ロッテお家騒動
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2013年頃より重光宏之が韓国ロッテ製菓の株式を買い増しており、社内で紛争が起きていると囁かれていた[1]。
2014年暮れよりロッテの創業家での軋みが見え始める。宏之は2014年12月にロッテ商事など3社の取締役を突如解任、2015年1月にロッテホールディングス副会長を解任された。『中央日報』によると、宏之が韓国ロッテ製菓の株式を買い集めたことが武雄の怒りを買ったためとされる。しかし7月27日には、対立状態であったと思われる武雄と宏之がロッテホールディングス本社に突然訪れて重光昭夫の解任を突きつけた[2]。
2015年7月8日、武雄は昭夫にロッテを経営する才能は無いとして引導を渡した。昭夫は無断で中国への巨額の投資を行い、1000億円にもなろうかという赤字を出したにもかかわらずこれを隠していたためである。だが7月15日には、昭夫は地位を返上どころかロッテホールディングス代表権が付与された代表取締役副会長に就任した。それまでのロッテは、日本は重光宏之、韓国は昭夫が経営することになっていたが、宏之を追放し日本も韓国も昭夫が経営することとした。このようなことは武雄が許さないだろうが、昭夫は取締役会も株主総会の議決権も過半数を抑えているためできていた[3]。
宏之は、武雄が昭夫を非難する内容の映像をテレビ局に提供して自らの正当性を主張。宏之の陣営には武雄の弟である辛善浩らが味方につき、7月31日には宏之が後継者であると考えると韓国メディアに語る。これに対して韓国ロッテグループ37社の社長は昭夫を支持する声明を発表した[2]。
これは韓国では単なる企業内の抗争にとどまらず、ロッテは日本企業か韓国企業かというナショナリズムの論争が行われることとなった。宏之が韓国メディアの取材に対し日本語で応えたことをきっかけに、韓国国内ではロッテ商品の不買運動が発生した。また、韓国ロッテグループの主軸企業・ホテルロッテの持分の大半は日本企業であり、日本ロッテグループは韓国ロッテグループから3年間で約148億円の配当金を受け取っていた。このことを契機として韓国政府も動き出し、韓国公正取引委員会は政府や与党と協議をして、韓国の大企業グループに対して海外の系列企業の株式保有状況などを公表するように求めることとなった[2]。
2015年に武雄と宏之が起こしていた昭夫らのロッテホールディングス役員の解任を求めるというクーデターは失敗に終わった。8月17日の臨時株主総会で昭夫の主導体制が確認される[2]。
2016年6月10日より、グループが多額の裏金を捻出してオーナー一族の会社を不当に支援していた疑惑が明るみになり、韓国の検察当局はロッテグループ本社と子会社など約30カ所を家宅捜索していた。宏之はこれに注目して、公開質問書を送るなど昭夫を攻撃していた。6月25日にロッテホールディングスの定時株主総会が開かれて、昭夫を解任する議案が出されたが否決された。昭夫が会長に就任してからは、過去10年で最大の利益を出すなどの経営の成果があったために、株主は昭夫を支持した[4]。
2016年に韓国ロッテグループは、武雄や昭夫の指示で数百億円以上ともいわれる巨額の裏金を作っていることを疑われて捜査された。検査当局は9月時点で関与を裏付ける証拠を得ていないが、8月に韓国ロッテ副会長の李仁源が自殺していた[5]。
2016年10月19日にソウル中央地検は、背任や横領容疑でロッテグループ創業者一族3人をはじめとした幹部18人を在宅起訴、逮捕者も含めると総勢24人が起訴された。それから崔順実に関連する財団に韓国ロッテや昭夫が資金を提供していたという疑惑が浮上[6]。
2017年10月に武雄は背任などの罪で懲役4年と罰金35億ウォンが課せられたが、高齢であったために収監はされなかった[1]。
2020年1月に武雄が亡くなってから昭夫はロッテホールディングスの会長に就任していたものの、宏之は同年4月に昭夫の会長解任を求める株主提案を提出した。理由は有罪判決を受けた人物が会長やオーナーに就任することについての指摘であった[7]。
2020年7月、宏之は昭夫のロッテホールディングスの取締役解任を求める訴訟を東京地方裁判所に起こす。有罪判決が確定した人物が取締役を続けるのは、法令順守の経営上許されないものであるとするため。株主総会で解任案が否決されたため司法の判断で解任すると判断した[8]。
脚注
- 1 2 3 朋子, 菅野. “【追悼】所持金わずか「83円」で来日 韓国出身のロッテ創業者・重光武雄の数奇な人生”. 文春オンライン. 2024年1月11日閲覧。
- 1 2 3 4 INC, SANKEI DIGITAL (2015年8月20日). “【経済裏読み】「謝罪」で収まらぬロッテお家騒動「日韓格差」が兄弟ゲンカの火だね?「反日感情」絡みさらに混沌”. 産経ニュース. p. 1. 2024年1月11日閲覧。
- ↑ ““父殺し”もいとわぬ二男、武雄を返り討ちにし、ロッテグループから「追放」”. ダイヤモンド・オンライン (2022年4月20日). 2024年1月11日閲覧。
- ↑ “ロッテお家騒動、弟に3回目の軍配、しかし...韓国検察の捜査で漂う不透明感”. ハフポスト (2016年6月26日). 2024年1月11日閲覧。
- ↑ INC, SANKEI DIGITAL (2016年9月20日). “【ロッテ裏金疑惑】お家騒動の発端は経営権争い 自身有利にしようと内部情報を検察に提供するも裏目…「身から出たさび」と国民”. 産経ニュース. p. 1. 2024年1月11日閲覧。
- ↑ “ロッテお家騒動! 弟の昭夫が私や父など家族を巻き込んだ”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2016年12月22日). 2024年1月11日閲覧。
- ↑ “「ロッテHD会長の解任を」 兄が株主提案 再び“お家騒動”に”. テレビ東京. テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド). 2024年1月11日閲覧。
- ↑ 日本語ニュースチーム (2020年7月22日). “ロッテ創業者長男 弟の取締役解任求め東京地裁に提訴”. 聯合ニュース. 2024年1月11日閲覧。
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