ワン・トゥ・ワン・コンサート

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ワン・トゥ・ワン・コンサートThe One-to-One Concert)は、1972年8月30日ニューヨークセントラル・パークで開催された、アメリカのテレビ記者ジェラルド・リベラと女優のジェラルディン・フィッツジェラルドが主催した、精神発達遅滞児童を援助するためのチャリティ・イベント「ワン・トゥ・ワン」の一環として、マディソン・スクエア・ガーデンを会場に行われたコンサートである[1]

開催に至る経緯

昼と夜の2公演を合わせて約4万人の観客を動員し、150万ドル[注釈 1]を超える収益をあげたこのコンサートのメイン・アクトは、元ビートルズジョン・レノン率いるザ・プラスティック・エレファンツ・メモリー・バンドで、ビートルズ解散後にレノンが行った唯一のフルコンサートとして有名である[2][3][4]。その他、シャ・ナ・ナロバータ・フラックスティーヴィー・ワンダーがゲスト出演した[注釈 2][注釈 3]

1970年代中頃のリベラ

1972年当時、リベラはABCテレビ系列のニューヨークのテレビ局WABCテレビの報道番組『アイウィットネス・ニュース』の調査報道記者だった。以前より虐待などの噂があったスタテンアイランド障がい児支援学校ウィローブルック州立学校を取材し、全米で放送された。同施設での身体的・精神的な障害を持つ子どもたちを苦しめる劣悪な環境と、非倫理的な医療行為を告発した『ウィローブルック:最低最大の汚点』と題されたこのリポートは大きな反響を呼んだ[注釈 4]

一方、レノンはオノ・ヨーコと共に1971年9月に活動の拠点をニューヨークに移し、楽曲制作をする傍ら、平和や人権などに関わる政治的活動も熱心に行っていた。リポートを見たレノンは、リベラに連絡を取り、もし支援活動を行うなら協力する旨を伝えた。その後リベラとフィッツジェラルドは、ウィローブルック支援の慈善昼食会で知的障害児の合唱を聴いた後、「適切な機会を与えられれば、こうした子供たちが何ができるかを一般の人々に理解してもらえる」プログラムを企画しようと決意した[1]。セントラル・パークで行う企画がまとまると、リベラはレノン夫妻にコンサートにメイン・アクトとしての出演を打診した。リベラは「正直なところ少し不安だったが、彼らは即座に喜んで引き受けると言ってくれた」と語った[1]

元々レノンはこれまでのイベント同様に数曲のみ演奏するつもりでいたが、メイン・アクトを任されることになったので、『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』のレコーディングに参加していたニューヨークのローカルバンド、エレファンツ・メモリーを招集して、フィル・スペクターとともに、8月18日から22日にかけてマンハッタンのスタジオ、バタフライ・スタジオ(BUTTERFLY STUDIOS NEW YORK)とスタジオ・インストゥルメント・レンタルズ(SIR Studios)でリハーサルを行った[5]。また、25日、26日にはフィルモア・イーストでステージ上での実際の演奏を想定してのリハーサルを行った。

当初は夜1回の公演のみが計画されていたが、予想を上回って早々に完売したので[注釈 5]、昼の公演が追加された[5]

イベント当日

午前10時からセントラルパークで始まった入場無料の昼間イベントには、オノが装飾を担当した芝生広場に1万人の知的障害児[注釈 6]が集い、イベント名どおり一人に付き一人のボランティアに付き添われて、フォークソング、サーカス、社交ダンス、パレードなどを楽しんだ[1]

午後からはマジソン・スクエア・ガーデンでコンサートが始まった。昼の部では、自身は喉の調子が悪く、またバンドの演奏も決して満足できるものではないことを感じたレノンは、開始早々の「イッツ・ソー・ハード」を歌った後に、観客向かって「リハーサルへようこそ」と自嘲的に言った[5]。『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』収録曲を中心にシングル・ヒットを披露したが、観客が期待していたビートルズの曲は「カム・トゥゲザー」だけだった[5]

一部曲順を替えて臨んだ夜の部は、昼の部よりはいい演奏となった。最後には、主催者のリベラ、フィッツジェラルド、出演者一同、そして客席にいたデヴィッド・ピール、ティーンエイジ・ラスト[注釈 7]アビー・ホフマンジェリー・ルービンアレン・ギンズバーグメラニー・ソフィカジム・バウトン、その他数十人が、詰めかけた2万人の観客とともに「平和を我等に」を歌い、イベントは幕を閉じた。

出演者

演奏曲

シャ・ナ・ナ

  1. シー・クルーズ
  2. ヤケティ・ヤック
  3. ティアーズ・オン・マイ・ピロー
  4. テル・ローラ・アイ・ラブ・ハー
  5. ロックンロール・イズ・ヒア・トゥ・ステイ
  6. ラマ・ラマ・ディン・ドン

ロバータ・フラック

  1. 僧侶リー
  2. サムホエア

      他数曲

スティーヴィー・ワンダー

  1. フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ
  2. 真実の愛(愛してくれるなら)
  3. スーパーウーマン
  4. ヘヴン・ヘルプ・アス・オール
  5. 迷信
  6. キープ・オン・ランニング

ザ・プラスティック・エレファンツ・メモリー・バンド

記録と公開

脚注

参考文献

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