国家(国王)や僧団にとって重要な集まり(特定の布薩堂への召喚など)がある場合、僧侶として出席を拒否してはならない。
一般民衆の14の規律
ラオスの伝統的な教典や慣習によれば、一般市民が日々の生活の中で実践すべき規則は以下の通り[4]。
- 初物の布施と分かち合い: 新米や季節の最初の果物などを得たときは、まず僧侶などの徳の高い者に施し、その後自分たちで食べ、親族にも分かち合わなければならない。
- 誠実な取引と温和な言葉: 秤をごまかしたり、偽金を使ったりしてはならない。また、互いに粗野で攻撃的な言葉を使わず、穏やかに接する必要がある。
- 住環境の整備と精霊への敬意: 寺院や自宅の垣根を整え、家の四隅に守護精霊を祀る祠(ラーオ語:ຫໍບູຊາ)を建て、家庭の安全を祈らなければならない。
- 入宅時の足の清め :家の中に汚れを持ち込まないよう、家に上がる前に必ず足を洗うこと。
- 安息日における家庭内の精霊供養: 仏教の安息日(ワン・シン)には、かまど、火の神、階段の神、扉の神といった家を守る精霊たちに感謝と謝罪(ソンマー)を捧げなければならない。
- 就寝前の足の清め: 寝る前には必ず足を洗い、身を清めてから休む必要がある。
- 夫や年長者への敬意: 安息日には、妻は花や線香を夫に捧げて敬意を表すと同時に、僧侶や両親に対しても捧げ物をして、日頃の恩義に感謝する。
- 定期的な托鉢と家の浄化: 満月と新月の安息日には、僧侶を自宅に招いて家を清める祈祷(スート・ムンクン)を行い、托鉢を欠かさず実施する。
- 托鉢時の厳格なエチケット: 托鉢の際、僧侶を待たせてはならない。また、僧侶の体に触れないことはもちろん、靴を履かず、傘を差さず、被り物をせず、子供を抱かず、武器を持たずに施しをするのが正しい作法である。
- 修行中の僧侶への奉仕: 僧侶が特定の修行期間(ラーオ語:ປະຣິວະສະກັມ)に入っているときは、積極的に供え物や必要な物資を捧げ、その修行を支えなければならない。
- 僧侶に対する礼節 僧侶を見かけたら、まずその場に座って手を合わせ(ワイ/ノップ)、それから言葉を交わさなければならない。
- 僧侶の影への配慮: 徳の高い僧侶の影を踏むことは、無礼な行為として固く禁じられている。
- 不適切な献上物の禁止: 自分が食べ残したものを僧侶に捧げてはならない。また、食べ残しを夫に食べさせることも避けるべきとされている。
- 聖日における禁欲 :入安居、出安居、正月、および自分の誕生日には、性行為を控え、精神的な純潔を保たなければならない。
参考文献
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- ↑ ພຣະອາຈາຣຍ໌ມະຫາປາລ ອານັນໂທ『ປະເພນີລາວ ພ້ອມ ຕໍາຣາຢາບູຮານລາວ ຂອງອົງຄ໌ສົມເດັດພຣະສັງຄະຣາຊ ຮິບໂຮມເເລະຮຽບຮຽງ』。