レモンザメ

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レモンザメ
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg
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分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: メジロザメ目 Carcharhiniformes
: メジロザメ科 Carcharhinidae
: レモンザメ属 Negaprion
: レモンザメ N. acutidens
学名
Negaprion acutidens
(Rüppell, 1837)
シノニム
  • Aprionodon acutidens queenslandicus Whitley, 1939
  • Carcharias acutidens Rüppell, 1837
  • Carcharias forskalii Klunzinger, 1871(不明確)
  • Carcharias munzingeri Kossmann & Räuber, 1877
  • Eulamia odontaspis Fowler, 1908
  • Hemigaleops fosteri Schultz & Welander, 1953
  • Mystidens innominatus Whitley, 1944
  • Negaprion queenslandicus Whitley, 1939
  • Odontaspis madagascariensis Fourmanoir, 1961
英名
Sicklefin lemon shark
sharptooth lemon shark
分布

レモンザメ(檸檬鮫、Negaprion acutidens )はメジロザメ科に属するサメの一種。インド太平洋の熱帯域、深度92mまでの沿岸に広く分布する。大西洋ニシレモンザメと近縁で、同様に太い体・幅広い頭部・一様な黄色い体色を持つが、本種は鰭が強い鎌型であることで区別できる。最大で3.1m。

動きは遅く、主に硬骨魚を食べる。長距離を移動することは少ない。胎生で、2年毎に13匹以下の仔を産む。臆病だが、人への攻撃例も報告されている。繁殖力と移動力が低いため漁業によって個体数が減少しており、IUCN保全状況絶滅危惧としている。

ドイツの博物学者エドゥアルト・リュッペルによって、1837年の Fische des Rothen Meeres("紅海の魚")においてCarcharias acutidens の名で記載された。1940年、オーストラリアの魚類学者Gilbert Percy Whitleyは新属Negaprion を創設して本種を移した。タイプ標本は1960年に指定され、ジッダ沖の紅海で捕獲された68cmの個体である[2]種小名acutidensラテン語acutus(鋭い)、dens(歯)に由来する。他の英名としてbroadfin shark・Indian lemon shark・Indo-Pacific lemon shark、または単にlemon sharkと呼ばれる[3]

日本では1981年、吉野らにより生息が確認され、レモンザメの和名が与えられた[4]。沖縄地方ではよく見られるサメであることから、マーブカー(真鱶、普通のサメといった意味)と呼ばれる[5]

マイクロサテライトDNAからは、本種はニシレモンザメと100-140万年前に分岐したことが示された。テチス海が閉じたことによって、レモンザメ属はインド洋大西洋の集団に分かれ、別種となったと考えられる[6]。祖先的なレモンザメ属として、米国とパキスタンからNegaprion eurybathrodon の歯が発見されている[6]。レモンザメ属自体は形態や分子系統解析によって、ネムリブカトガリメザメ属とともに、イタチザメヒラガシラ属トガリアンコウザメ属などの基底的な属よりもメジロザメ属に近い位置に置かれている[7][8]

分布

a large shark with sickle-shaped pectoral fins and two dorsal fins of nearly equal size, swimming just over a coral reef
サンゴ礁は生息環境の一つである。

インド太平洋の広範囲で見られる。インド洋では南アフリカから紅海・モーリシャスセーシェルマダガスカルインド亜大陸に沿って東南アジアまで。太平洋では台湾フィリピンからニューギニア島オーストラリア北部と太平洋諸島(ニューカレドニアパラオマーシャル諸島ソロモン諸島フィジーバヌアツフランス領ポリネシア)に分布する[9][2]。本種は島伝いに太平洋中部へ広がっていったようではあるが、オーストラリア東部を中心とする個体群とフランス領ポリネシアを中心とする個体群は最低でも750km離れており、これらの間には顕著な遺伝的差異が存在することが分かっている。このため、長距離を移動することは非常に稀だと考えられる[6]。日本では八重山諸島以南、西表島石垣島などで見られる。

大陸棚や島棚の沿岸域に生息し、潮間帯から深度92mまで見られる[10]。静水や濁った水を好み、内・河口礁湖、または礁外縁の砂地などでよく見られる。時折外洋に出る個体もおり、1971年にはマッコウクジラの死骸の近くを泳ぐ個体が撮影されている。幼体はマングローブ周辺の礁原でよく見られ、水深が浅いため背鰭を水中から突き出していることがある[2][11]。成育場として知られるシャーク湾のHerald Bightでは、幼体は3mより浅いマングローブや開けた水域ではよく見られるが、海草Posidonia australis に覆われた場所では見られなかった[12]

形態

A sicklefin lemon shark over a coral reef, surrounded by smaller, colorful butterfly fish
鎌型の鰭が特徴である。

体は太く頑丈で、頭部は短く幅広い。吻は丸く楔型。鼻孔は小さく、三角形の前鼻弁を持つ。眼は小さく、噴水孔はない。口角には短い唇褶がある[2]。片側の歯列は両顎ともに1316(通常14)。顎中央には微小な正中歯列がある。上顎歯は大きな尖頭と幅広い基部を持ち、両側に凹みがある。口角に向かうほど歯は傾く。下顎歯は上顎歯に似るが、より細く傾きが小さい[11]。1.4mを超えた個体は、歯に細かい鋸歯を持つ[2]

鰭(特に背鰭胸鰭腹鰭)は、ニシレモンザメと比べより強い鎌型をしている。第一背鰭は胸鰭より腹鰭に近い。第二背鰭は第一とほぼ同じ大きさで、臀鰭の少し前方に位置する。胸鰭は長くて幅広く、第3と第4鰓裂の間から起始する。臀鰭後縁には強い切れ込みがある。尾鰭基部の凹窩は前後方向を向く[2]皮歯は大きくて重なり合い、各皮歯には3-5本の水平隆起がある[10]。背面は一様な黄褐色で、腹面は淡色。鰭はより黄色味が強い[13]。最大で3.1mに達する。[11]

生態

人との関わり

脚注

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