レクセル彗星
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レクセル彗星(レクセルすいせい、Lexell's Comet)は1770年6月に天文学者の Charles Messier(シャルル・メシエ)によって発見された大彗星である[note 1]。彗星の命名規則に基づいた名前はD/1770 L1であり、レクセル彗星という名称はこの彗星の軌道を計算したアンダース・レクセルに因んでいる[note 1]。レクセル彗星は歴史上のどの彗星よりも地球の近くを通り過ぎたことで有名である。このときレクセル彗星は地球から0.015 AUの地点まで接近した[2][3][4]。レクセル彗星は1771年以降は観察されておらず、見失われた彗星と見なされている。
| レクセル彗星 Lexell's Comet | |
|---|---|
| 仮符号・別名 | D/1770 L1 P/Lexell |
| 分類 | 彗星 |
| 軌道要素と性質 元期:TDB 2367764.5 (1770年8月14.0日)[1] | |
| 軌道長半径 (a) | 3.1533844 AU[1] |
| 近日点距離 (q) | 0.674449 AU[1] |
| 遠日点距離 (Q) | 5.632 AU[1] |
| 離心率 (e) | 0.786119[1] |
| 公転周期 (P) | 2045.4 日[1] 5.60 年[1] |
| 平均軌道速度 | 0.1760106 度/日[1] |
| 軌道傾斜角 (i) | 1.5517 度[1] |
| 近日点引数 (ω) | 225.0161 度[1] |
| 昇交点黄経 (Ω) | 134.4673 度[1] |
| 平均近点角 (M) | 359.993 度[1] |
| 前回近日点通過 | JED 2367764.5409[1] (1770年8月14日) |
| 発見 | |
| 発見日 | 1770年6月14日 |
| 発見者 | Charles Messier(シャルル・メシエ) |
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | |
発見
地球への接近
軌道
レクセル彗星の軌道計算は何回か行われ、軌道が放物線軌道か楕円軌道かによって近日点が8月9-10日か、8月13-14日というばらつきがあった。レクセルは数年に渡って軌道計算を行い、軌道周期を5.58年と決定した[2]。これほど短い周期の軌道にもかかわらず、レクセル彗星が知られていなかったのは、彗星の軌道が木星の重力によって変えられたためだとレクセルは述べている[6]。レクセル彗星は最も早くに発見された木星族の彗星かつ地球近傍天体でもある[7]。
レクセル彗星は二度と観察されることはなかった。レクセルはピエール=シモン・ラプラスと協力してその後の調査を行ったところ、1779年に木星との相互作用によって軌道が摂動し、地球から観測できないほど遠くに遠ざかったか、太陽系から完全に脱出したかのどちらかだと主張した。現在、レクセル彗星は見失われた彗星であると考えられている。
軌道計算におけるレクセルの研究は、近代的な軌道決定法の始まりだと考えられている[8]。1840年代にユルバン・ルヴェリエは彗星軌道のさらなる研究を行い、木星の中心から木星の半径の3.5倍の距離まで彗星が近づいたにもかかわらず、レクセル彗星は木星の衛星にはなったことがないことを示した[9]。
